第216話 どうにもならなかったらそうするが、まぁだいたいは掃討する
「一連の地上兵器開発、その流れをみてもらった訳だが、何か質問はあるか?」
「Mタンクは現役って話だが?」
「うむ、あれは今も移動拠点として活用されている」
「低速なのに?」
「鎧にも対応した塹壕構造が高く評価されている」
「防御力が高いからか?」
「それもあるが応急治癒魔法を使う場所として評価されている」
「そうか…落ち着いて治癒魔法を使う場所がなかったのか」
「加えて機体サイズに見合わぬマナ転化容量と殲滅力だな」
「マナ転化ジェネの塊みたいなものだからな」
「機動砲艦の10TJにたいして500TJですものね」
「鎧や動力装具が塹壕に籠ればその殲滅力はさらに跳ね上がる」
「ということはいまだに出番がある…」
「そうなるな…どういうことなんだ?」
「うむ、地殻破砕ドクトリンを適用した星系、
その原始惑星と化した溶岩惑星の運用で必要になる」
「溶岩惑星を?どう運用するんですぅ?」
「ほえ~それ運用するんだ~」
「星系外縁にもっていき氷を落として冷やしつつ、
冷えて氷惑星になったら、星系内縁に持っていき、
海洋惑星にしてマナ生態系でマナ牧場にする」
「ふむ、なるほど、手間はかかるが資源化はできるのか」
「あくまで科学文明に必要な元素がスカスカなだけだからか」
「うむ、有機生物の繁殖には大きな問題はなかった」
「氷は?どうしたんだ?氷惑星も溶岩惑星にしたんだろ?」
「そうでしたね、どうしたんです?」
「消える訳ではないからな、だいたいが輪になって近傍に存在してた」
「なるほど、それを落としていけばってことか」
「つまりは地殻と海を再構成」
「…侵略可能惑星」
「そうだ、海洋惑星化した時点でそれなりの戦力で降下してくる事になる」
「その排除に地上戦が必要になるわけか」
「せっかく再構築した地殻と海洋を簡単には焼き払えないか」
「どうにもならなかったらそうするが、まぁだいたいは掃討する」
「つまりは地上戦というわけか」
「他に質問はないか?」
「鎧と動力装具が現役なのもなんとなくわかったが…2脚は?」
「ふむ…惜しまれつつも全機退役した」
「やはりか…」
「40G機動の機体だものな…」
「斥力ブースト含め高機動鎧の方が…」
「察しの通りだ、理由はソレになる」
「それじゃぁ機動兵器兵団は解散ですか?」
「それに近いな、今は機動兵器試験兵団になっている」
「Mタンクは?」
「Mタンクも地上軍に移管、遠隔操作システムは総司令部預かりだ」
「操縦手たちはどうしたんです?」
「試験兵団に残るか、鎧を着て歩兵中隊だな」
「あっドワーフも歩兵になれるようになったんですね」
「うむ、体格の問題がでる装備ではないからな」
「試験兵団ってことは中量2脚系譜の後継機開発は継続してるのか?」
「うむ、もっぱら慣性制御術式の改良を試みているようだな」
「あぁなるほど、動力装具を大型化できないかの検討ですね」
「なかなかハードルは高そうだな」
「海洋惑星化した惑星で地上戦ってことだけど、どこに地上兵が?」
「うむ、拠点艦だ、1個大隊が常駐するようになった」
「大隊って確か…」
「1024名だったか」
「うむ、本部16名4歩兵中隊1火力中隊1工兵中隊1補給中隊だ」
「一般師団なのか?」
「いや、贖罪兵2種は既に枯渇気味だ、貴重な戦力を割けなかった」
「うん?となると精鋭師団?」
「ちがうな、贖罪兵2種の代わりに帝国本国人の新兵を突っ込んだ」
「じゃぁ火力中隊とかは精鋭?」
「いやこちらも4小隊中3小隊は新兵だ」
「つまりは新編大隊?」
「というより拠点艦専属大隊だ、指揮権が拠点艦指揮班長にある」
「ふむ、なかなかに複雑な立ち位置の大隊だな…」
「さすがに師団は置けなかった、新兵で水増しした大隊が精一杯だ」
「じゃぁMタンクは?」
「ドンガラ船改造の強襲降下艦2隻の中だ」
「拠点艦1隻で地上戦までカバーするようになったんだな」
「それもこれも鎧のおかげだな、なければ大隊程度は気休めだからな?」
「確かにな」「なっとくですぅ」
「さてMタンクから始まった系譜、
MタンクS、
MタンクC、
軽量2脚、
中量2脚、
汎用型鎧、
アセンブル鎧、
動力装具、
技術的にも時系列でも繋がっている。
つまりだ、順番に完成したということだ」
「確かにそれぞれで半年以上や1年という数字がでてたな」
「あれ?戦場の状況はもっと切迫してなかったか?」
「ですね、シャーサさんたちは?」
「そう間に合ったのは中量2脚までだった」




