第65話 だがいた…共犯者がいたのだ…ホシはまだいた
『八脚射撃再開』
「真夜中の筈が…」
「えぇ、夕日のようですね…」
「水平線の向こうが真っ赤だもんな…」
「そこに向かって全力射撃する10万機ですわ…」
「…ファイナルステージすぎ」
「なお母艦は安泰」
『スラスタくんはー慣性に極振りだー』
『スラスタ配分慣性100重力0出力80G』
『以降の配分調整はーこっちでーやるー』
『またぞろ細かく刻むのね…了解』
『右手ー盾はランスモードー蹂躙だー』
『装甲盾ランスモード』
「おいまて、なんで盾が槍になるんですかね?」
「それも巨大な馬上槍風に?盾とは一体?」
「おいやめろ、4脚にソレはロマンがすぎるだろ」
『杖はー盾にセットだー氷結盾だー』
『装甲盾、瞬時氷結粉砕ランスモード』
「さらにオプションつきましたぁ…」
「なんだその物騒すぎるモードは…」
「名称だけで解説不要とでも?…」
『左手ーナックルガードはーいつもどおりだー』
『多機能砲はー今は粘性質量加速砲だー』
「それに比べれば…」
「とても穏当に聞こえる…」
「気が…しますね…」
『ちまないーちみはーこの戦いにー連れてーいけないー』
『自動回避オフ』
「そして自然に置いて行かれる保険機能」
「さくっと切られましたね…」
『デンドンデンドンデンドンデンドンデンドン』
「その世代か…中身は…」
イクサバ中尉も知っているリズム…
『電磁波吸収停止…4…3…2…1…停止』
『デンドンデンドンデンドンデンドンデンドン』
「中身のテンション最高潮だろうな…」
クロカゼ中尉も知っているリズム…
『マナ転化展開開始…4…3…2…1…展開終了』
『デンドンデンドンデンドンデンドンデンドン』
「なに待ちだ?」
『主砲3番発射、起爆』
あっ強烈な閃光が全てを照らす!!
「コレ待ちだった…」
「閃光の中、閃光に向かって…」
いやこれ逆効果だろ…太陽は背にするもの…
向かうものじゃない…コレ絵面だけで選択したろ…
『辻斬りーいくぞーとっかーん』
『加速80G』
「とつげきかぁ、テンション有頂天だろなぁ」
『まずはーおまえたちだーウタをー見なかったー罰だー』
((((((ぱきゃきゃきゃきゃ~ん))))))
はっ?キモい機動でランス毎衝突するだけで!?
なんで相手が次々と!?ガラス細工みたいに粉々になるんだよ!?
『最後尾40機砲列陣、6機粉砕』
「ほわぁ!?一瞬で粉微塵になったですぅ」
「想像を絶する凶悪武装だった…」
「それマジか…そんなん造ったんか…」
「SFにあるまじき超ファンタジー武装…」
『んーめんどーだーまとめてやるー』
『はい射撃位置よ』
『いくぞーほれー』
(ぎゅぎゅん)(どぉぅん)(ぎゅぎゅん)(どぉぅん)(ぎゅぎゅん)
うわっキモい!?ヌルったり鋭く残像残したり!?
着ぐるみでもこんなキモくなかったぞ!?
「トリモチじゃねぇか!!粘性質量加速砲!!」
「粘性金属質量弾?それって言わばトリモチですよねぇぇ!!」
「まってそいつは全高15m全長30mはある、八脚だが虫ではない!!」
『綺麗にひと塊にできたわね』
『じゃーさよーならだーとっかーん』
((((((((((((((((ぱきゃきゃきゃきゃ~ん)))))))))))))))))
トリモチごと中央突破ー!?
『最後尾40機砲列陣、全機粉砕』
で一切合切全部粉砕しやがった…
「まじか…」
「ど真ん中抜けたぞ…」
「34機が粉微塵になったぞ…」
「ランスの表面だけマナ転化の外に出してるからな?
接触攻撃面以外はマナ転化の内だぞ?
秒間200TJ超えないと抜けないぞ?」
「鉄壁すぎるだろ…」
『んー微妙にー効率悪いーんーこうだー』
(ぎゅん)
((((((ぱきゃきゃきゃきゃ~ん))))))
うわっ!またあの変態機動突撃だ!!
『次の40機砲列陣、7機粉砕』
「まって実時間10秒経ってない…」
「展開早すぎるにも程があるぞ…」
『そしてーこうー』
(ばごぉん)(どががががぐぁん)
あ~!!吹っ飛んで跳ね回る八脚く~ん!!
『じゃぁーとわにーおやすみー』
((((((ぱきゃきゃきゃきゃ~ん))))))
『10機粉砕』
「左手で殴った…」
「相手飛んだ…」
「飛んだ先で当たって次も飛んだ…」
「さらに次々に…ビリヤードでしたか?」
「そして起き上がる前に」
「駆け抜けおったぞ」
『これだーさいしょからーこれでいくぞー』
(ばごぉん)(ばごぉん)(ばごぉん)(どががががががぐぁん)
あぁ~!!今度は3体吹っ飛ばされた~!!
『あら、これはまた綺麗に1列に』
『振り返らなかったー罰だーとっかーん』
ちょっ!?なんでそんなことが!?
((((((((((((((((ぱきゃきゃきゃきゃ~ん)))))))))))))))))
『第2砲列陣、全機粉砕』
「実時間15秒で…80機が粉微塵に…」
「相手まだ一度も応射できてないですよ…」
「それどころか振りかえることすらできてない…」
『いまさらー振り返りー始めてもーおそーい』
(ばごぉん)(ばごぉん)(ばごぉん)(ばごぉん)(ばごぉん)
のぅ~!!今度は5体も!!
(どがががががががががぐぁん)
『ウタせんせーの教育的ー指導だーとっかーん』
あぁっ!!また一塊にされた!!
((((((((((((((((ぱきゃきゃきゃきゃ~ん)))))))))))))))))
『第3砲列陣、40機全機粉砕、風林火山上部主砲発射』
「実時間…5秒切ったな…」
「あぁ切ってるな…隣の砲列陣…100mもないもんな…」
「タンク施設を盾にしてミチミチに布陣してるからな…」
『振り返ってもーうててなーいーおそーい』
(ばごぉん)(ばごぉん)(ばごぉん)(ばごぉん)(ばごぉん)
(どがががががががががぐぁん)
『ウタせんせーの教育的ー指導をーうけとれーとっかーん』
あっパターン入ったコレ…一回前とほぼ同じ…
((((((((((((((((ぱきゃきゃきゃきゃ~ん)))))))))))))))))
『第4砲列陣、40機全機粉砕、圧壊光弾弾着まで10秒』
「撃てない…早すぎて撃てていない…」
「盾ナグールに対応した筈なのに…」
『ではーさらばだーしょくーん』
「ちょっ!?逃げた!?撃たれる前に逃げた!?」
「あっ稜線の影に潜んだら猛スピードでコソコソ移動してる!?」
『圧壊光弾着弾』
((((((((きゅどどどどどどどどどどどどどどどどどどどぅぅぅぅぅん))))))))
うわ!?ミニブラックホールでアチコチに大穴開いた!!
『ごきげんようだーしょくーん』
そこから飛び込んで!!間髪入れずに!!
(ばごぉん)(ばごぉん)(ばごぉん)(ばごぉん)(ばごぉん)
(どがががががががががぐぁん)
あぁっ!!立てない!!八脚くん!!
『ウタのーさわやかなーあいさつをーうけとれーとっかーん』
((((((((((((((((ぱきゃきゃきゃきゃ~ん)))))))))))))))))
『第30砲列陣、40機全機粉砕、第5から第29は全機圧壊したわ』
「まってまってまだ実時間1分経ってないよ!!」
「1200機殲滅所要時間…30秒を切りそうだな…」
「現地コマイン…大混乱してるだろな…」
「そりゃ超地平線間対艦砲撃戦中に…」
「その時点でもいろいろオカシイのに…」
「またも後ろから殴られたんですよ…」
「混乱もするだろ…ここは帝国ではないんだ…」
「盾ナグールはいない筈だったんですのよ…」
「だがいた…共犯者がいたのだ…ホシはまだいた」
「それも盾ナグールをいっそう凶悪にした…辻斬りが…」




