表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/26

第25話 特訓開始

武闘大会に出ることに決めた俺とメフィストだが、シグマ、ミナ、マルク、アミル、クレアも出ることを決めたようだった。

リチャードも出るらしい。

武闘大会はトーナメントになるため、一試合目から身内で当たる可能性も大いにある。

ということで、それぞれ手の内を見せないためにも俺がある程度は見て、それ以上の切り札などは自分で特訓してもらうことにした。


そうして一週間が経ち、今日は全員の基礎能力向上のためにダンジョンに潜ることにした。

選んだのは、アミルと踏破したダンジョンの近くにあるDランクのダンジョン。

ここには対峙した相手を模倣し、戦うミラースライムが出現するという噂を聞きつけたからだ。

今回メンバーに課したルールは3つ。

一つ、魔術を使わないこと。スキルの使用は許可する。

二つ、危険だと思ったらすぐに戦闘から離脱すること。

三つ、必ずこの訓練を通して強くなること。


「この訓練は希望者のみを募った。結果的に出場する全員が来ることになったわけだが、このルールが守れない場合、訓練への参加を禁止させてもらう。」


全員の了承は得たので、まずはお手本として俺が戦ってみることにする。

まずヴァインスを構え、迅雷を使う。

魔術は使用できないのでこれだけで戦うこととなる。

ミラースライムは、模倣した相手のステータスを全て再現するわけではない。

見たものを徐々に再現し、近づいていく。

つまり手の内を明かすほど不利になっていくのだ。

これは武闘大会と同じ。

初戦から全力を出せば後半に対策をされて詰む。

その練習でもあるのだ。

だからこそ手の内を見せすぎず素早く仕留めることが大事。


俺は迅雷で強化したスピードでミラースライムに突進する。

すでに剣を持った俺は模倣されていた。


これ以上模倣されないためにはどうすればいいか。

こちらを視界に入れさせなければ良いのだ。

人間の形を模倣したことで視覚は必然的に目に移る。

急所に近い核を攻撃すれば確実に防御してくるだろう。

俺は核を攻撃するフェイントをかけ、目を潰した。

そのまま後ろに回り込み、核から少しずらしてヴァインスで刺す。

そのまま核を抉るように取り出し、勝利した。

核を取り込むとスキル【模倣】を手に入れることができた。


「魔法なしでこれだけの戦いができるのか。俺たちもそのくらいできるか?」


マルクがそう尋ねる。


「まあ、身体強化なしじゃここまでは無理だろうな。だが、それぞれにできる得意な戦い方が見つかるはずだぞ。」


と俺は答えた。

次はシグマの番である。

彼の得物はやはり双剣である。


「魔法は使うなって話だったな?」


そういうと、シグマは妙な構えを取り始めた。

特注の双剣の柄の先は横に広がっており、握り込めるようになっていた。

人差し指と中指の間に本来持つであろう柄が挟まっている。

ちょうど拳の先に刃が来るような形だ。


「俺が使うアーセルン流は、元は剣じゃなく爪術や拳術の流派なんだ。それを剣でも扱えるようにしたのが俺の親父ってわけさ。アーセルン二刀流、交叉咲(こうさざ)き!」


ミラースライムの模倣したシグマの胸に大きいバツ印が刻まれる。


「核はそこだな。アーセルン二刀流、

仁角月(にかくづき)!」


火花を立てて核が砕け散った。

俺とシグマは余裕で撃破。

想定通りである。


次はリチャードの番である。


「よーし、俺の番だな」


リチャードはショートソードを構える。


「来い、ドラン!」


そう地面に手をかざして現れたのは使い魔のレッサーワイバーンだった。


「ドラン!頼んだ!」


リチャードはドランの足に特注の手綱をかけドランが飛び上がる。

そのまま上から狙うつもりなのだ。


「ミラースライムったってこんなもんか!行くぞ!」


そのままミラースライムの直上で手綱を話し剣を構える。


「王国軍式剣術、正剣斬り!」


そう叫んでショートソードを振り下ろし着地した。


「まあ、俺の実力にかかればこんなもんよ」


リチャードはこちらに振り返りそう誇っている。


「おい、後ろ。」


俺が言うとリチャードは振り向き、間一髪でミラースライムの攻撃を交わした。


「リチャード、スライム体の時は物理的な攻撃は効かない、人型になるのを待て。」


そういうと、


「わーったよ、でも実際速攻は悪くない戦術だろ?」


そういってリチャードはミラースライムに改めて向き直った。



「続きが見たい!」や、「面白い!」と思った方はぜひポイント評価やブックマーク登録お願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ