表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
127/146

やらかしたー!


「持ってきなさい! 私の全部くれてやるから、これ以上誰かを傷つけるのは許さない!」


 胸にごりっとした鉄を感じる。

 あーあーあー。

 やらかしたー!

 本当にやらかしたわー!


 やー、これヤバいよなー。

 なんかただの鉄パイプ突き付けられてるだけっぽいので、緊張感まるでないんだけど。

 いや、鉄パイプとか武器にするってかなり物騒だけどね?

 けど、先生たちのシスター服に鉄パイプってアンバランスさがこんな時だけど……グッときます!


 昔の映画にセーラー服と機関銃ってのがあるんでしょ?

 観たことないけど。

 ギャルに日本刀持たせたりするゲームとかあるし、やっぱこのアンバランスな魅力ってのは世代を超えてくるものがあるんだと思います!


 それどころじゃないんですけどね!!!

 今、ころされかけてるんで!


 まーねぇ、死ぬのはいいんだよ。

 よくないけど。

 全然よくないけど、俺多分一度死んでるし、今の状態ってボーナスステージみたいなもんじゃん?

 そんな俺のために、エリヴィラちゃんたちが悪者にされたりとかありえないわけで。


 心残りは、レティシアの体を傷つけてしまうことと、みんなを悲しませてしまうことだけ。

 特にエダとリゼットちゃんは、二度もレティシアと別れなきゃならないわけで。

 あー、ごめん。

 ごめんなさい。


 やっぱみんなの言う通り、隠れてればよかったかなぁ?

 けれど、学園全体を巻き込んでここまでするやつらは何をしてくるかわからないわけで。

 レティシアに擬態したマリオンちゃんもマジ狙われてたし。


 魔法じゃなきゃ平気だもん! とか言ってたけど、なんかの拍子に魔法使ってくるかもしれないじゃん!

 エリヴィラちゃんのゴーレムもすごいけど、先生たち寄ってたかってだし絶対危ないじゃん!


 やっぱこうするしかなかった。

 ごめんな。


 ああ、見たかったなぁ。

 大人になったエダを。

 先生として活躍するリゼットちゃんを。

 レディになったグローリアちゃんを。

 胸を張ってゴーレムを操るエリヴィラちゃんを。

 自分だけの姿を見つけたマリオンちゃんを。


 みんなのこれからを見たかったなぁ。

 みんなが恋をして、愛を知っていくのを傍らで見守りたかった。


 それにレティシアがいつか帰って来るまで、この体を守ってたかったけど。


「……ごめんね、レティシア。だけど、守りたいの。私の全部で」


 守りたいんだ。

 もうできないけど……信じてる。

 みんなの行く先に、美しい百合が咲くことを――



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 作者さん、更新はお疲れ様です! おおぉ、なるほど、これが転生の真相ですかぁ。私が感じた違和感は言わば運命の修正力というモノですね。 そしてレティシアさんの考えも上手く説明してくれましたね。…
[一言] 二人が一つになって……どうなるか気になる!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ