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第3話 核術師

朝、いつものように地下室で目覚めて屋敷で朝食を食べる。

はずだった。

しかし地下室を出てみると、そこに広がっていたのは真っ黒になった屋敷の残骸だった。


「俺は絶対に目的を成し遂げる。だが家がこの有様か…」


とにかく、昨日あったことを整理する。

あの火球によって、高価な核の大半は燃えつきてしまった。

あの大男も火傷を負ってはいたが逃亡。

屋敷は火事になり、そのまま全焼。

しかし最も注目すべきは全知の書が開き、中から出てきた悪魔、メフィストと契約したことだ。

そして今回の件では二つほど気になることもある。

まず、襲撃の首謀者はメフィストの覚醒自体にさほど驚いていなかったこと。

つまりなんらかの形で知っていた可能性がある。

そして、メフィストの言っていた核術師についてだ。

俺の一族は代々核術師の技術を継ぐ一族らしい。

核術師というのは数百年前に存在した職業で、今はもう俺以外いないという。

まあそんな感じで俺は核術師となったわけだが、何ができるかというと【核読み】を利用した核の鑑定、またその核を取り込むことにより魂に刻まれたスキルや魔術を利用することができる力である。

あの時メフィストが取り込んだのは、火の精霊であるサラマンダーの核だったという。

また、取り込む核の元となった魔物の力量によってスキルや魔術のレベルが変化するらしい。

確かにあの核は確かサラマンダーのものの中でも高位の個体のものだった気がする。


「家がまる焦げになるほどの【火球(ファイアーボール)】なんか見たことないな…」


『すまない、あれほどまでに火力が高いとは。長い間封印されていたもので加減が分からなくてな。』


幸いなことに父が遺してくれた高価なものは地下室にしまい込んであった。

それを売ってしばらくは窮地をしのぐとしよう。

地下室の上に一軒家を作ってもらえるよう手配したので午後にはできているだろう。

さて、研究対象となる核も無くなってしまったが何をしようか。

とりあえずお金を稼ぐためにも冒険者でもやってみるとするか。

ちなみに、今手元に残っている核は森林狼(フォレストウルフ)、水の精霊ウンディーネ、東洋の魔物である(ぬえ)の三つである。

ちなみに、サラマンダーの核に記憶されていたのは火炎魔術(上級)だった。

ちなみに核術師が核から得たスキルや魔術は少し威力が上がるらしい。


「今残っている核も読んでみるか」


『それがいいと思うぞ。まあ結局全部取り込むだろうがな』


ということでまずはフォレストウルフから。

スキルは、身体強化(中級)のみとなっている。

次にウンディーネ。

魔術は流水魔術(上級)だった。

そして最後は鵺。

スキルに迅雷(固有)、魔術に雷撃魔術(中級)を持っていた。

まあ結局全て取り込むことになった。


「そしたら冒険者ギルドに行って冒険者登録をするか」


『ちょっと待て、お前その身だしなみで行くつもりか?』


「え?あ、確かに」


そういえば髪は伸びっぱなしだし、服は焼けてしまっている。風呂もしばらく入っていないのでかなり汚い。


『私が身だしなみを整えてやる、少し待ってろ』


メフィストはそう言うと俺の髪を燃やし始めた。


「え?うわぁぁぁ!何すんだよ!」


『心配するな、禿げはせん」


ここはメフィストを信じてみるとしよう。

そうして待っていると急に水をぶっかけられ、そのまま火炎魔術で熱風を起こして乾かされた。


「これからは風呂入らなくても平気だな!」


『いや、入れ。流石に文明人としてどうかと思うぞ…』


そのまま地下室にある自分には縁のないと思っていた父の冒険者装備も洗って乾かし身につける。


『よし、これで少しはマシになったか。そしたら冒険者ギルドに向かうとしよう』



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