魔族と人間の種族の違いについて
魔族は獣人と魔力(本文中では力と言っておりますが…)の高い人間が混血した果てに出来た種族です。
太古の昔、魔導国と聖司国の北に活火山があり、人に有害な毒ガスが流れてきていました。
海からの風にガスが吹き飛ばされるので、聖司国は人が住める大地。
魔導国は海風がエオニオに遮られてしまうので、人は住めません。
ガスに耐性があり、影響を受けない種族――獣人が暮らしていました。
獣人は、獣相を持つ、きわめて人に近い生き物で、知性も人と変わりがありません。
獣としての特性も持ち合わせているので身体能力に長けていました。
が、寿命は人とほぼ変わりません。
同じ種族同士で婚姻を結ぶのが普通ですが、異種族間での結婚が認められないわけではありませんでした。
ただ異種族間だと子どもが生まれにくいうえに、生まれたとしても体が弱くほとんどの子どもが成人を迎えずに命を落とします。
いつしか火山は休火山となり、ガスはでなくなりました。
そのため、当時の聖国で迫害されていた『力』を持つ者が魔導国へ安住の地を求めて移住して行き、もとから住んでいた獣人と混血していきました。
人は獣相を持たないためか、どの種族の獣人との間にも子を生すことができます。
子どもが生まれにくいと言うこともなく、子どもは純血の者と変わらずに成長しその生を全うできます。
生まれた子には獣相がほぼ確実に遺伝し、また高確率で『力』も引き継いで生まれます。
人の血が混ざったことで、異種族間の結婚による弊害もだいぶ薄れてきています。
この場合の獣相は、両親からあれこれとバラバラに受け継ぐのではなく、片方の親の種族の特徴を引き継ぎます。(ですので、カラスの羽根を持つ猫耳娘や、羊の角を持ち狼の尻尾を持つ少年と言うのは生まれません)




