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第46話 班長って大変なんだな…

『よーし、第7惑星再襲撃プランに修正は?どうだ?』

『不要よ、このまま845番星に向けて加速減速スイングバイ加速よ』

「再襲撃するんだ」

「あんだけ打撃を与えたのに?」

「本拠地の第3衛星?」


『じゃぁ次の射点までは自動航行だな、ヤマト、シズネ?』

『いろいろ観測データは取れたからなんとかなるだろ』

『次が実に面倒なオーダー』

『実体弾同時着弾は射撃諸元算出が超面倒だからなぁ』

「…成程、射出速度」

「それで弾着合わせてるんか」

「そらまた面倒な」


『地殻が破砕しなかったーGJーおふたりー』

『まったくだ、おつかれさん、次が大変だが、がんばってくれ』

『15光秒アンテナの為に!!』

『シン物欲出すぎだ』

『気持ちはわかるがなぁ』

『単艦でもある程度、小艦隊と砲戦可能になるものね、今回のように』

「たしかに、15光秒で50Gあれば」

「回避迎撃しながら砲戦が可能なのか」


『さすがに8光秒距離では自殺行為だからなぁ』

『致命弾もー1桁増えてー対処ギリギリーのラインー』

「つまりは超高機動砲艦でも単艦では危ないと」

「8光秒でもそういう距離なのか」


『だなぁ、さて4時間はCICで各自ゆっくりしてくれ、

以降は次の射点まで艦内で自由だ、240時間ほどあるぞ』

『『『『『あいあいさー』』』』』

「10日間かぁ」

「確かに長いですぅ」

「マナドライブなら3日程度だ」

「なるほどなぁ、緩くやってないともたんわけだ」


『よし、4時間経過したな』

『もう充分ね』

『後方追従アンテナにもー異常はナシー』

『ふぅ、それじゃぁ全員おつかれさん』

『タケル、おふろいきましょ』

『おぅ、いいな』

「風呂あるんだ」

「ん?あぁあるな、風林火山の名物だ」

「そうなのか?」


『ウタもいくーシンもいくー』

『ウタがいうならしかたないな』

『ヤマトとシズネは?』

『このまま次を構築する』

『再度CICに籠るの面倒』

「たしかに面倒かも」

「んだなぁ」


『おう、頑張ってくれ、ムリはするなよ?』

『そこの物欲の化身とは違うさ』

『検証公の常用ツールである物欲をバカにしてはいけない』

『その通りだから反応に困る』

『タケルとか酷い目にあったものね…』

『アレは思い出したくない…じゃぁ行くわ』

『おうよ、風呂入って忘れるんだ』

「検証公なにしたし」

「不穏」


『ふぅ、個人スペース割いてまで、

風呂にスペース割いたの英断だったな』

『そうね、本当に英断だったわ』

「めっちゃ広い」

「スパリゾートかってくらい広いですわね」

「保養施設群の充実ぶり半端ない」

「観葉植物まである南洋浜辺風の風呂とか超贅沢」

「居住空間の指定は空間容積のみでな?

中身のレイアウトは班員に任されている」

「だからこんなことも?」

「特に問題なく認められている、

維持管理にメンテナンス使い魔ボットもいるからな?

例え戦闘機動56Gでめちゃくちゃになろうと問題はない。

そして、どう贅沢しようと副砲1基にすら届かんからな」

「成程納得」


『シーン!しっかり洗えー!』

『洗ってるじゃん!』

「男女とも裸っすね」

「自然に裸ね」

「全員裸族なの?」

湯気が不自然に仕事してるが…そも色気がない…お互い丸出しなのに…

「こいつらもう結構長いんだ、元もそれなりの年齢だしな」

「あーなるほど、ほんとに家族なんだ」

「家族…成程」


『何見てるんだ?』

『拠点艦速報よ』

「そんなんあるのか?」

「元日本国籍向けでな?退役贖罪兵が軍でやってるヤツだ」

「先輩ら、そんな仕事もしとるんか」

「帝国の公用語は英語だ、

日本語は文化用語として残ってはいるが、

口語としてはあまり使われんからなぁ」

「それでかぁ」

「普段は翻訳術式が働くから意識することはないが、

術式が働かないネイティブ言語であれば生声で会話できるからな?

その辺は気持ち的に大事だろう?」

「たしかになぁ」

「それは大事なことですわね」


『相変わらず第5の地上軍は?』

『慣れない籠城戦に苦労しているようね』

「わりと突っ込んだ内容?」

「うむ、軍内向けだからな」

「そしてこの時期なんかぁ」


『もっとーしっかりー丁寧にー』

『ウタも!しっかり洗ってくれー!てきとーすぎー』

『たしか…アリゾナの父も?』

『えぇ、いるわ、だからまぁ大丈夫でしょ』

「あの大佐殿、このころもめっちゃ有名なんだ」

「そらそうか、経歴的にも英雄だもんなぁ」


『なら拠点艦「でっかいどう」も平和か』

「でっかいどう!?」「艦名!?」「なぜ!?」


『艦歴250年を超える古参中の古参、

残り少なくなった検証公命名シリーズの1隻だもの』

「検証公命名シリーズ…」「…納得」


『いまさらこれくらいで揺らいだりはしないか』

「つまり彼らは?」

「そうだ、でっかいどう出身だ、映像の時点で250年以上生きてる」

「そりゃ家族だわな」「250年一緒かぁ」


『えーい!じゃぁこーだー!』

『うわっぷ!やったな!ならこうだー』

『うわひゃぁー!むーくらえー』

「のわりには?」「緩いうえに若いな」

「どうにも体に引っ張られるらしいな」

「そうなんだ」


『タケルは?』

『検証公ネットだ…』

『あぁ物欲ネット』

「物欲ネット…」「検証公…」


『シンとウタの為にもな、アンテナ仕様のな?』

『そのままじゃ載らないものねぇ』

『載せてる班がいくつかあるからな、

それを参考にしながらってとこだ』

「そこまでしてくれるんだ」

「ほんとにオーダーメイドじゃないか」


『ぬはぁぁぁ!それは禁じ手では!?ウタ正気かぁ!!』

『ワタシはーショウキにーモドッター』

『やめれー!!』

「当人らは無邪気だな」「ほんとに250歳なのです?」

「間違いない筈だ…その筈なのだ…」


『仕様変更申請時はアレが待ってるものねぇ』

『検証公が申請受付って罠だよなぁ』

『あれ受付じゃなくて審査よね…がんばってね』

「あぁそこに罠があるんか」「あの人相手にプレゼンとか」

「めっちゃハードル高いですぅ」「これもう影の支配者じゃないですか」

「管制独行艦やらがどうゴタゴタしようと、

哨戒独行艦がそれに巻き込まれようと、

大きく構えていられる理由だな」

「成程…納得」

『あぁ、がんばるさ、あの二人の為にもな』

「班長って大変なんだな…」「あぁ…そうみたいだな」


『ん?終わったのか?』

『まぁ粗方な』

『予想以上に面倒だった』

『おつかれさま』

『それでココか』

『マッサージチェアもみもみ君ファイナル改Mark5最高』

『酒もあるしな』

「ファイナルの筈が6回も改良されたのか、落ち着いた部屋だな」

「広さはそれなりですけど、先ほどとは違う感じで落ち着く部屋ですね」

「標準のリラクゼーションルームだな」


『で?どうだ?』

『500を10で割って10秒間隔が1セットが9回だ』

『つまり50発同時着弾が10秒間隔で90回か』

『それがおそらくはもっとも成功率が高い』

『それでも6割』

「同時着弾の話?」

「なんかえらい面倒な小細工強いられてそうだな?」

「成功率?なんの成功率でしょう?」


『まぁ失敗しても行為そのものに意味があるだろうからな』

『まぁそうだな、努力目標程度に考えるべきだろう』

「どういうことだ?」

「どういう意味があるのでしょう」


『地殻破砕ドクトリン、許容してないと印象付ける為に実際にする』

『実に検証公らしいプランだな』

『まったく違和感皆無』

「神に認められた演出家、検証公シナリオ」

「心象操作の達人の仕掛けですか」

「どんなプランなんだろう…」


『問題はその後だな』

『あぁ質量融合弾は見にまわるだろう』

『あれだけ無理して迎撃戦果0だからな』

「たしかに現状は打つ手なしと」

「指し手はそう判断すると」


『となると、此方だな』

『だろうな』

『コマインの指し手が無策な訳はあるまい』

「そっかぁそうなるんかぁ」

「つまりは罠があると」

「ふむ、風林火山自体を狙ってくるか」


『電磁波吸収は切らずにおくとしてだ』

『問題は速度だな?05で駆け抜けるか?』

『いや、0.001まで減速しよう』

『そこまで落とすのか?宙間戦闘速度域じゃないか、理由は?』

『ない、だからだ』

『なるほどな』

「思い切りますね」

「これが生き残る方の判断ですか」


『寄らずに第5に行ければよいんだが』

『オーダーにも戦果確認と直後動向調査がくっついてるからな』

「行かないわけにもいかないと」

「そこに罠があったとしてもかぁ」


『しばらくは2交代だな』

『ウタが拗ねるな』

『このプランのもっとも大きな問題だ…』

『健闘を期待する』

「仲良すぎる班の班長って大変なんだな…」「そうですわね…」

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