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第59話 それは恐るべき結果に繋がった…

「試製2光秒圏内憑依制御システムと搭載艦船運用セット、

コレの搭載艦を解説しよう、それが答えになる」

「そうなのか?」

「つまりは搭載艦がそれだけ特殊だと」

「うむ、ふつうはこちらだな」


50m以下級亜光速憑依式無人艦載機

全長49m総質量310t

ジェネレーター出力20TW

マナ転化フィールド最大出力10TJ

スラスター総入力40GW出力50G

マナクリスタルチャンバー数4=400TWh

通称「手動ファンネル」

本土艦隊編成から駆逐艦を駆逐した

50m以下級亜光速航行超高機動砲艦の憑依式無人機版


「あぁ、艦載機母艦の搭載機か」

「無人の超高機動砲艦ですわね」

「そして風林火山の搭載機はコレだ、新規開発だ」


”辻斬り”

50m以下級憑依式可変地上無人探査機

空間戦闘形態時全長49m

地上探査形態時全高29m

総質量205t

ジェネレーター出力20TW

マナ転化フィールド最大出力200TJ

スラスター総入力71GW出力80G

100G耐機動性艦殻

マナクリスタルチャンバー数8=800TWh

電磁波吸収フィールドジェネレーター1基

地上探査時4脚2腕形態

変形時船首兼格闘戦用装甲盾

口径1m砲身長10m多機能砲2門

格闘戦用ナックルガード

多機能杖

封印コンテナ運用バックパック(2m×2m×4m封印コンテナ2)

封印コンテナ運用腰部ハードポイント2か所

150cm級人型使い魔探査ボット4体

基本人員1名

最大人員3名


「変形ロボじゃねぇか!」

「それも4脚じゃないか!」

「フネじゃなくなってますぅ」

きた!!ロボット機動兵器枠がついに!!


「超高機動砲艦から居住区と本体である主砲を外した」

「それもう砲艦じゃない…」

「だから探査機…」

けど脚ある!!4本もある!!


「基本監視小惑星の下で行動するからマナドライブも外した」

「亜光速艦ですらない」

「慣性航行専用艦…」

要らない機能は徹底的に外す!!


「憑依式無人艦載機もそうだが使えないアンテナも取った」

「アンテナ好きの帝国が…」

「まさかですわ…」

憑依式だと起動できないからね…


「いや元から憑依式にはつけても意味ないからな?

そして副砲も地上戦には嵩張るから取った」

「艦としての要素が激減ですね」

「これもうフネとは言えないんじゃ?」

副砲まんまだと旋回機能が重すぎるもんな!!


「そして残ったモノに必要分を追加して

4脚の上に乗っけて腕と頭を足したのがコイツだ」

「原型の面影が…」

「全く残ってないじゃないか…」

本体である主砲がなくなり脚4本腕2本ついたからな!!


「多機能砲2門…その位置はまさか?」

「そうだ肩だ、投射砲歪曲砲は当然として

マナ術式で生成する各種実体弾を投射可能だ」

「両肩2門の4脚…ロマン溢れすぎだろう」

「そうなんですの?」

「漢のロマンだな」


「…盾?」

「100Gに耐えられる艦殻と同じ素材の盾だ、

素でも恐ろしく強靭だ、

そして空間戦闘中は艦首装甲板にもなる」


変形機能と盾の相性は抜群だからな!!


「格闘戦用ナックルガード?」

「拳盾ナグールの艦載機版だ」

「…そうなんだ…」


マナ転化で殴っても衝突エネルギーが、

マナに変換されるだけだしな…


「多機能杖?」

「遠近各種のマナ術式を瞬時発動できる発動体だ」

「…遠近…」

着ぐるみのハンドキャノンから考えて、

相当に汎用性あるんだろなぁ~


「マナクリスタルチャンバー数8=800TWh?」

「各種マナ兵装の瞬間最大マナ消費用だ」

ニトロブースターみたいなもんか?

着ぐるみと違ってコイツは動力がある!

それも主砲のある超高機動砲艦と変わらぬ出力のままで!!


「なぁ?探査機?なんだろ?」

「…そうだな…探査機だ…その筈だ…

ちゃんと封印コンテナという…

現物回収装備あるだろ…?」

取って付けた感スゴイするけどな!!


「あるけど…なぁ?」

「4脚の足の中には使い魔ボットまで入れている…探査機の筈だ…」

い~や!騙されんぞ!!


「これ、艦載機版盾ナグールだろ?」

「ぐふぅぅう、やはりそう見えるか…」


「どうしてこんなことに?なったんだ?オッサンにいうてみ?」

「もともとは…

実際に地表に降りて調査できないか?

其処が発端だった…」


「当然の発想だな、普通だ」

「そこで搭乗員リスクのない憑依式が俎上に乗った…」


「それも当然、普通だ」

「使う機体は憑依式無人艦載機でも充分な筈だった…」


「最初はそうだったんだな?ではなぜ?なんだ?」

「拠点艦でっかいどう開発研究部員と…

風林火山メンバーが…ふとした会話がきっかけで…

意気投合してしまったんだ…」


「ふむ、そのきっかけとは?」

「そのとき開発が佳境を迎えていた盾ナグール…

当然、話題はソレになるわけだ…

そして艦載機版盾ナグール…

必要とする理由は?

造るとしたら?

そういうことだ…」


「そういうことか…必要とする理由は?あったのか?」

「彼らは…必要になる…そう結論に至った、

そこに何ら瑕疵はなかった、つまり必要になる…」


「必要になる…か…具体的には?」

「それも盾ナグールだ…盾ナグール本採用時…

コマイン、帝国共に地上軍は革命といってよい変革…

それを迎えてしまうと彼らは予見した…

そしてその時、コマインの指し手は必ず、幾多の隠し玉を用意するだろう…

ソレを暴くために…強襲独行艦にこそ必要だ…と至ってしまった」


「そして造ったのか…そうなんだな?」

「…まずはでっかいどうで文殊通信でできる操作範囲内で、

簡易稼働する試作機が、超高機動砲艦と同じ素材、

耐50G艦殻で試作された、これは酷い結果に終わった、

40G程度掛かると機動中に分解した、

質量弾を投射すると後ろ足が潰れた、

盾に被弾したら腕が落ちた」


「つまりは造れなかったと…そういうことなんだな?」

「いや…全ては強度的な問題だった…

だが、そこを制限すれば恐ろしく有用だった…

地上戦においてはだがな?

宇宙戦においては火力も機動力も足りなさ過ぎた、

堕ちやすいうえ墜とせない…お荷物みたいな存在になった」


「コレがある…ということはソレを誰が拾ったんだ?やはり…なのか?」

「そうだ検証公だ…あやつがこんなロマン溢れるモノに…

それも憑依式でだ…魂魄式AIでも…

些少な根源マナ消費で操作可能なのだ…

自身でも操作できる可能性のある…

こんなロマンあふれる宇宙軍兵器に…

目をつけない筈がないだろう?」


「やはりか…ということは?」

「あぁ、開発は帝国工廠に引き継がれた、

工廠では宇宙軍地上軍両方の兵器開発試作を行っているからだ、

でっかいどうメンバーと風林火山もそこに文殊越しで参加した」


「つまりは…本格的な国家計画と?なったと?」

「そうだ…そして参加した面々は…耐50G素材では、

強襲独行艦からの単機出撃地上兵力威力偵察は不可能と断じた…

そして少数生産に留まるのだからと…

耐100G素材の全面使用に踏み切った…

結果、80G加速までなら安定して機動できる機体が完成した…

95Gチャレンジで分解したときには全員涙した…

このサイズで高機動戦艦1隻分のコストがかかっとるからな…」


「その高コストでも?」

「あぁ開発は続行された…

それだけの価値があると判断された…

完成した機体は…

地上戦においては比類なき戦闘力を持つに至った…

宇宙戦においては火力は足りないままだったゆえに…、

堕ちないうえ墜とせない…空気みたいな存在になった…

だが、それは恐るべき結果に繋がった…」


「恐るべき結果…それはいったい?」

「こいつ…地上戦中に軌道上迎撃されても…

基本的に堕ちないんだ…

その機動力で躱せてしまうんだ…

秒間784m加減速できる…

その秒間移動距離変化量は392mにもなる…

軌道上のレーザー戦艦でも対応不可能だ…

レーザーによるマナ転化が起きたら…

即時自動回避機動するからな…

そしてソレを保証する…

サイズ比では破格のマナ転化量200TJだ…

盾の内部に小型の物がズラリと並んでる…

たくさんあるスラスタの合間にもだ」


「大気抵抗は?」

「マナ術式で無効化する…

その為のマナクリスタルチャンバー数8=800TWhだ」


「そして…電磁波吸収か…」

「そうだ…このサイズに積めば1基で100Gまでカバーできる」


「つまり…こいつは…」

「そうだ、忽然と姿を現し…嵐のように地表を蹂躙し…

不利とあらば即座に重力圏を抜け…姿を消す」

「だから…辻斬りか…」

「そうだ…」

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