第11話 安部家の末裔 1
「お前達無事だったか、遅くなってすまなかったな」
「やたっち!!超かっこいいじゃん!!」
「何だやたっちって、やめろ」
音羽は目を輝かせて八咫烏を見ていた一方で、雫は自分が何の役にも立てなかったに落ち込んでいた。
その頃他のメンバーはというと。意識を失った稲荷を担いで剣が森の出口を目指していた。
「さっきから赤い札を何回破っても八咫烏隊長こないじゃねーか!!」
そして出口とは真逆の森の中。
「一体何処に主はいるっていうの」
「...」
こちらは百鬼の森の主が見つからず土御門が苛立ちを顕に森の中をひたすら探索していた。
「他の奴らも平気そうだし一安心だな」
八咫烏がひと息ついた時ひとつの霊圧が近ずいて来るのを感じた。
「何だ?また妖神徒か」
目の前に1人の青年が姿を現した。
「八咫の剣...」
「あーー!!ちょっと待って下さい」
青年は慌てて名を名乗った。
「私は安部紅月と申します」
「まさか清明様の末裔か!?」
「現頭首 安部天音様より名を受けて八咫烏様殿をお迎えに上がりました」
紅月は深く頭をさげた。
「輪廻転生で現代に来た事は存じ上げております。宜しければ私達の屋敷までいらして下さい」
百鬼の森の戦いから1週間後、影の一同は紅月の案内で安部家の屋敷を訪れた。案内された場所は人里離れた田舎の村だった。
「安部家って昔五代陰陽師だった一族ですよね??」
稲荷が尋ねた。
「あの伝説の安倍晴明がいた時代はね」
土御門が答える。
「貴方達まさかとは思うけど安倍晴明の右腕が今目の前を歩いてる八咫烏凛という事は知ってるのよね?」
「えー!!!!」
全員の空いた口が塞がらなかった。
「もう本当に呆れます」
土御門は八咫烏から最初に全ての経緯を聞いて影に入っていたので事情を全て知っていた。逆に他のメンバーは特に何も聞いておらず状況を把握出来ていなかった。
屋敷に向かうまでの間、土御門が八咫烏が現代に来て何故陰陽師結社を倒そうとしているのかを説明した。
「つまり八咫烏さんは1000年前の人!?」
稲荷はまた空いた口が塞がらなかった。
「えー!じゃあその安倍晴明は?猫又って人は?」
「私に聞かないでください、そこまで知りません」
しばらくして屋敷が見えてきた。屋敷の前には阿部天音の姿があった。
「よくご無事でいらしてくれました」
屋敷の中へ一同は招かれた。
「安部天音様お初にお目にかかります。長きに渡り大変な日々をお過ごしだったと察します」
八咫烏は清明様の輪廻転生後の安部家が悲惨な目に遭っていたのは到底察しが着いていた。八咫烏の予想通り安部家は五大陰陽師家を剥奪され道満に命を狙われ続けて現代まで身を隠しながら生き長らえていた。
「お気遣い感謝します、この様な場所で申し訳ありません。早速本題なのですが八咫烏さん安部家の為に力を貸してはくれませんか?」
「もちろんです、私は晴明様に命を預けた身です」
「ありがとうございます。所で清明はどちらに居られるのですか?」
「その清明様なんですが...」
八咫烏は輪廻転生後の経緯を話した。




