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緋鏡烈狂  作者: 翡翠蝶
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対決、そして意外な展開

「「 !!」」

私も、青年も同時に固まってしまった。相手の場合、居場所を発見された驚きだろうが、私は少し違っていた。我ながら恥ずかしい事に相手の青年──────おそらく侵入者─────に私は見惚れていた。

なんて、綺麗な人なんだろう、と。さらさらの長い黒髪に整った顔立ち。夜色の瞳からは知性が見受けられる。何だろう。この敗北感は。女である私が妬ましいと思うぐらい青年は美形だ。それに、誰かに似てる。

って!何考えてんの、私は!?呑気にしてないで、侵入者を捕まえなきゃいけないのに!!

「・・・・・・・まさか、此処を見破られるとはな。」

最初に口を開いたのは侵入者の方だった。落ち着き払ったその声からは焦りはないように聞こえる。

「そう?ちょっと考えれば解るわ。まあ、王の精鋭隊は筋肉馬鹿しか居ないから、解りっこないでしょうけど。」

私も、内心のパニックやら嫉妬やらの感情を表に出さず、冷静に言う。

「ふぅん。でも、お前は騙されなかったって事、か・・・・・」

「そういう事。で、私の目的はお解り?」

私は笑顔で鎖鎌を懐から取り出す。青年も、片手に持っていた刀を鞘から抜き放つ。

「そっちは殺る気満々か。いいぜ。相手してやるよ・・・・!」

先攻は青年が速かった。斬り掛かって来る。バックステップで避けると鎖鎌をを投げる。が、刀で弾き返され、軽く舌打ちしてしまう。ならばと、鎖鎌の二つの鎌を両手に持つと、一気に距離を詰める。

「はああぁぁ!!」

気合の声と共に鎌を振り下ろす。ガキイィィィン!と、刃と刃がぶつかり合う耳障りな音が響く。体重の関係で私が跳ね飛ばされるが、天井を足場にし、体勢を立て直すと、鎌を間髪入れずに投げた。この攻撃は予想外だったらしく、侵入者は躱すのが僅かに遅れた。それでも、頬に傷がついただけで済む。

「口だけだと思ってたが、やるじゃねぇか。」

侵入者は刀をくるくると回しながらにやり、と不敵に笑う。カチンと来たのは言うまでも無い。

「その生意気な口も一緒に叩きのめして上げるっ!」

こうなれば、私は黒魔術士なのだから、黒魔術で攻める。黒魔術は高度な術な上に術式が不安定な為、使いこなせる者は少ない。私もその一人という訳だ。

術式を安定させる為、援護術を使う者が必要となるが、私の場合はコウネがその役割を果たしてくれる。コウネの瞳がぼんやりと紅く輝き出すのを視認すると、私は素早く詠唱を始める。

「【太陽を斬り裂き、天を貫け!フィンスターニスドンナー!】」

侵入者の上に雷が降り注ぐ。勝利を確信したが、雷が止むと思ったよりダメージを受けていない。

「これが、お前の本気か?ぬる過ぎんじゃねぇか?」

と、まだ減らず口を言っている。

それなら、と別の術を試そうとした時、バタバタと外から足音。怒声や何やら叫ぶ声が此処まで届く。

「逃すな!!犯行者は必ず確保しろ!!」

やっぱり、警備隊だわ。何で此処が解ったのかなぁ?って、そんなの考えるまでも無い。この狭い場所で戦闘をしていたのだ。本棚も倒れまくってるし、さっきの雷の術の轟音響いちゃってた・・・・かも。

ヤバいっ!逃げなきゃ!!何処から?入り口は一つしか無い。逃げようにもどうしようもない。此処は地下で窓なんか造られてないし。うん・・・・・・・・・・・・・オワッタ。

「おい!こっちだ!」

思考が遠い彼方に飛びかけている私に青年が声を掛けた。

「こっちに抜け道がある、早く来い!!」

??????アノヒト、ナンテイッタ?ヌケミチ?ヌケミチ・・・・??抜け・・・道ぃぃぃ〜!!??

一瞬にして、思考が戻って来る。私は、コウネを肩に乗せ、青年がいる所まで走った。

青年は床を触っていたが、何かスイッチのようなものを見つけたらしく、それを押す。すると、床の一部が消え、其処には下に続く階段が現れる。

はいいぃぃぃ!?こんな仕掛けあったんかい!!

「この下は地下水路に続いてる。暗いから、逸れるなよ?」

それだけ、言い残し青年は暗い階段に飛び込んだ。

「あ、ちょっと!」

声を掛けるが、返答は無い。仕方ないと、私も階段に身を躍らせた。

そして、抜け道もあっという間に消えてしまう。突入して来た兵士達は皆、首を傾げる事になるのだった。





・・・・・・・・・・ドウシテ、コウナッタ。

私は暗い地下水路を青年と一緒に進んでいた。てか、さっきまで敵だったヤツと私は何してんの?勢いで付いてきちゃったけど、どう考えても、おかしいよね?!

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ねぇ。」

私は思い切って声を掛ける。

「ん?」

私の少し前を行く青年はちらりとこちらを一瞥した。

「どうして、私を助けてくれたの?」

青年は軽く肩を竦めた。

「別に、助けたかったから助けた─────それじゃ、ダメなのか?」

「理由になってない。」

私は、ムっとして言い返す。馬鹿にされているような気がしたからだ。

「んな事、言われてもなぁ。唯・・・」

「唯、何?」

「唯、お前が悪いヤツに思えなかったから、かな。」

「もしかして、私が善良な市民だって、勘違いしてる?」

「ハハハッ。善良な市民が鎖鎌振り回したりしないだろ?」

青年は此処で初めて笑った。笑った顔は意外に可愛かった。

「そういや、名前を聞いてなかったな。」

「名前を聞く時は、まず先にそっちが名乗るべきでしょう?」

「そうだったな。(わり)ぃ。オレはレーヴェ。宜しくな。」

「私は、セレネよ。宜しくね。」

やっぱり、レーヴェは誰かに似てる。優しそうな顔。知性を秘めた瞳。

ああ、そうか。お兄ちゃんに何だか似てる。どこが似てるって具体的に言えないけれど・・・・なんとなく、かな。私は微かに笑みを零した。

「ところで、レーヴェ?この地下水路は何処まで続いてるの?」

地下水路は暗くて、ジメジメしている、おまけに足元はヌルヌルしていてサイアクなのだ。早く此処から出たいと願っているのだが。

「さあな。」

「ハァ!?もしかして、貴方知らずに来たの?」

「仕方ねぇだろ?あの状況じゃ。」

あっけらかんと言い放つレーヴェに絶句&怒りを覚える。

「レーヴェ〜!!」

私の怒声が地下水路に響き渡った。




《変わらぬ貴方に》



廻る 巡る 繰り返す出来事 繰り返される時間軸 二度と来ない 明日に 絶望したのは

いつだっただろう

それでも、明日はやって来る 何度も やって来る明日の中に 貴方を探した

何を 求める? 何を 求めた?

変わったかな? 変われたかな?

変わらずにいられたら いいな

貴方が笑う その横で

セレネ「ねぇ、作者さん?新キャラってどれくらい出るの?」

作者「う〜ん、とりあえず三人は確定かな。」

レーヴェ「おいおい。たった三人って、少なくねぇか?」

作者「あのね、レーヴェさん。私はストーリーを考えるのに一杯一杯なの。わかる?」

??「ねぇねぇ、アタシの出番まだ〜?」

作者「出てきちゃダメな人キタ!ちょっと待っててね〜次回か、そのまた次回に出すからね。多分」

セレネ「って、感じだけど読者さん、許してね。」

レーヴェ「作者もあれでも、頑張ってるからわかってやってな?」

セレネ「じゃあね〜(*^^*)」

作者「なんで、貴方たちが最後、閉めてるの!?」

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