第27話 途絶えたら修羅の地になるがな
「独行艦の解説は概ねこんなところだ、
次は帝国の国土関係の解説をしておこう。
それに歴史教育も5日目だ、
だいぶ植え込み知識の引き出しにも慣れてきたしな」
「そういえば?確かに最初より負担が?」
「たしかに言われればそうですね?」
第7分隊長カルイザワ中尉と第7分隊長カルイザワ中尉のいうとおり、
たいして頭痛を感じなくなってるな…
「うむ、そんなもんだ。
さて帝国国土はちょこちょこ解説してきたが
一覧にするとこんな感じだ」
(ぶぅんっ)
タウ星起点20光年内星系を帝国中核領域(解説済)
タウ星起点20光年~200光年内星系を帝国中央領域
タウ星起点200光年~500光年内星系を帝国本土領域
タウ星起点4時6時8時方向500~1000光年星系を帝国辺境領域(解説済)
タウ星起点10時0時2時方向500~1000光年星系を帝国開拓領域(解説済)
タウ星起点1000~2000光年星系を帝国防衛縦深領域
タウ星起点北天4時6時8時方向2000光年以上星系をホプル戦域
タウ星起点10時0時2時方向1500光年以上星系をコマイン戦域(解説済)
「一度解説している部分があるが
今だからこそ見えてくるものがあろうから、
再度解説しつつ上から全部解説するからな?」
ティネム帝が定義してたやつか…
「あ~確かにつまみ食いな感じになってるな」
「なるほど今ならわりと理解できると」
「…納得」
「そういうことだ、『帝国中核領域』」
タウ星起点20光年内星系
マナトリガー型空間跳躍式転移実用化(西暦4560年魔導帝国歴960年)
以前の帝国領域である60星系59惑星を意味する。
帝国の中核領域である。
タウ星系以外の星系は、
官と軍の大規模施設群が居住区を圧迫しており、
1惑星あたりの人口は20億程度である。
「つまりはココで大量に建造しているんですね?」
「あの数を建造するために古い区画を軒並み造船所にしたと」
「うむ、そういうことだタウ星系とは転移1回で済むしな」
ほとんどが工廠と軍事基地な訳か…
「地上軍も?」
「もちろんだ、装備品製造も練兵もここで行われる」
徹底してるなぁ…
「贖罪兵はグルームブリッジ?」
「贖罪兵は宇宙軍も地上軍もグルームブリッジだ、
というか、今我々がいるのはグルームブリッジだ」
「えっ?そうなの?」
「……そう」
「そうなんですね」
因縁深い星系…なんだろうな…我らにとって…
「うむ、他にはないか?……では次に移ろうか、
『帝国中央領域』」
タウ星起点20光年~200光年内星系
マナトリガー型空間跳躍式転移実用化(西暦4560年魔導帝国歴960年)
以降の帝国植民領域であり、
1惑星あたりの人口は50億を超えているが、
過密化を避けるため移民による人口抑制策がとられている。
「帝国の人口の中心はココなんですね?」
「うむ、そうだな?そうなっている」
中心を過疎化させてるわけだからなぁ。
「50億で抑えているんですか?」
「うむ、地球のように穴だらけにならんようにな?」
「あ~だからなんですか」
分散均等開発指向というべきなんかな?
「それに居住区も全地下というわけではなくてな、
マナ生態系と共存する形でなら地表居住区も許されているぞ?
浮遊系は万年マナ貧乏の帝国では許されないがな?」
「ほう?どういった感じでだ?」
「巨大樹系居住区と断崖系居住区に螺旋塔系居住区だな」
「住んでる人種がなんとなくわかるなぁ…」
ファンタジー人種セットだからなぁ…
「と思うだろ?これが結構混在しているんだ、
というか螺旋塔系居住区がどの人種でも一番人気でなぁ」
「どんななんだ?」
字面からすると狭そうな感じだが?
「だいたいは幅1kmで緩やかな斜度で、
高さ3000mまで螺旋状にした幅広の塔だな」
「あ~螺旋台地に緩やかに水が流れるマナ生態系?]
「ふむぅとなると壁面に居住区か?」
螺旋塔ってより螺旋状台地だな…この規模感…
「そういうことだな、実際の映像がこれだ」
「そら人気になるわなぁ」
「ロマン溢れる居住区ですぅ」
「……絶景」
「ん?動物も結構いるんですね?」
第2分隊長クロカゼ中尉と第6分隊長マキバ中尉、
第10分隊長オトナシ中尉にヒットしたかw
「うむ、生態公が苦心して創りあげた、
マナ生態系のメンテナー達だ」
「あぁ、潜航艇開発止められて号泣した方ですね…」
あぁあったなそんなエピソード…
第4分隊長ナカニワ中尉はよく覚えてたなぁ。
「あの時は大変だった……
ちなみに内部海天体のマナ生態系は動物中心だぞ?」
「ほぇ~環境によって違うんですね」
「そこらへんは流石の手腕だからな、
唯一の欠点は気中マナ濃度が高すぎると
狂暴化するところだな」
「えっ?大丈夫なんですの?それは?」
突然のファンタジー要素…それ魔物って言うんじゃないのか?
「気中マナ収集が途絶えない限りは問題ないぞ?
途絶えたら修羅の地になるがな」
「えぇぇぇ……」
やっぱ魔物じゃないか…ホプルとたいして変わらんのでは…
「まぁ言っても動物だからな、そうなってもさして問題にならんよ」
「フラグっぽいセリフだ…」
「大丈夫だ、問題ない…とでも言っておくか?」
突然にそんなネタで返されても…
突然の帝国面の衝撃から皆して立ち直り切れてないわ…
「さて他にはないか?…………では次に移ろうか、
『帝国本土領域』」
タウ星起点200光年~500光年内星系
帝国門実用化(西暦4903年魔導帝国歴1303年)
以降の帝国植民領域であり、
1惑星当たりの人口は10億あたりであるが、
中央からの移民受け入れを強く推進しており、
その人口増加率は著しいものがある。
「帝国の成長力の源泉はココなのですね?」
「うむ、現状はこの領域がその役目を担っているな」
活気のありそうな領域だなぁ
「ふむ、どんな開発手順なんだ?」
「フォーミング中に造成しておいた、
各地表居住区用地形を起点に拡げていく感じだな」
なるほど…緑化前に造成しておくわけか。
「宙港は?」
「基本的にはないな、各地表居住区用地形の中央に、
資源工業製品流通用があるくらいだ、
人の移動は軌道上の宇宙港に直接転移だな」
「あ~人の移動は転移ですませるのか~」
あ~だった…そもそもの転移システムが、
地表と軌道の往還手段だったな…
「うむ、人の移動程度なら、
対消滅ジェネレーターでいくらでもできるからな?
あと個人の移動速度が高いので、
細かい距離用の屋外移動手段も不要だからな?」
「どういうこと?」
「飛ぶか走ればよい」
「えぇぇぇ……」
「白兵戦教練に入れば理解できるだろう」
「どういうことなの……」
「他にはないか?…………では次に移ろう、
『帝国辺境領域』」
タウ星起点4時6時8時方向500~1000光年星系
対ホプル制圧作戦「森林開拓」完遂(西暦5701年魔導銀河帝国歴451年)
北天4時6時8時方向人類圏外ホプル制圧作戦「実戦演習」始動
以降の帝国植民領域であり、
1星系当たりの人口は1億以下である。
テラフォーミング中、直後の惑星が大多数であり、
主居留地は宇宙空間上である。
星系政府自体が配属植民星系艦隊旗艦内円筒コロニーにある星系も少なくない。
しかし帝国門を経由することで時間的には本土より帝国中核に近い星系も多く、
民間を中心に大規模な投資が行われている。
帝都帝国門の流通を圧迫している最も大きな要因である。
「本土領域が今代の為なら、辺境は次代の為ですの?」
「そういうことになるな」
前に出てきたトコか…まさに発展初期段階という感じか。
第3分隊長オオトリ中尉は世代間継承にわりと拘りあるんかな?
「帝国門のおかげで経済的に有望な星系も多いんだ?」
「そうだな、各帝国門から50光年内の星系などは大人気だ」
第7分隊長カルイザワ中尉は流石は元飲食店店長か。
「時間的には中核領域とさして変わらないと?」
「うむ、帝国門を挟むだけだからな?
次代になる頃にはこの3つの帝国門の周囲は、
副都のようになっているだろう」
たしかに移動時間が変わらなければそうなるか~
「それで大人気と」
「大人気なりに問題もでてくるがな?」
「どんな問題が?」
「ふむ、ここまでが明確な民間領域だな、
開拓領域は民間というより半軍属とも言えるから
キリもいいところだし、その問題について解説を挟もうか」




