第90話 我らが守る!!我らの故郷だ!!忘れるな!!
『コレは…イーリング司令!総司令部より緊急電です!
プラン電撃戦に移行!!』
『!?何が起きた?カーム?』
「あれ?」「電撃戦…」「いわゆるプランB…だったのか…」
『ガス雲散布要塞!質量融合弾迎撃に成功!』
『むぅ、ついに成功したか、方法は?』
「ついに…」「成功したのか…」「50年…」「散々に撃ちこまれたもんな…」
『原始的な空間歪曲砲に類似する手段が使われた模様、
緊急電に添付された資料映像出します』
『……そうか、フィールド展開用のブースターと思われていたモノか…』
「あ~ココでソレか~」「なるほど…」「たしかに緊急電…」
『えぇ、あの棘のような塔がそうだったようです』
『確かに…原始的ではあるが空間歪曲砲だな…』
『その為か、距離減衰が酷いようですが…』
「確かに…」「そういうモノでしたわね…」
『質量融合弾程度なら…』
『えぇ…掃射迎撃でいくらでも破壊可能なようです』
「そうか…」「当たりさえすれば」「単なる砲弾」「防御力皆無ですね」
『強襲独行艦による質量融合弾同時着弾射撃では破壊不能か…』
『総司令部は侵攻方面軍60個本土艦隊の周辺星系進出を断念しました』
「あっそうか」「周辺星系の艦隊各個撃破…」「侵攻方面軍の…」
「主任務だった筈でしたわね…」
『妥当だな…26基もあるガス雲散布要塞…放置はできん』
『憑依式艦載機による8光秒砲戦では分が悪いようです』
「片道掃宙の為…」「かなり分散してたな…」
「いまさら戦力集中も…」「すぐにはできない…」
『15光秒艦隊戦列戦が必要になったわけか…そして…』
『えぇ…100個大艦隊がいる以上は…』
『侵攻方面軍60個本土艦隊は迂闊に割れんわけだ…』
「なるほど…」「これは侵攻方面軍60個…」
「667番星系に…」「かなり拘束されるな…」
『プラン電撃戦…』
『遅滞戦略方面軍40個本土艦隊…緒戦から博打になったな…』
「あぁ、やはり博打扱いだったんだ…」
「そりゃそうですよね…」
『我々、侵攻発起点艦隊は…』
『彼らが博打に勝つまで此処、0時第2帝国門で待機だな…』
「そうか、支援すべき対象が…」
「これ以上ないほどに…」
「バラバラになっちゃいましたぁ…」
『電撃戦自体は…順調そのものだが…』
『侵攻方面軍は…』
『苦労しているな…ようやっと13基だ…』
「作戦開始から90日目だ」
「それでようやっと半分…」
「かなり苦労してますね…」
『やはり演算能力の違い…コレが大きいのでしょうね…』
『100個大艦隊をチョコチョコ動かすだけで…』
『60個本土艦隊が翻弄されてます…』
『かといえば1個本土艦隊どころか強襲独行艦10隻にすら…』
『右往左往してます…』
「その差…」
「あまりにも違いすぎる…」
『その違いは…』
『やはり…演算能力の差なのでしょうね』
「さすが1万年の性能…」
「平拠点とは雲泥の差があると…」
『そして…攻城戦…』
『激戦…そう言うしかないですね…』
『予想はされていた…そして実際にそうなった…』
『既に45隻が…』
『防戦しきれず芯部まで侵攻を許し…自爆専用機に自爆されたな…』
「90日で45隻が陥落したのか…」
「年間190隻ペース…」
『…ですが…総司令部は地上軍増派はしないと…』
『当然だな…想定内の損害だからな…この程度の損害で切れる札はない…』
「しないのか…」
「2億しか投入してないのに?」
「残り18億もいるのに?」
『……各艦1個師団を6個師団にまで増勢すれば0にできるのでは?
すでに投入できる状態ではありませんか?』
『そうだろうな…0にはできるだろう…
初期戦力が1個師団と6個師団…その違いは大きい筈だ…
ただし、96000師団を投入することになるがな?
そして、その殆どが遊兵化するだろう…
相手は400万、防衛成功事例からみても、
戦力的にはおそらくは800個師団相当に過ぎん…
コマインの奇手が一時的に局所数的優位を得る事に成功した…
その45隻は言わばそうであっただけなのだからな…
その可能性を0にすることは可能だ…
言う通り増やせばよいのだ…
そして、その分…帝国門の兵站投射量が増大するわけだ…
ソレは散り散りになった25個本土艦隊の支援に必要とされているのだ…』
『…切れる札に見えるソレは…敗北への片道切符…ソレだと…』
『おそらくは…そうだな…そうだろう』
「そういうことか…」
「散り散りになった分…」
「ツケがそこにまわっていると…」
『…歯がゆいモノですね…』
『そうだ、侵攻発起点艦隊である我らが耐え堪えるべき想いがソレだ』
『…だから…ですか…』
『そうだ、50年耐え堪えてきたからこそ今が在るのだ…
ソレを知っている我らが担うのは当然ということだ』
『…私に…できるのでしょうか…』
「「「「「「「「「………」」」」」」」」」
『カーム…貴方も皇族…その1人…
そしてこの3000光年に渡る戦場の各所に…
揺り籠で同じ時を過ごした者もいるでしょう…』
『…はい…』
「「「「「「「「「………」」」」」」」」」
『貴方は見続けることでしょう…彼らの背中を…
そして彼等もまた…そうなった先人の背中を見続けるのです…
ゆえに貴方もそうなるのです…
逡巡する暇など与えてはもらえませんよ?
少なくとも私は与えてもらえませんでした…
そう思った時には…すでにそうなっていましたから』
『…はい…』
「「「「「「「「「………」」」」」」」」」
『プラン電撃戦…彼らは博打に勝ちましたね』
『はい!進捗は99%を超えています!』
『そんな彼らを出迎え労いに行くとしましょうか、
侵攻発起点艦隊!!投射移動開始!!事故るなよ!!』
『全艦!投射陣形のまま投射軸線上で加速開始!』
『総員!!帝国領!!その姿を目に焼き付けておけ!!
我らが守る!!我らの故郷だ!!忘れるな!!』
「「「「「「「「「………」」」」」」」」」




