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第41話 仕様だ、転移公だけでなく専門家が皆してそう言う

「とまぁ、かように防人艦隊と地上軍は

他に類を見ないほどに確固とした絆を結んでいる」

「そら、あんな過去があれば…」

「当然そうなりますよね…」


「そして2種も粗略に扱われるようなことは殆どない、

罪人であり贖罪を強制されているとはいえ、

意思なき物言わぬとはいえ、

それでも戦友に変わりはないのだ、

その上、真の戦友たる諸君らの知人親類縁者なのであるからな?

そして、その死を無駄にすることを最も嫌うのが、

誇り高き我らが帝国地上軍なのだ」

「そして地上軍の先輩らは夢を見続けると…揺り籠の中で…」


「そうだ、そしてその揺り籠は地上戦中、

専用船から降ろし拠点艦の芯部中央倉庫に設置される。

当然だ、最も防御力のある艦なのだからな?」

「今の家族と過去の知人親類縁者に死地を共にする戦友」

「そうだ、その全てが詰まっているのが地上戦中の拠点艦だ」

「先輩らが命を消費してでも守る価値のある艦ということか…」


「さてこの50年の主役は地上軍と強襲独行艦、この二つだ。

そして地上軍について最低限の事は理解できたろう?』

(((((((((こくり)))))))))


「ならば、次は強襲独行艦だ。

そうだな初期の通商破壊戦の映像から見てもらおう、

強襲独行艦「風林火山」の任務風景だ」


ん?わりとこじんまりした艦橋?風景だな…

小型船船橋と航空機操縦席の中間みたいな感じか?

これも仮想空間上なのだろうか?


『転移魔法陣マナチャージング時間のこり120秒』

『転移リプレース事前チェック!!』

『スラスタ配分慣性出力0重力出力100』

『最大加速出力25%14G』

『電磁波吸収フィールドジェネレーター、起動準備完了』

『マナドライブフィールドジェネレーター、起動準備完了』

『アンテナ、前方8光秒、定点パッシブ継続観測準備完了』

『通常観測機器、パッシブ継続観測準備完了』

『事象マナ転化フィールドジェネレーター、停止準備完了』

『対消滅ジェネレーター、出力異常なし』

『主砲副砲、空間歪曲砲モード発砲準備完了』

『事前チェック問題なし』

『転移魔法陣マナチャージング時間のこり60秒』


うわぁ専門用語オンパレードだ…

わけわからんがノリで見ておくか…

そのうち解説あるだろう…


『さぁ最も危険な2時間の始まりだぞ?気合いれろよ?』

『『『『『あいあいよ~』』』』』

『最終目標は零時2群845番星系第5惑星の衛生軌道上地上観測!

第二目標は第7惑星衛生軌道上のプラント破壊!

韜晦目標は第9惑星の造船所だ!

最初は第9惑星だぞ!ナナキ間違えんなよ!』

『タケルこそ操船ミスらないでよね!』


韜晦目標って欺瞞航路ってやつか…

星系名がもう数字なんだな…


『転移魔法陣マナチャージング時間のこり5、4、3、2、1、0』

『思考加速10倍!』

『転移魔法陣マナ自己爆縮開始10、』

『転移魔法陣隠蔽術式崩壊開始10、』

カウントダウンはやはりドキドキわくわくするな~

『『9』』

『『8』』

『『7』』

『『6』』

『『5』』

『『4』』

『『3』』

『『2』』

『『1』』

『『リプレース!!』』

『転移魔法陣の霧散を確認!!ナナキ!!』

なんかモニタ見るに周囲を光の粒子が舞ってんだけども?

『通常観測機器必要データ取得を確認!!ウタ!!』

『アンテナ出したよ!!ナナキ!!』

『座標位置慣性情報出たわ!!

しっかり845番星3.1光日公転軌道に乗ってる!!シン!!』

『0.5光秒圏に動体電磁波源検出なし!!副長!!』

『第9惑星韜晦軌道算出完了!タケル!!』

なんかめっさ忙しないんだが?

『回頭開始、終了まで5…

4…

3…

2…

1…

…終了!!シン!!』

『5光秒圏に動体電磁波源検出なし!!班長!!』

『加速開始、

…1G

…2

…4

…6G!!シン!!』

『10光秒圏に動体電磁波源検出なし!!ヤマトさん!!』

なんかもう流れるように処理対応がリレーされてくなぁ…

『事象マナ転化フィールドジェネレーター

停止開始、5、

…4

…3

…2

…1

…停止!!シン!!』

『15光秒圏に動体電磁波源検出なし!!シズネさん!!』

『電磁波吸収フィールドジェネレーター、起動開始

フィールド展開終了まで5、

…4

…3

…2

…1

…展開終了!!班長!!』

『加速停止開始、

…4

…2

…0G!!ナナキ!!』

『第7惑星襲撃軌道算出完了!タケル!!』

『回頭開始、終了まで5、

…4

…3

…2

…1

…終了、加速開始、

…1G

…2

…4

…6

…8

…10

…12

…14G!!ウタ!!』

『アンテナ観測隠蔽性評価…95だよ!!』

『思考加速オフ!!ふぅ、だいぶイージーなリプレースだったな』


あ~ここまでが敵対星系への転移に伴う一連の作業なんか~


『えぇ、3.1光日公転軌道でコレなら充分に幸運ね』

『まったくだ、毎回こうであればいいんだがなぁ、

各自、起動待機中の保険の火を落としてくれ、

ウタは前後8光秒位置に追従モードで

パッシブ早期警戒アンテナな』

『『『『『あいあいよ~』』』』』

『第7惑星までは6日かナナキ?』

『そうね6日よ、タケル』

『第7から第5までが3日か、7回は襲撃できるか』

『そうね、だけども』

『バレるな、5回だな』

『そのあたりよね、欲張らずにいきましょう』

『だな、じゃぁみんな5日間は自動航行だ、ゆっくりしよう』

『『『『『あいあいよ~』』』』』


オフモードはわりとユルユルっぽいな?


「これが敵地偵察の実際の星間転移前後の風景だ」

「転移後?30秒間くらい?の緊迫感は何事?」

「まるで戦闘中かのような切迫感でしたわね?」

第8分隊長クロノ中尉と第3分隊長オオトリ中尉か、

まぁ理由は気になるよな。


「ふむ言うなれば見られるからだな?

転移完了、これをリプレースと呼称するが、

その10秒前から、

電磁波吸収フィールド展開終了する瞬間までは、

監視小惑星がその様を上下から確実に捉えるからだ。

まぁ30日後なんだがな?」

「あ~在るんだったな…」

「それで色々と小細工」


「そうだ、偽の進路に偽の加速度だな?

このように8光秒圏内どころか15光秒圏内にも敵がいなければ、

その程度の小細工で済むわけだ」

「ん?けど3光日公転なんだろ?

主星方向からは3日で観測されるんじゃないのか?」


「うむ、観測はされるが概ね水平方向からの観測だからな?

あの程度の時間では、いる事がわかるくらいで

進路や加速度の正確なところはわからんままだ」

「あぁ~だから上下なんか」

あ~位置関係の角度的な問題か~


「うむ、元々が早期警戒というより事後分析用っぽいからな?

その上で星間通信の中継器なわけだ」

「だから30光日か」

確かに30日後という時間感覚で設置されてるものだしなぁ。


「惑星地表や各惑星衛生軌道上の施設にも、

超空間通信設備があったりするんだが、

こちらは星系内連絡用のようでな?

おそらくは情報漏洩対策として、

星間通信はできない仕様で他星系情報も持たせていない。

加えて監視小惑星の露見を恐れてか、

そっちとのやり取りの上り方向は超空間通信ではなく、

通常の広域電磁波でやっていた」

「そして30光日を気にして行動すると」

「ん?なら気づいていることに気付かれるんじゃないか?」

たしかに第2分隊長クロカゼ中尉よ、

キッチリ行動するとバレかねないよなぁ。


「ホプル戦場上がりの探査独行艦が、

盾上がりとは違い、実績を積んでいたからな?

その点は30日に拘りすぎなければ大丈夫だ」

「ん?どういうことですぅ?」

状況に合わせて滞在予定を前後に散らすだけではあるんだけども…

わりと難しい判断が要求されそうだな…


「実はな?コマイン星系よりホプル星系の方が、

個艦潜入探査に関しては難易度が高いんだよ?」

「あ~マナ通信のせいでか」

「あっそうでしたね、ホプルは通信に距離は問題ないのでした」

見つかれば星系中に一斉に知られるわけだからな…


「個艦相手なら物量戦が有効的に効くしな?」

「なるほどですぅ」

「しかし、そんなに神経質になるほど輝くのか?」

「そうだぞ?ふむちょうどよい、

8光秒先の定点アンテナから見た

リプレース8秒前からの転移先立体魔法陣が映ってるぞ?」

「それは見たい」「見たいですぅ」「知っておきたいですね」「必見」


「ふむ、では等倍と拡大を合わせて同時だな、

これが隠蔽術式崩壊開始2秒後とリプレースした風林火山だ」


(ぺかぁ)

「うっわ…まじか字の中に字があるじゃん」

「模様も同じく多段入れ子構造?4段くらいはこれでも見えますね」

「球自体も5層?互い違いに回ってるし?」

「等倍映像でもゆらゆら光ってるのわかりますね…すでに…」


(ぺぺかぁぁ)

「まって?字に模様に沿ってオーロラみたく光始めたんだが?」

「綺麗ですけども?必要性は?」


(ぺぺっかぁぁああ)

「拡大まっしろに~あっ引きました~」

「荘厳に光り輝いてますね…」

「光のカーテンの塊ですね?これ敵地潜入でしたよね?」

「等倍映像でもオーロラ見えてきましたね…」


(べべっかぁぁぁぁあ”あ”)

「拡大まっしろに~あっ引きました~」

「これ等倍じゃないですか…拡大映像が等倍と同じ映像になりましたよ…」

「実に神秘的かつ荘厳な光景だな、敵地潜入だが」


(ほわぁぁぁぁあ)

「あっさらに拡大しました!!魔法陣が粉雪のように!!あっというまに解けました!!」

「そして其処にはフネがいると」

「舞消える光の粉雪の中を飛び出すフネ」

「実に素晴らしい光景だな、感動的ですらある」

「敵地潜入ですのよ」


「ハム公これマジなん?」

「仕様だ、転移公だけでなく専門家が皆してそう言う」



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