表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に転生したら本気で笑わせる ~売れない芸人は異世界最強になれるか?~  作者: ぢたま
第一章 皇子は芸人になれるのか?
14/40

第一章 皇子は芸人になれるのか? - 13 - ララン・ドゥイ

第一章 皇子は芸人になれるのか? - 13 - ララン・ドゥイ


 失神している仲間はガン無視のまま、ライトに圧力めいた言葉を掛けていたクズ息子は一足先に逃げ出している。

 さすがと言いたくなるようなクズっぷりであった。

 暫定相棒が訪ねてきたのは、まさにこのタイミングである。


「あーそうそう。ワイはララン・ドゥイ。名乗るの遅れてすんまへんなぁ」


 ライトが名前を言おうとした直前、機先を制するように暫定相棒のドゥイが名乗った。


「いやいや、俺も先に名前言っておくべきだったね。俺はライト。よろしく、相棒」


 そう言って、ライトは右手を差し出す。


「おっ? これは、もしかして握手ってやつちゃいますか? あの伝説の?」


 ドゥイの反応は見事なまでに、ライトの予想の斜め上をいっていた。


「うーん、いつから握手が伝説の仲間入りしたのか記憶に定かじゃないけど、握手であることには間違いないよ」


 微妙に遠回しなツッコミを入れると、ドゥイはいきなりライトの手を握ってきた。


「握手握手。そんで、あんさん何者でんねん? ワイ周りには、こないな綺麗な手をしたやつ、ようおらん」


 喜んで握手をしてきたドゥイがいきなり核心を突くような質問をしてくる。

 ここで、ごまかすような答えならいくらでもできただろう。

 もちろん、他の誰であれ、これと同じ質問をしてきたなら、話しを逸らすか普段使っている偽りの身分を名乗る。

 だが、さっき名乗る時にライト・カーゼルとは名乗らず、名前だけを告げた。

 それは、皇族は名字を持たない唯一の存在であるから、ライトと名乗ったのは嘘偽りのない名前を名乗ったのだ。

 それでも正直、自分の相方になるのだと決めた相手だとしても、このことを告げることは不安でしかたなかった。

 だが自分の相方になる相手に、真実を告げないという選択肢は最初から存在していなかった。

 だから告げる、真実を。


「アクラ帝国の第一皇子ライト、それが俺だ。もっとも偉そうに第一皇子と名乗っても、皇子は俺しかいないけどな」


 明らかに日和って余計な発言を付け加えながらライトは自分の正体を明かす。

 するとドゥイは驚いたような表情になって答える。


「こりゃあビックリしたわ。皇子さんて、想像以上に貧乏なんでんな。そないなきったない服来てるやつ、ワイの周りにもようおらんで」


 どうやらライトが想像していたのとは、違う角度から驚いているようであった。


「いやぁ、そんなに褒めてもらっても、なんにもでないよ?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ