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第75話 残っていたのか…

『4か所…すぐに見つかったな…』

「見つかったんだ…」

「民主の星並みの処刑地なのですね…」


『ココが我らにとって最重要地であることに変わりはないですが、

現時点ではこれ以上の調査は不要ですね』

『うむ、在ることがわかった、それだけでよい、

どちらも時間が止まっているから以降の情報もないだろうからな』

『止まっている?コマインも?』

「どういうことだ?」「起源文明人だけでなく?」


『そうだ、立ち入れない、立ち入っているモノは、

立ち入ることを許可された個体だが、

許可なく代替や修理は許されていないようだ、

さすがに5000万年は無大気においても、

耐用年数を遥かに超えているのだろう、

化石のようなものだ、この鎮座している機械群は』

『今は亡き起源文明人にですか…』

『そうだ、そうでしか説明できないのだからそうなのであろう』

「蜂起はした…」

「滅ぼしもした…」

「だが縛られたままだと…」

「5000万年後の今に…」

「至ってもなお…」


『そして皆さんには各所から依頼が舞い込んでいます』

『…だろうな…』

『順にいきますよ?

・ガス雲の展開されなかった第1の調査

・第2の軌道エレベーター状の構造物の年代特定調査

・第2の軌道エレベーター状の構造物の生産物調査

・第4の戦痕調査

・第4と第5の間の小惑星帯の年代特定調査

・第4と第5の間の小惑星帯の造船能力調査

・第4と第5の間の小惑星帯の星間輸送量調査

・第5の構造調査

・第5の兵力調査

・第6の戦力調査

・第6での戦力移動調査

以上ですよ』

「多い…」「めっちゃある」「けどどれも…」「重要ですわね…」


『雑木林組は?』

『貴方方が受け取る功績ポイントの1%が得られます』

「そこのフォローもバッチリと…」「さすがの検証公…」


『…約2.5Mか…妥当なところだな…どうする?』

『『『『『やらいでか』』』』』

『そうだな…受けよう』

『ふむ、なら第1から始めるとよい、

そこでなら卵が脱げるだろう、おそらくな』

『どういうことです?』

『行ってみればわかるだろう』

「名探偵歴史公の…」「その助言…」「無視はできないな…」

『ふむ、行くか?』

『『『『『おうよー』』』』』




『直径0.7万km級の無大気岩石惑星、第1惑星』

『人工的に作られたのであろう巨大クレーター』

『その永久影に巨大な採掘プラントがある』

『近くで見るとその異様さがよくわかるな』


「黒い線が…」

「無数に走っているな…」

「模様だと思ってましたが…」

「全部がヒビ…地殻が割れていたんですね…」


『あぁヒビだらけだな…ウタ?』

『あいよーほいさー』

『巨大なクレバス?なぜクレバスの奥に光が見える?』

「は?なんで光が?」「地下なのに?」「コマインの施設光?」


『なに簡単なことだ、帝国でも随所で行われている、

マントル採掘の結果だ、起源文明はそれに卓越していたようだ』

『つまり…その中は空洞であると?』

『ウタ?暗視モードの使い魔を』

『おけー』

「えっ?どゆこと?」「わからんわからん」



『これは…』

『うおーすごー』

「空洞って…」

「内部はスッカスカなのか…」

「殆ど柱しかないじゃないか…」

「高さもすっごいありますわね…」

「これ壮大すぎる地下空間なんだが…」


『なんと…マントル採掘ではなく…コア採掘だったか』

『どういうことだ?』

「さらに上位技術?」「採掘に関しては帝国より上?」


『採掘プラント直下から伸びる円柱…

あれはコア採掘レーザーの名残だろう…

集塵の為に大量の置換ガスを通して冷却していたろうからな』

『アレか…あの直径300km高さは2000kmはある巨大な柱か』

『置換ガスのせいで周囲より冷えて固まるのが早かったと』

「あの柱…そんなに大きいんだ…」

「地殻を残したまま…よくもまぁ堀抜きましたわね…」

「万一地殻が崩落しても…」

「プラント周辺は残りそうですわね…」


『他に地殻を支えているのはクレバスの壁面を基礎とした柱か』

『あぁ成程、光はそのクレバス壁面の亀裂から漏れているのか』

「そういうことか…」

「クレバス…下手したら人為的であると…」

「模様に見えるほど…」

「規則的…でしたね」


『おそらくは起源文明期の末期にコアを掘りつくしたのだろう』

『現状残っているコア状のモノは岩石質の元マントルと…』

「元々のコアは…」「もう残ってないと…」


『なかなか手間がかかっていたろうからな、

おそらくは星系文明期が長すぎたのだろう、

星間進出とともに始まった星系外簡易安価採掘に

複雑高価なマントル採掘では太刀打ちできなかったのであろうな』

『これは帝国にとって技術情報の宝庫では?』

『うむ…そのとおりだ、帝国は最も資源に悩む星系文明期においてさえ、

ここまでするほどには追い込まれなかったからな』

「なるほど…」「その必要性があったと…」「だから発達したと…」


『ここが艦隊戦後に拠点艦群で行われる…』

『コマイン大鉱床集塵採掘の出元の原型…』

「ん?なんだそりゃ?」「艦隊戦後に?」「大鉱床?」


『であろうな、コマインの生産力の源泉だな』

『彼らは我らの常に100倍から1000倍前後まで金属質量を用意できる』

『彼らの消失した艦体が元になった重金属ガス雲…コマイン大鉱床』

『ただそれを拠点艦の汎用術式ユニットで…』

『大規模重力集塵溶鉱炉精製術式を起動する…』

『ただそれだけで帝国の10年分の採掘量を1度で賄える…』

「あ~なる~」「そうか…あの数だもんな…」「確かに大鉱床…」


『これが…それができる理由…というわけですか…』

『ウタ、採掘施設の内部を見てみてくれ、

おそらくはそこはもう一つの情報の宝庫になっているかもしれん』

『ほいよー』

「ん?なんだ?」「まだほかにも?」



『まさか…これは…』

『そうだ…5000万年前に書かれた文字群だ』

『残っていたのか…』

「嘘だろう…」「内装が…」「残っていますわ…」


『放棄時に減圧開放したのだろう…内部も無大気だ…

そして基本的には有機生命体が生存できる…

その程度には諸々遮蔽されている…

だから…残っていた』

『ウタ、収集をシンと交代しながら始めてくれ、

数日かかっても構わない、これはあの遺物とは違い…

すぐに帝国に送れる…』

『あいよー』

「5000万年前の文字…」

「なんて貴重な…」

「すごいな…」


『では我々は卵を脱ぐ場所をじっくりと選定しよう』

『そうね、おそらくはここはコマイン禁足地…』

『ここでなら、脱げる』

『そして、放置してもなんら問題ない場所が必ずあるだろう』

「あっ確かに」「死角が一杯ある」「その上、禁足地」

「なるほどな」

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