第52話 アレってなんなんですかね…
『プラン風林火山ステージ2だ!』
”主砲は艦首方向に!”
『主砲旋回開始!!』
”艦首軸線まで9秒!!”
『ヘッドオン到達可能領域にいる矛残数!!』
”その数600!!0.5光秒以内0!!0.5~1光秒以内65!!”
「噂のヘッドオンですか」
「10M班でも警戒する…」
「10M班だからこそじゃないですか?」
「そしてそれが600隻…」
『副砲!!照明EFから始めるぞ!!』
”両端ごとに2目標並行交互射撃だ!!”
「なのに副砲を照明に回す…」
「何故…?」
『アンテナ1ー主砲ーアンテナ2ー副砲ー』
”両方ともー0.2光秒パッシブパルス展開だぞー”
『右舷副砲発射!!』
”5秒後左舷だ”
『照明Eにー右舷副砲ー全弾命中ー』
”よしーレーザー発振部がふきとんだー”
『主砲旋回終了!!射撃開始!!』
”3目標並行随時射撃!!”
『矛の殲滅速度ー秒間2.7隻ー矛30番まで撃破ー』
”60隻ごとにー自動報告ー”
「納得の殲滅速度」
「でしたね、突撃艦なら巡洋艦主砲歪曲砲で抜けるんでしたね」
でなきゃ超高機動砲艦の1会戦ノルマが突撃艦1000隻とかならんわな…
『左舷副砲発射!!』
”5秒後右舷だ”
『照明Fにー左舷副砲ー全弾命中ー』
”大破ーけどレーザーまだでてるー”
「防御力場兵装無しでもしぶとい…」
「10ktが4発直撃してるんですよ?」
『マナ転化累積524PJ!!累積残21476PJ!!』
”けど最大秒間10.1PJまで増加!!”
『ぬぐぅ、サイドスラスト2G継続でいれるぞ!!』
”ウタいくぞ!”
”さぁこいー”
”ウタバイタルイエロー!”
「恒例になりつつある漢前」
『最大秒間3.1PJ!!』
「たった2Gでもだいぶ減るんだ」
「これは…かなり違いがでるんですのね」
『右舷副砲発射!!』
”5秒後左舷だ”
『照明Gにー右舷副砲ー全弾命中ー』
”誘爆ーふきとんだー”
『左舷副砲発射!!』
”5秒後右舷だ”
『照明Fにー左舷副砲ー全弾命中ー』
”艦体折れたーレーザー沈黙ー”
”矛90番まで撃破”
「だいぶ安定してきた?」
「たしかに」
「作業感」
『ふふふ、確かに貴方の待ち伏せは致命的です。
ですが?
その初撃を凌がれたら?
その答えを貴方にお教えしましょう』
「検証公の教育的指導」
「赤点補習ですぅ」
”矛624番まで撃破”
『照明Tにー左舷副砲ー全弾命中ー』
”艦体後部脱落ーレーザー沈黙ー”
『ヘッドオン到達可能領域にいる矛残数0!!』
『8光秒以内の照明無力化!!』
『マナ転化累積2521PJ!!累積残19479PJ!!88.5%』
「ついに、前が晴れたな」
「ほんとに抜けちゃいましたね」
「できちゃうんですね」
『プラン風林火山ステージ3だ!』
『主砲を右に向ける!』
『副砲は後ろの矛を墜としていくぞ』
『主砲、右向けた』
『右ロール90入れる…よしやってくれ』
『さぁ鴨撃ちの時間だ』
『勝ったな』
『ここまできたらな』
「えっ勝ったの?」
「え?えっ?もう?」
『後ろは?』
『矛2147隻がー追随中ー、進行方向はー我ら風林火山のー現在位置ー』
『20光秒先のコマインの第2陣観測隊は?』
『気づいたようだ、慌てて矛が擬装を解き本隊方向に向け加速中』
「うん?何にだ?」
「なんでしょう?」
なんだなんだ?
『照明は?』
『20隻ともこちらへの最接近軌道で加速中』
『第3陣と第4陣、第5陣は?』
『まだ様子見してるな』
『第1陣後続と第2陣照明は諦めたか』
『まぁ手遅れだからな』
「えっ第2陣のレーザー戦艦も詰んでるの?」
『そう我らはまだ一度も減速してない』
『0.001光秒のまま、上にも加速したわ』
「そう言えば」
「一度も減速してない」
『0からの55Gで0.001光秒300km/秒への到達時間は?』
『9分ちょいね、そして戦闘開始後に上に56Gで5分ほど加速してるわ』
『その差、55Gでも約10分以上か、致命的だな』
『えぇ、追撃するには致命的よ』
あ~第2陣のレーザー戦艦さんは…もう…
「あっ攻撃圏内から逃げられないし…」
その上、後続の突撃艦達は…もう追いつけないから…
「その上、有効的な攻撃もできないのか…」
『出来すぎだな、加速を50Gに落とそう』
『えぇ、次はなかなか忙しそうなことだしね』
『そうですね、後続の矛を殲滅し終える頃には、
この課題に対する回答が届くことでしょう』
『潜伏待ち伏せ奇襲に対し減速されずに凌がれたらどうすべきか?』
『難問だな』
「最初で最大の難関は初撃の囲みだったわけだ」
「なるほど、あとは状況が進めば進むほど」
「そうだ、追い詰められていくのはコマインだったわけだ」
『後続の矛殲滅』
『第2陣の照明との距離10光秒』
『主砲歪曲砲のまま仕様外射撃開始』
『第3陣と第4陣、第5陣に本隊、動きはじめたな』
『さぁコマインの回答は?』
『全艦上に向けて回頭始めたぞ』
『ほおぅ、そうしますか、そうですか。
皆さん、コマインが皆さんの全力を見たいそうです。
せっかくのリクエストです。アレやりますよ?』
『あぁぁぁぁぁ…よりにもよってソレか』
『コマイン…どんだけ赤点とるんだよ』
『なぜ退かない…動かないだけでよかったんだ…』
『あーアレやるのかー教官ーレッドになったらー』
『そうですね、シンがアンテナ、私が振り分けでよいでしょう』
『おねがいーしまー』
「この面子がこれだけ悲嘆…」
「欠員交代確認までする…」
「アレってなんなんですかね…」




