第2話 鬼軍曹になれといっている
「では自己紹介といこうか?」
くっそ性格の悪いハムスターめぇぇぇ
(ニヤニヤ)
「魂魄式AIのハム公だ、よろしくな?」
「名前どうにかしろよ!!」
「本名は帝国機密指定でな、悪いな?」
ぐぅぅ真偽判断できんからこれ以上文句も言えんが!!
「さてコイツの趣味の自己紹介一式も終わったし今後の説明に移ろうか」
趣味なんかよ!!
「まてまて名付けが済んでないぞ?」
「あー忘れたい記憶だから忘れてたな、仕方がない役目を頼む」
名付け親がコイツとか最悪だな!!
(ニヤァ)
「君の名はショータ・コンドーだ、良い名だろ?」
んん?割と普通だな普通だ
「さて今後の説明だ」
「了解した上官殿」
「シブヤ編隊長もしくは編隊長とでも呼んでくれ」
「了解した編隊長」
「ショータ、君には4隻編成の分隊長になってもらう予定だ」
「はい?」
いきなり分隊長?とかブラック臭が凄いんですが…
「編隊は10個分隊でな、私の艦の6名以外は全員新兵だ」
「は?」
おおぅもう…ブラック臭が深まるばかりなんですが?
「新造艦隊なもんでな、
今は9人の分隊長の初期面談をこうやってしているわけだ」
「はぁ」
同じ境遇の方が8人いると…1人じゃないって素晴らしきかな。
「この9名の現代社会適応教育をこれから1週間行う」
「なるほど?」
3000年は未来なわけだからか?どうなっとるのやら。
「その後3週間は白兵戦教練だ、よろこべ魔法がつかえるぞ」
「中世ファンタジーじゃないんですよね?」
このちょくちょく出てくる中世ファンタジー感はどゆこと?
「あぁスペースオペラだ、それも種族殲滅戦モノだ、残念なことに」
「マジっすか」
殲滅戦ってあまりに不穏すぎる単語ですね?
目が遠くなりますですハイ。
「基本的に全員がフォースの使い手みたいなもんだ」
「ほんとっすか」
わかりやすい表現すね、つまりはアレのクローン兵みたいなものと。
「ちなみに帝国人地上軍兵士はリアル戦闘民族だ、全員が」
「あっはい」
まって?そんな強者ばかりなんに、
我らクローン兵たる贖罪兵も必要なの?
「君には搭乗艦に同乗する直属の部下5名がつく」
「はぁ」
さすがは3000年先の未来?1艦で6名と。
「君も含めてこの6名が基本単位であり運命共同体である君の班だ」
「なるほど?」
その表現、冒険者のパーティですか?さらに深まる中世色。
「つまり君は班長だ、そして分隊長でもある」
「班長…艦長ではなく…」
パーティリーダーですね?レイドパーティリーダーなんですね?
「であるから3隻の分隊艦で3班18名、
これも君の指揮下におかれる」
「ふむふむ」
レイドパーティーってやつですね?オンゲなの?
「このうち自班員5名と班長3人の
初期面談と以降の教育は君にやってもらう」
「はぇ?」
一気に深まるブラック臭!!
奴隷同然の身とはいえ帝国の現状に不安になるんだが?
「コイツがサポートするから問題ない、
君への教育も含めて教育実務面はコイツがやる」
「教官と呼んでもよいんだぞ?」
「マジかよ…」
このハムスターに師事する事になるのかよ…
「とまぁそんなわけで9人の分隊長だけ白兵戦教練を行う」
「揉め事を鎮める役回りですか…」
うわぁ…ブラック中間管理職とか初っ端から容赦がねぇ。
「そうだ、他は魔力暴走しない程度の簡易制御教練のみだ」
「なるほど」
状況がもう鬼軍曹になれと言ってるじゃん…。
「白兵戦教練自体は教育期間終了後に
各自受講が解禁される」
うわぁ後の闇討ち要素ぶっこんできたぁ。
「…なるほど上手いこと立ち回れと」
「そういうことだ、6週間目からは全員そろっての座学だ」
即答で肯定された…即答で…
軍曹任官拒否権はありませんよねぇぇぇ。
「…ふむ」
「9週目からは操艦や射撃などの適正を確認する為
の基礎シミュレーション実習だ」
一気に学園モノ臭が?
「…なるほど」
「12週目以降は実艦を使用した訓練、
24週目に艦隊としての初回練習航海だ」
帰ってきたSF色!おかえりっ!!
「…ほう」
「目的地は太陽系だ、既に退役した先達に会えるぞ」
ご褒美の披露会なんですね?わかりますん…。
「おぉう、それはまた…」
「その後は北天6時帝国門要塞に向かう」
んん?固有地名でたからクるかと思ったが…。
脳内情報量テロ来ないな。
「ふむ?」
「到着後はホプル戦域人類圏外ホプル制圧作戦『実戦演習』に参加だ」
実戦なの?演習なの?どっちよ?
「…実戦ですか」
「そうだ、以降は流れ次第だが、
最終的にはコマイン戦域のどこかの星系に本配属だろうな」
新兵ばかりの新造艦隊が半年で実戦投入…帝国は大丈夫なんですか?
「…展開はやいですね」
「そうだ、その必要があるからな、
今後の予定は概ねこんなとこだ、理解したか?」
またも即答で…即答で肯定されるっ
「…はい、ある程度は」
「では今日のところは私からは以上だ、
あとはコイツが面倒を見てくれる」
「コイツが?」
「趣味は最悪だが有能でな、なぁ今何人の新兵の面倒見てるんだ?」
「うん?今この瞬間の会話相手は新兵だけで50万人くらいか?」
コイツめっさ仕事しよる…
「まじかぁ」
「うむ、ほれ頭を出せ
、手乗り分体を渡してやろう、こっちはかわいいだろ?」
「可愛いのは姿だけなんだろ…」
「まぁ、そうだな」
「そうか?一周回って中身も可愛くないか?」
「「ないわ」」