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水剣技流中伝




 二年かけて、剣術に基礎。

 一年かけて、水剣技流・初伝の技を全て習得した。


 では………次は、


 『次は、水剣技流・中伝でござる』


 いよいよ、水剣技流の中枢である中伝だ。


 『中伝は、大まかに初伝である剣技をさらに発展させたもの。そして、剣技と水技を合わせた”水剣技”を扱ったものになるでござる』


 シズカ様が水剣技流・中伝の説明をする。


 けれど、いまいちピンと来ない事があった。


 「水技……それに、水剣技?剣技は分かりますが、その剣技と水技を合わせた水剣技とは…水剣技流の、水剣技ですか?」

 『そうでござる』


 シズカ様は頷いて、指を三本立てる。


 『水剣技流には、技自体の体型が三種類あるでござる。それが、剣技と水技と水剣技の三つ』


 そうして、シズカ様は、剣技と水技と水剣技の三つについて、説明する。


 『剣技は、そのままの意味。純粋な剣による技。拙者がミナト殿に教えた水剣技流・初伝……それは全て剣技でござる。水技とは、簡単言えば、水剣技流を扱うための魔法。近接戦用の魔法と言ったところでござるか。そして、水剣技こそ、その水技と剣技を合わせたものでござる』


 シズカ様は説明し終える。


 俺は首を傾げる。


 「水剣技流って、魔法を使うんですか?」


 今まで水剣技流の創設者であるシズカ様から、俺が教わったのは、基礎的な剣術と初伝である剣技、そして自身を凪と化す「凪ノ型」である。


 どれも普通の剣術とは、一線を画したものであるが、剣が一本あれば、どれも行使可能な技である。


 水剣技流は、技や動きが『水』のようなだから、水剣技流と言われていると思っていた。


 シズカ様はニコリと笑って、右手の平の上に、氷の塊を生成し、左手の平の上に、水の玉を生成する。


 『使うでござる。水技には、水と氷の両方があり、戦況に応じて変幻自在に使い分けるでござる』


 シズカ様が何気なく、水と氷を生成したが、そこには高精密な魔力操作と魔法操作が存在していた。


 シズカ様は氷魔法の使い手。

 自身の魔力を直接、氷に変換できる。


 シズカ様が水を生成するためには、魔力から作った氷を形成している六角形の水分子を全て分解し、流体の水に変える必要がある。


 それは俺が自身の魔力から水を生成し、水分子を操作することで、氷を作るのと同じ、高い魔法操作が求められる。


 今まで、俺はシズカ様に関しては、神業の剣しか見てこなかったが、シズカ様は魔法に置いても、超一流であることの証明である。


 『そもそも水剣技流は、剣と魔法を融合した剣技なのでござる。剣と魔法の二つを合わせる。これが水剣技流の本質であり、”真髄”』

 「真髄………」


 真髄と聞いて、俺の心に、グッと来るものがあった。


 シズカ様から剣の稽古を受けて、三年は経過したが、ここでようやくシズカ様が創設した水剣技流の真髄を学べると思うと、嬉しくて嬉しくて堪らないからだ。


 『真髄を習得してこそ、水剣技の本領発揮でござる。これまでの厳しい稽古に、ミナト殿はしっかりと付いていくことが出来たでござる。ミナト殿なら、きっと習得できると信じているでござる。拙者が全身全霊で教授するでござるよ』

 「よろしくお願いします!!」


 腹から声を出して、返事をする。


 俺は、何が何でも水剣技流の真髄を習得して見せる。

 そう、心に誓った。


 こうして、俺はシズカ様から水剣技流の中伝を教わることになった。




 だが、想像以上に水剣技流の真髄の習得は、困難を極めた。


 「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」


 俺は額に大粒の汗を流しながら、何とか息を整える。

 さっきから脈拍が早く、心臓が鼓動するたびに全身が痛い。


 水剣技を習得しようとしただけで、ここまでの消耗である。


 「ふむ……まだ完成には程遠いでござるな。しかし、先程よりは技は洗練されている。その調子でござる』

 「は、はい!!」


 水剣技流中伝は、初伝を発展させたものと、真髄である水剣技の二つだが、初伝を発展させた技の習得には、そこまでの難しさは無かった。

 結局は基礎の応用だからだ。


 問題は、水剣技の方だ。


 単純に、剣と魔法の両方を両立……融合させるのが、俺にとっては至難の業なのだ。


 ここで重要なのは、剣と魔法の融合だ。

 合体ではない。


 剣と魔法の融合とは、ただ同時に使うと言う簡単なものではない。

 分かりやすく言えば、剣を使いながら魔法を使うのが足し算であるとすれば、融合は掛け算だ。


 剣と魔法、どちらの調整や運用を少しでも見誤ると、成し得ない。

 針の穴に糸を通すような繊細さが求められる。


 こんなの…俺には難しすぎる!!


 「まだ……だ!!」


 それでも、俺は内心弱音を吐きながら、立ち上がる。


 俺をここまで搔き立てるのは、剣の師匠であるシズカ様の期待に応えたいのもある。

 だけど、それ以上に楽しいのだ。


 今まで感じたことが無いが、剣の稽古は俺にとって………とても楽しく、面白いのだ。

 だから、諦めることを考えない。


 考えようともしない。









 俺が中伝を全て習得したのに、大体一年以上かかった。


 初伝の習得も難しかったが、中伝はそれ以上に難しかった。

 最高の剣士であるシズカ様との一対一の教えでも、習得に時間が掛かった。


 でも、俺は何とか、やって見せた。


 『ミナト殿は今日より、水剣技流の中伝を全て収めたことを、ここに認めるでござる』

 「はい!ありがとうございます!」


 シズカ様に認められ、心の底から嬉しかった。


 シズカ様も普段から美麗な顔を誇らしげなものにして、俺に向けていた。


 『正直………ミナト殿が中伝の技全てを収めるのは、もう少し掛かると思っていたでござる。良く根を上げなかったでござる。拙者はこれでも多くの者に水剣技を教えてきたでござるが、やはりミナト殿には剣才があるでござる』

 「へへ………」


 直々に、シズカ様から褒められ、俺は顔をニヤケさせる。


 「剣を振るうのは、楽しいですから」


 俺の率直な返しを聞いたシズカ様は、目を一瞬見開く。

 それは、よく注意しないと分からない程の刹那のことだった。


 『剣を振るうのが………楽しいでござるか』

 「どうかしたのですか?」


 シズカ様の様子に、首を傾げる。

 何だか、妙に落ち込んでいる様な。


 まるで、過去の誰かに、剣を振るうのなんて、楽しくない………と言われたことがあるみたいな反応だ。


 その時の俺は、余りシズカ様の反応に気に留めなかった。









 ドオオオン!!!

 八本の巨大な鉄の腕である〈鉄腕〉が、一本一本タイミングをずらして、襲い掛かる。


 一見すると、怒り狂って様に見える…………というか、怒り狂っているファングではあるが、魔法の操作は冷静であった。


 俺は持っている〈氷刀〉で、水の如く透き通るような流麗な動きで、躱し…いなし…見切り…守る。

 水剣技流は『水』を体現した剣。


 如何なるものにも形を変える水に対して、鉄の腕による攻撃は無意味を成す。


 さっきは八本による鉄の腕による攻撃を、水剣技流初伝の技を屈指して、やり過ごした。


 では…今度は、


 「は!」


 そして、迫る一本の鉄の腕を最小限の体捌きで、俺は左に躱しつつ、左上から右下への袈裟切りで、巨大な鉄の腕を斬り裂く。

 これは水剣技流初伝・水詠み。


 紙一重の回避からのカウンターの技だ。


 さらに、一呼吸も余裕が与えられない内に来た別の鉄の腕を腰を低く屈んで躱しつつ、上を通り過ぎる鉄の腕に、上への薙ぎ払いで斬り裂く。

 これも水剣技流初伝・水詠み。


 さらにさらに、俺を叩き潰そうとする別の鉄の腕を右に軽く移動しつつ、左側に紙一枚しかない隙間を通り過ぎる鉄の腕に、左の横薙ぎで斬り裂く。

 勿論、これも水剣技流初伝・水詠み。


 俺は迫る巨大な鉄の腕に対して、連続で水剣技流初伝・水詠みを繰り出す。


 目の良いものが見ていれば、俺の剣の軌道が、まるで海と砂原との間の渚のように…遥か先まで続く海岸線のように見えたのでは無いだろうか。


 「水剣技流中伝・長汀曲浦」


 これは中伝の中でも、魔法での水技を使わない純粋な剣技による物。

 水剣技流初伝・水詠みを連続で繰り出す技だ。


 長汀曲浦とは、どこまでも遠くへ続く美しい海岸線。


 その海岸線によって、八つの鉄の腕は斬り裂かれるが、瞬きする間に修復される。

 ファングは膨大な魔力を惜しげも無く使用しているため、魔法の修復速度も尋常ではない。


 ならば、力の流れを崩す。


 「ふっ!」


 俺は右足で強く地面を踏み込み、〈氷刀〉の切っ先を鉄の腕の一本に突き刺す。


 一見すると、小さな波のような、ただの突き。


 ガクッ!

 だが、突き刺された鉄の腕は、気を乱されたかのように、バランスが崩れる。


 小さな波が大河を乱したのだ。


 何故なら、突いた場所が鉄の腕にある力の流れが集まる場所…つまり、要であったからだ。

 要は、どんなものにも存在し、要を突けば、どんなものでも崩れる。


 これは水剣技流初伝・河乱れ。

 精密に力の流れを把握し、要を突くことで乱す、崩しの技。


 俺は一撃放ったが、これで終わりではない。


 「ふっ!ふっ!ふっ!」


 俺は突いた瞬間から、腕を引き戻して、また腕を伸ばす。

 別の鉄の腕に、水剣技流初伝・河乱れを出したのだ。


 二発だけでなく、三発目、四発目、五発目と……連続で、八本の腕に満遍なく、崩しの突き技である水剣技流初伝・河乱れを繰り出す。

 まさに、連撃の突きであり、突きの猛攻。


 「水剣技流中伝・漣」


 それは傍目には、多くの小さな波が八本の鉄の腕に放たれているように見える。


 これも水剣技流中伝・長汀曲浦のように、水技を使わずに繰り出す純粋な剣技。


 原理は水剣技流中伝・長汀曲浦と同じく単純。

 連続で、水剣技流初伝・河乱れを出すだけだ。


 漣とは、水面に立て続けに現れる小さな波紋や波。


 小さな波でも、一発一発が、巨大な鉄の腕を崩す力があった。

 水剣技流中伝・漣によって、八本の腕は無惨に崩れる。


 「クソ!」


 ファングは忌々し気に俺を睨む。


 しかし、それも束の間………ファングの油色の魔力が、さらに強まるのを感じる。


 「数で押せ!!〈鉄灰角棘・黒影アイアンソーン・シャドゥ〉」


 先程は巨大な鉄の腕を八本顕現させていたが、ファングは次に大量の黒い鉄の棘を生み出す。


 それは、あたかも黒い雲が蠢いている様だ。


 恐らく、ファングが限界突破(オーバーリミット)をする前に使っていた、小さくとも角ばった鉄の棘が大量に飛ばす〈鉄灰角棘・群衆アイアンソーン・ロット〉の強化版だろう。


 あれ一つ一つが人の皮膚を簡単に切り裂く鉄の棘。


 その黒い鉄の棘は、どんどんと数を増していき、俺とファングの周囲を取り囲む。

 まるで、陰に包囲されたかのように。


 影は蠢き、徐々に俺との距離を詰める。


 なるほど、宣言通り数で押す気か。

 これは物理的に、回避は難しい。


 「………………水剣技流以外の技ならな」


 俺は一言呟いてから、


 「〈氷板〉」


 水剣技流の水技の一つである〈氷板〉を使う。

 これは片足を乗せられる程の大きさがある氷の板を生成して、不安定な場所、もしくは空中に足場を確保するための魔法だ。


 俺は〈氷板〉を自身の空中の至るところに生成し、天を駆けるための氷の足場を作る。


 「行けえ!!」


 そして、黒い鉄の棘が一斉に俺へ襲い掛かる。


 八本による巨大な鉄の腕の攻撃なら、水剣技流初伝・波浪で回避できるだろうが、あの黒い鉄の棘の攻撃となると回避は困難。


 だから、


 「ふぅ…」


 タン!

 俺は一息ついてから、飛び上がる。


 前後左右の包囲攻撃を、上へ飛んで回避したのだ。


 「無駄だ!!」


 だが、それを予想していたのか、黒い鉄の棘は飛び上がった俺に向かって追尾してくる。

 空中で仕留める気である。


 だけど、それこそ無駄だ。


 見せてやるよ、水剣技流の真髄を!!


 俺は飛び上がった瞬間、空中に生成した〈氷板〉に着地し、間髪入れず、別に生成した〈氷板〉へ飛び移る。

 さらに、飛び移った〈氷板〉から飛び、別の〈氷板〉に映る。


 襲い掛かる黒い鉄の棘の攻撃を空中を駆けながら、最小限の体捌きと足捌きで躱す。


 遠くで誰かが俺を見ていれば、まるで海によって巻き上がる波が、空中で発生した様に見えるだろう。

 ファングの攻撃が、俺に当たることは無かった。


 「水剣技流中伝・天波浪」


 俺がやったのは言葉にすれば、単純。

 空中に生成された〈氷板〉による、空の足場を利用して、水剣技流初伝の技である波浪を使ったのだ。


 これが、水剣技流初伝・波浪と水技〈氷板〉の合わせ技…「天波浪」。

 その技名の通り、空中を使った回避術だ。


 波浪は、魔法を使用しない純粋な体技であるので、二次元の動きしか出来ないが、〈氷板〉を使えば三次元の動きが出来ると言う訳だ。


 水剣技流は、剣技と水技と水剣技の三つの体型がある。

 正確には、「波浪」や「零閃」といった体技も含まれるが、今は置いておく。


 剣技は、水剣技流初伝・水詠みを連続で出す技である中伝・長汀曲浦や水剣技流初伝・河乱れを連続で出す技である中伝・漣が、そうである。


 水技は、今使った〈氷板〉が、そうである。


 では、水剣技とは………剣技と水技の合わせ技。

 だから、この「天波浪」こそが、"水剣技"であるのだ。


 これこそが、水剣技流の"真髄"。


 「まだだ!!〈灰雨鉄槍(グレイアイアンスピア)〉」


 黒い鉄の棘に続いて、頭上から多くの灰色の鉄槍が発生する。


 ファングは懲りもせず、波状攻撃を加えようとする。

 前後左右だけでなく、上からの完全包囲による攻撃。


 確かに、この無数の攻撃範囲と攻撃密度だと、回避は愚か、物理的に剣一本で、どうこうするのは不可能だ。


 ………………水剣技流以外の技ならな

 俺は先程、呟いた言葉を内心で言う。


 〈氷刀〉を握る拳に、魔力を込める。

 その拳に込められた魔力は、剣を伝う。


 そして、剣に波が纏う。


 次の瞬間、黒い鉄棘と灰色の鉄槍による無数の攻撃が俺を飲み込む。


 「よし!!」


 ファングは勝利を確信する。


 だが……………………ドン!!

 無数の攻撃の内、一部が弾け飛ぶ。


 弾け飛んだ場所から、俺が出てくる。

 同時に、青い線が目視できる。


 第三者がその光景を遠くで見ていたら、弾け飛んだ場所に、剣で青い線を描く俺の姿が見れただろう。


 より近くで見ていたのなら、俺の剣が脈打つ”大波”を纏って、それを振っているのが見えていただろう。


 「〈波濤剣〉」


 これは〈氷板〉と同じ水剣技流の水技の一つ、〈波濤剣〉である。


 言葉にすれば、単純。

 持っている剣の刀身の周りに、流れるような大質量の水を纏わせ、大河のように流れを作るのだ。


 似ているものがあるとすれば、クラが剣に風を纏わせて、切れ味を上げている〈ウィンドサーバー〉だろうか。


 簡単そうに思えるが、中々習得に苦労した。


 何せ、振るわれる剣の速度に合わせて、水流を発生させ続けなければならない。

 剣と魔法の両方に集中しなければならなく、俺も長時間の使用は難しい。


 波濤とは、荒々しく押し寄せる大きな波という意味だ。


 その波濤を纏いし剣が、〈波濤剣〉である。

 〈波濤剣〉を使えば、刀身の大きさが物理的に増えるのだ。


 俺は大波の剣を縦横無尽に振る。


 ザン!ザン!ザン!

 大波は悉く、ファングの黒い鉄棘と灰色の鉄槍を弾き飛ばす。


 さらに………大波を纏った剣を、俺は右横に構える。


 肺に溜まった空気を一気に外に出したかと思えば、一瞬で大量の空気を吸い込んだ後、


 「は!!!」


 気合と共に、大波を纏った剣を一気に左へ流す。

 まさに、大波の横薙ぎ。


 「水剣技流中伝・波瀾万丈」


 次の瞬間、巨大な波を伴った青の横一閃が放たれる。


 ドガアアアア!!!

 けたたましい波の音と一緒に、黒い鉄棘と灰色の鉄槍の包囲攻撃の全てが、霧散される。


 薙ぎ払われる大波の前では、全てが塵同然。


 これが、水剣技流中伝・波瀾万丈。


 受け流しの技である水剣技流初伝・流流と、〈波濤剣〉を合わせた水剣技である。


 波瀾万丈…という言葉の意味が、物事の激しい変化であるように、あらゆる攻撃を受け流す大波は、まさに全てを洗い流す本流の大河の如し。


 ………………さて、ようやく体が温まってきたところだ。

 そろそろ、終わりにするか。


 その時に思い出したのは、シズカ様から中伝を習得して、褒められた場面。


 あの時の俺はシズカ様から中伝の習得を認められた際、嬉しかった。


 けれど、嬉しかったと思う一方、さらに身が引き締まる感じがする。

 何故なら、俺は中伝の習得など”通過点”に過ぎないと分かっていたからだ。


 水剣技流を体に叩きこめば、叩きこむほど、分かってくるのだ。


 初伝と中伝など所詮、”大きな欠片”の一欠片に過ぎない。

 すなわち、初伝と中伝は、その大きな欠片の前準備なのだ。


 では、その大きな欠片とは……………。


 「ふぅ…」


 俺は、大きく大きく深呼吸する。


 〈氷刀〉を右上段に構える。


 初伝と中伝は、今から使う”奧伝”の前準備に過ぎない。


 行くぞ、ファング!!

 水剣技流の奧伝を特と見よ!!


 俺は体から、ありったけの魔力を掻き集める。




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