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prologue《微睡みのユメ》
遠くで誰かが笑う
陽炎のように揺らめきながら
私は、あの人を知っている
でも・・・誰だか思い出せない 知っている筈なのに
ねぇ、貴方はだぁれ?
私はだぁれ?
解らない 緋色の記憶
教えて 破れた鏡の破片
叫んでも
叫んでも
答えてくれない 答えてくれるんじゃないの?
解ってる 本当は解ってる
知ってるよ?私は
貴方が誰か知ってるんだよ?
ドコに行くの?
待って 待ってよ 約束したのに
私も連れて行って
私を於いて ドコに行くの?
お願い 私を独りにしないで
独りはイヤだよ コワイよ
お願いだから・・・・・・
私も連れて行って
“お兄ちゃん”