ちょっと……愚痴とか言いたい気分にもなる
リハビリを終えた俺とエダは、いったんレティシアの家に戻った。
いいところだね、レティシアの故郷は。
ちょっと山の方にあって、空気がすごくきれい。
段々畑って言うの? 山の側面に畑がびっしりあってさ、のどか、のどか。
いやー。
めっちゃ大変だったわー!!
端的に言うと、政略結婚で嫁がせられかけた。
つうか、すでに相手が決まってた。
なんかファラリス家よりかなりいいところの坊ちゃんらしくて、両親と四人いた兄ちゃん全員がかりで嫁に行けと説得された。
……兄ちゃん四人いたんだよ。
レティシアの兄ちゃんだけあって、みんなムカつくぐらい美形なんだけどさぁ。
なんでお姉さまとか妹とかいないかな!
あ、ちなみにママさんは、レティシアが大人になったらこうなるんだろうなぁと思わせる、しっとり美人でした!
で、ママさんについてるメイドさんが、キツメの顔立ちの黒髪眼鏡のビシッとした人で!
輝く主人に影となって仕える……
大人の百合もまた美しいって、再確認させられたね。
とにかく、嫁ぐことについては絶対にNO!
当然ながらNO!
中身は男だから! なんて言っても信じてくれるわけないし、言う気もない。
このまま嫁いでも、また呪いで眠るかもしれない。
そうなれば、呪い付の娘を嫁がせたとして外交問題になるのでは?
ってのを軸に、そうならないためにリリア魔法学園に通い勉強し、呪いを跳ねのけられるようにするのだ!!
って感じで説得した。
じゃあ、結婚は卒業したらってことに……うん、つまり解決はしてない。
と、とりあえず時間は稼げた!
そして、俺の何よりの勝利は!
一年の終わりから休学しているので、じゃあ二年から。
って話だったのを、しっかり勉強したいからって理由をこじつけて、一年生から開始に持って行ったことだ!
これで!! 三年間の!! 女子校生活が決定した!!
まぁ、もう学校は始まってるんで、ちょっと遅れての入学になるんだが。
とにかく、そうと決まればぐずぐずしていられない。
俺はマッハで準備を済ませ、エダと共にリリア魔法学園のある王都へと向かったのだ。
ちなみに、知らなかったけど、馬車ってめっちゃ揺れる。
尻が痛い。
ごめんなさい。
ここ長く書いても退屈だったのでざっくり削って、状況説明だけにしました。
次はエダちゃんサイドのお話をして、いよいよ学園生活です。
早く新ヒロイン紹介したいな。




