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第54話 何故…満面の笑み…

『矛第1波ゼロ距離まで500秒切ったよー5光秒圏内ー』

”第2波はその30秒後だー”

『戦列砲艦、完全に射撃姿勢だ』

”第2波にも合わせる気だ”

「きっつぅ」

「容赦なさすぎんべ」

あからさまな30秒だもんなぁ…第7分隊長カルイザワ中尉…


『アンテナ1、2、8光秒砲弾迎撃早期警戒モード展開ー』

”残120秒からー毎30秒だー”

『4号の起動は残8秒と残3秒だ、いいな?』

『『『『『あいあいさ~』』』』』

『ふむ、やはりしっくりきませんね、

以降、戦列砲艦は大砲と呼称しますよ?

いいですね?』

『『『『『『あぃあぃまむぅ』』』』』』

「そこは譲れない…」

「どうしてもか…」

第7分隊長カルイザワ中尉と第2分隊長クロカゼ中尉…

検証派の諸君も苦労が多いようだ…


『大砲全艦発砲ー第1射砲弾ゼロ距離までー残68秒ー』

”矛第1波残68秒ー”

”矛第2波残98秒ー”

「はじまったな」

「狂気の敵中突破が」


『きたかぁウタぁ、シーン頼むぅ』

『まかせろー』

”レッドなるけどなー”

『おうよー』

”その時は俺が守るんだ!”

「漢前」

「大見得きったな」

「そら言うわ」


『ではシン頑張りましょう、コレですよ?』

『ふぐぬぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ』

”教官!!10万キツイです!!”

「そこはかとない」

「残念臭」

「上位存在の気配を」

「感じますね」

仲間なのだろうか…


『何を腑抜けたことを言っているのです?おかわりですよ?』

『大砲全艦発砲ー第2射砲弾ゼロ距離までー残68秒ー』

”矛第1波残38秒ー”

”第1射砲弾残38秒ー”

”矛第2波残68秒ー”

『ふぅぉぉおぉぉおぉぉぉおおおおお』

”教官!!20万きっついです!!”

「そらきっついよな」

「できる方がおかしいですぅ」


『これからあと1射分追加されて以降は常時30万ですよ?

守るのでしょう?』

『ふぅはぁぁぁあああああああああ』

”おらぁ!タケル!全艦全弾の軌道予測線だあぁ!!抜けろぉぉぉ!!”

『よし!!よくやった!!以降も頑張れ!!』

「男気みせたな」

「あぁやりきったな」

「だが…」


『おおおおおおううううううよぉぉぉぉぉ』

”がんばるぅぅぅぅぅ”

「以降、ずっとか…」

「まさに狂気ですわね」


『さぁ次は俺らがやるぞ!!』

『『『あいあいさ~』』』

『副砲迎撃対象砲弾12弾よし』

『主砲迎撃対象3隻よし』

『敵中突破予定軌道よし』

『矛第1波残13秒』

『副砲迎撃開始』

『12』

”残8”

『11』

”残4”

『10』

”残2”

『9』

”残0”

『8』

『4号第5射起動!!』

”展開!臨界!いま発光!”

『おらぁぁぁぁまがれぇぇぇぇぇぇ』

"56Gかけながら!前部上部スラスト5G!後部下部スラスト5Gだ!"

「あっは!正面から逝った!あったまオカシイ!」

「…相手が修正できないからって…する?しないでしょ…」

だよな!?第10分隊長オトナシ中尉!!


”ウタバイタルイエロー”

”矛第1波残8秒ー”

”第1射砲弾残8秒ー”

”矛第2波残38秒ー”

”第2射砲弾残38秒ー”

”第3射砲弾残68秒ー”

『7』

『6』

『5』

『ここだぁぁぁぁぁ』

”後部下部スラスト0!上部全部で10Gだ!!”

”ウタバイタルオレンジ”

「うっわ…強引に軌道逸らしていく…」

「わりとうまい事逸らせるんですね」

「正面向けた時は正気を疑いましたが」


『4』

『主砲軸線!!発射!!』

”3隻とも頭から命中ー弾頭は誘爆せずにー消失した筈ー”

『3』

『4号第6射起動!!』

”展開!臨界!いま発光!”

『2』

『よし!!抜ける!!』

『1』

『0』

『生きてる!!抜けた!!』

「生存報告が成功報告…」

「そんな報告したくない…」


『抜けたが!!くるぞ!!』

「なにが?」

「くるんだ?」


『29』

『艦体アクティブパッシブホワイトアウト!!』

”やらかしたー後ろの1000隻くらいがーやらかしたー”

「「「「「「「「「はっ?」」」」」」」」」


『28』

『多重融合反応!!マナ転化秒間最大2PJ!!』

”推定260Gt、1088EJよ!!”

”秒速3000kmじゃなければ!!蒸発したぞ!!”

「いやいやいや衝突事故の規模デカすぎんだろ」

「このプラン…敵にも味方にも容赦なさすぎません?」

事故でも衝突すると誘爆しちゃうのか…

まとめて1000隻ってことは光球に呑まれても誘爆なのか…


『だが、抜けた!!』

『カウンタースラストでピッチ0度で止めるぞ!!』

”ウタバイタルイエロー”

『27』

『矛第2波再起動!!』

「もう次か…」

「これずっとするの?」

「狂気の沙汰」


”ピッチ0!!”

『26』

『矛第2波軌道修正中!!』

”リアルタイム予測線だすぞ!!”

『25』

『副砲迎撃対象砲弾無し!よし!』

『主砲迎撃対象無し!よし!』

「砲弾はだいぶ外れたのか」

「主砲も出番なしと」


『24』

『くそっ矛で散布界作る気か!!』

『散布界じゃなくてもう壁よ!!』

『なら!!ケース大爆発だ!!』

『くっそマジかよ』

「…そう簡単には…行かせてもらえない…」

「3ステップアップ不穏」

「名称おかしすぎるだろ…」


『23』

"あぁぁもう!ほらっ!!副砲こいつらだ!!"

『4号第7射起動!!』

”展開!臨界!いま発光!”

『うぅぉぉぉぉ躱すんだよぉぉぉおおおお』

"56Gかけながら!前部上部スラスト5G!後部下部スラスト5Gだ!"

『21』

『20』

『副砲!大爆発目標4隻に照準!』

「なにその目標…やるの?それを体感10秒で決断すんの」

「ひぃぃぃぃウソですぅぅぅ」


『19』

『18』

『4号第8射起動!!』

”展開!臨界!いま発光!”

『これでどうだぁぁぁぁぁ』

”後部下部スラスト0!上部全部で10Gだ!!”

”ウタバイタルオレンジ”

『17』

”アンテナ1、2至近パッシブだしたー”

『16』

”ここだ!ここしかない!!”

『副砲発射!!』

「撃った…」

「ホントに撃ったな…」

「本当に撃っちゃいましたね…」


”アンテナ1、2、8光秒砲弾迎撃早期警戒にもどしたー”

『15』

『来るぞ!!』

『14』

『多重融合反応!!マナ転化秒間最大0.1PJ!!』

”推定1820Gt、7616EJよ!!水平距離4万2000km!!”

目の前がとんでもないことになっとる…

『13』

『マナ転化秒間最大0.5PJ!!水平距離3万9千!!』

”融合反応拡大中!!”

『12』

”シンバイタルオレンジ!!”

『マナ転化秒間最大1PJ!!水平距離3万6千!!』

『11』

輻射熱ダメージがドンドン増えてく…

『マナ転化秒間最大2PJ!!水平距離3万3千!!』

”融合反応ピーク!!終息を開始した!!”

『10』

『マナ転化秒間最大3PJ!!水平距離3万!!』

”うぉぉぉぉたぶんこれギリギリだぞぉぉぉぉ”

”終息速度より速い!!”

『9』

『マナ転化秒間最大4PJ!!水平距離2万km7千!!』

”うードッキドキだー”

”頼む!!耐えてくれ!!”

お祈りしだした…

『8』

『マナ転化秒間最大6PJ!!水平距離2万4千!!』

”中心点よりは!!だいぶ下の筈だ!!”

”中心点が!!7000も密集してるから!!”

”そこ!!もぅ!!よくわかんねぇ!!”

そらそうだ…

『7』

『マナ転化秒間最大9PJ!!水平距離2万1千!!』

”ぬぅおおぉ増えたぞぉぉぉお”

”ほんとにギリギリになるわ”

『がはぁ!』

”シンバイタルレッド”

”は?”

”はい?”

”シーン!!”

『6』

『マナ転化秒間最大12PJ!!水平距離1万8千!!』

『私が引き継ぎましたよ』

え?

(しゅん)

”シン強制覚醒”

”シンがーシンがー”

『ぐっふぅぅ』

”ウタバイタルレッド”

”ちょっ!おいっ!?”

”あぁそのパターンがあったかぁ”

は?

『5』

『マナ転化秒間最大15PJ!!水平距離1万5千!!』

『其処も私が引き継ぎました』

はい?

(しゅん)

”ウタ強制覚醒”

”シン、マナ身体強化開始”


『4』

”シン、治癒魔法開始”

”ウタ、マナ身体強化開始”

『マナ転化秒間最大18PJ!!水平距離1万2千!!』

『ぬぁぁぁそうこうしてるうちに佳境にぃぃぃ』

『…大丈夫よ…教官を見て』

『満面の笑みだな…』

『だから…大丈夫なのよ…』

「「「「「「「「「ナニコレ?」」」」」」」」」


『3』

”シン、治癒魔法終了見込み3時間”

”ウタ、治癒魔法開始”

『マナ転化秒間最大21PJ!!水平距離9千!!』

『なんかすんごいアンテナ出し消ししてる…なぁ』

『えぇ、してるわ…満面の笑みで』

『…この先は…地獄だな…』

「緊迫した空気が…」

「霧散霧消」


『2』

”ウタ、治癒魔法終了見込み3.5時間”

『マナ転化秒間最大21.5PJ!!水平距離6千!!』

『こんなにギリギリなのに…』

『満面の笑みの方が怖いのは…』

『ぐぅレッド2人が勝ち組か…』

「あと少しでマナ転化抜かれる状態ですわね…」

「けどもう些末事に…」


『1』

『マナ転化秒間最大21.5PJ!!水平距離3千!!』

『抜けるのね』

『あぁこの爆光を』

『駆け抜け終えてしまう』

「名残惜しささえ感じてる…」

「どういうことだよ…」


『0』

『マナ転化秒間最大21.5PJ!!水平距離0!!』

『さらばコマイン観測隊』

『心配しないで、皆送ってあげる』

『主に教官の意志でな』

「挨拶まで入れ始めたぞ…」

「責任は放棄してるがな…」


『29』

『マナ転化秒間最大11PJ!!水平距離3千!!!!』

『ふふふ、抜けましたね?』

『『『はっ!抜けました!』』』

「訓練生」

「になっちまったな…」


『28』

『マナ転化秒間最大1PJ!!水平距離6千!!!!』

『次は?』

『『『第5陣照明であります!!』』』

「簡潔明瞭」

「昔にそう叩き込まれたんだな~」


『27』

『マナ転化秒間最大0PJ!!水平距離9千!!!!』

『さぁ次の砲弾が舞い込んできますよ?

ここにその弾道予測があります』

「新たな課題来る…」

「…苦難」


『26』

『マナ転化累積172PJ!!』

『くっそ!!コマインよりもよって!!』

『そう、頭を抑える為の遅延斉射です』

『100隻1000発の遅延斉射で砲弾の壁を!?』

『なんてことを!?』


『25』

『正面から抜きますよ?』

『『『『あぃあぃまむぅ…』』』』


「いやまて」

「いろいろオカシイ」

「随所に突っ込みどころ満載だが」

「一番の突っ込みどころは…」

「何故…満面の笑み…」

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