雨粒の恋
雨が降る
そんな中で雨粒の私が見つけたのは素敵な素敵な男の子
綺麗な顔した彼は緑色の折りたたみの傘さして、だだの雨粒である私になんて気が付かずに、
水溜りに落ちないように少し大股小股と繰り返して道を歩いてた
その傘の上には雨粒が次から次に落ちていく
彼はそれを気にも止めずに、足元と、たまに空を見上げて「早く雨やまないかな」なんて言っている
雨がやめば見えなくなるのにと思う私と裏腹に、空に少しだけ晴れ間が見えてくる
彼も気が付いたのか、少し笑って、また大股小股と繰り返す
動けない雨粒の私はただその後ろ姿を見えなくなるまで見つめてた
***
また今日も雨だと学校帰りに傘を開いてバス停に立っていた。
そんな時に目に入った彼は、傘ももたず諦めたように雨を浴びながら帰っている。
知らない彼に大丈夫なんて言えるわけも、まず話しかけることも出来ないと足元の靴を見つめた時、
「ねぇ、その傘どこで買ったの?」
突然の声に見上げれば、目の前には笑った彼の顔
「ごめん、その水玉?の傘、この前見た時から大きいし便利そうで」
わたしが返事を返せないでいれば、
「俺、この前傘無くしちゃってさ。どうせ買うなら次は大きい方が便利かなって。それで……って、知らないやつにいきなり言われても困るよな。ごめん」
彼は申し訳なさそうにそう言って濡れた頭を掻くと、雨粒が飛び散りわたしの傘に落ちる
「ご、ごめん!」
「あの、隣の駅の傘屋さんで、買い、ました。大きくて、いいなって」
必死に顔を上げて彼を見れば、彼は小さく笑て、
「なんだか雨みたいだ」と呟いた。
何がおかしいのかと視線の先を見れば、半透明な青い傘は光を通してわたし白い制服を水玉柄に変えていた
「ホントだ……」
思わず呟いて、顔を見合わせて互いに笑って、
「あ……雨上がってきた」
「また通り雨かぁ〜濡れ損したかな?」
わたしは急いで傘を閉じて、
「あの、よければ傘屋さんの場所、教えます、ね」
「ありがとう。そっか、傘ないんだから雨降ってない時に買いに行かなきゃだな」
それでまたお互い少し笑って、こんな出会いをくれた雨粒柄の傘をくるくると丸めて、
「……大事にしなきゃね」と呟いて、虹の掛かる空の下、わたしはメモ帳を取り出して地図を描き始めれば、
「出来たら……その、もし時間があれば、今から案内とか、してくれないかな?」
驚いてその顔を見れば濡れて寒そうにも見えるのに、なんだか赤く染まっている。
「もしッ、ほら、また雨が降ったら、その雨粒柄の傘なら、店まで二人で入れるし……」
そんな言葉にわたしはお気に入りの傘を握りしめて頷いた時、傘からは一粒の雫がポロリと滴り落ちた。
小さな失恋と 成就のお話でした
お読みくださりありがとうございました。
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