第20話 とまぁそんなわけでココから10年ほど帝国は大混乱した
「艦隊編成について解説を終えたことだし本題の解説だ、
まずは帝国艦隊統合再整備計画からだ」
「いろいろありましたね?」
「うむ、そうだ、
各ゲート10個本土艦隊配備計画
帝都60個本土艦隊配備計画
各植民星系艦隊配備計画
これらの計画の総称になる、内容は字面通りだ」
「……新規帝国門12基と」
「……270個本土艦隊に」
「……植民星系数分の植民星系艦隊」
「うむ、当座の帝国本土領域防衛戦力だな」
「これはまた大変だ」
「うむ大変だった、そう予想されたからこその」
「防人屯田兵計画」
「「「「「「「「「んっ」」」」」」」」」
「防人屯田兵制度」
防人艦隊維持のために生まれた制度。
防人艦隊配属先星系で防人艦隊自身で星系開拓を行い、
艦隊維持コストを長期的に自弁する制度である。
その上でも「文殊」と「根源」を帝国に依存することから、
この制度は成り立っていたが、
コマイン戦開始以降は戦力集中のため、
星系管制を独行艦に、
経済活動は民間委託と、
有名無実化している。
「要衝ではあるが距離があったり、想定戦場領域だったりで、
植民実施が控えられている星系の管理と防人艦隊のプールとして、
始められた制度だ、今は有名無実化してしまったがな」
「はぇ~そこまでするほどコストを抑えたかったと」
「そのとおりだ、これらの計画始動とともに贖罪兵も本運用開始された。
帝国の兵種として完全に認められたということだな。
では歴史の続きだ、西暦5451年」
「「「「「「「「「んっ」」」」」」」」」
魔導銀河帝国歴201年
ノース・0オクロックゲート星系(1423年G5V)
「北天0時帝国門要塞」完成
サウス・6オクロックゲート星系(1425年G5V)
「南天6時帝国門要塞」完成
サウス・4オクロックゲート星系(1431年G5V)
「南天4時帝国門要塞」建造開始
サウス・8オクロックゲート星系(1429年G5V)
「南天8時帝国門要塞」建造開始
「防人屯田兵」計画進捗10%
「帝国艦隊統合再整備計画」
各ゲート10個本土艦隊配備計画進捗10%
帝都60個本土艦隊配備計画進捗25%
各植民星系艦隊配備計画進捗10%
対ホプル制圧作戦「森林開拓」進捗
殲滅星系461(繁種源星系8)
戦場星系61
戦力展開確認済残存星系1225(繁種源星系3)
展開通常兵力定員数1億4000万
累計戦死者2023万
展開贖罪兵力定員数4000万
累計戦死者650万
「女帝の盾」進捗
ホプル繁種船撃墜数60147
エルフ総人口2200億
獣人総人口1700億
ドワーフ総人口2600億
ハイヒューマン総人口5500万人
地球型環境植民惑星590
フォーミング中惑星100
マナ産出内部海天体数5987
植民星系1094
人類圏重要非植民星系1014
到達星系12023
マナ日産量7兆5274億
「思ったよりも進捗ゆったりだな」
第2分隊長クロカゼ中尉のいうとおりだな50年で10%とかだし。
「えぇ確かにそうおもいますね」
第4分隊長ナカニワ中尉もそう感じたか。
「正解だ、社会不安を抑えるため、あえて建艦速度は控えている」
「なるほど雇用の問題やら?」
第7分隊長カルイザワ中尉が気になるのはソコで、
「帝国門との兼ね合いも?です?」
第4分隊長ナカニワ中尉 はソコ。
「建造ノウハウと造船環境の維持でも?ですね?」
第3分隊長オオトリ中尉はソコ。
「ふむ、軍人育成面でも?か?」
第5分隊長イクサバ中尉はソコか。
「そう、あわてて建艦する必要性はないからな」
「相手にはこちらを知られてないからか」
第2分隊長クロカゼ中尉のいうアドバンテージはデカいよなぁ。
「そういうことだな、そして西暦5501年」
「「「「「「「「「んっ」」」」」」」」」
魔導銀河帝国歴251年
サウス・4オクロックゲート星系(1431年G5V)
「南天4時帝国門要塞」完成
サウス・8オクロックゲート星系(1429年G5V)
「南天8時帝国門要塞」完成
サウス・2オクロックゲート星系(1423年G5V)
「南天2時帝国門要塞」建造開始
サウス・10オクロックゲート星系(1422年G5V)
「南天10時帝国門要塞」建造開始
「防人屯田兵」計画進捗20%
「帝国艦隊統合再整備計画」
各ゲート10個本土艦隊配備計画進捗20%
帝都60個本土艦隊配備計画進捗50%
各植民星系艦隊配備計画進捗20%
対ホプル制圧作戦「森林開拓」進捗
殲滅星系761(繁種源星系11)
戦場星系60
戦力展開確認済残存星系1225(繁種源星系0)
展開通常兵力定員数1億4000万
累計戦死者2053万
展開贖罪兵力定員数4000万
累計戦死者670万
「女帝の盾」進捗(進捗10%)
ホプル繁種船撃墜数90225
エルフ総人口2400億
獣人総人口1800億
ドワーフ総人口2700億
ハイヒューマン総人口5500万人
地球型環境植民惑星640
フォーミング中惑星50
マナ産出内部海天体数5987
植民星系1094
人類圏重要非植民星系1014
到達星系12023
マナ日産量8兆624億
「ようやっとこ確認済の繁種源星系を全て殲滅できた」
「それで女帝の盾に進捗の数字が」
「……新規供給がなくなったから?」
「うむ、そういうことだ、そして西暦5551年」
「「「「「「「「「んっ」」」」」」」」」
魔導銀河帝国歴301年
サウス・2オクロックゲート星系(1423年G5V)
「南天2時帝国門要塞」完成
サウス・10オクロックゲート星系(1422年G5V)
「南天10時帝国門要塞」完成
サウス・0オクロックゲート星系(1427年G5V)
「南天0時帝国門要塞」建造開始
単独行任務艦群艦隊司令部設立
500m以下級星間航行戦略偵察巡洋艦をベースにした
広範なカスタム仕様変更可能艦=独行艦の
運用システム完成
非人類圏到達済星系への独行艦全配備計画
「帝国の耳目」計画始動
「防人屯田兵」計画進捗30%
「帝国艦隊統合再整備計画」
各ゲート10個本土艦隊配備計画進捗40%
帝都60個本土艦隊配備計画進捗75%
各植民星系艦隊配備計画進捗30%
対ホプル制圧作戦「森林開拓」進捗
殲滅星系1061(繁種源星系11)
戦場星系60
戦力展開確認済残存星系925(繁種源星系0)
展開通常兵力定員数1億4000万
累計戦死者2073万
展開贖罪兵力定員数4000万
累計戦死者690万
「女帝の盾」進捗(進捗20%)
ホプル繁種船撃墜数181225
エルフ総人口2600億
獣人総人口1900億
ドワーフ総人口2900億
ハイヒューマン総人口5500万人
地球型環境植民惑星690
フォーミング中惑星0
マナ産出内部海天体数5987
植民星系1094
人類圏重要非植民星系1014
到達星系12023
マナ日産量8兆5974億
「植民星系艦隊の充足とともに、
女神の盾遂行もそちらに移行し始めて、
暇になり始めた長年単独で任務を行ってきた個性的な面子を
そろって帝国縦深領域に放り出すことにした」
「言い方っ」
「えらい辛口な扱いだなぁ」
「そいつらを纏めるのが単独行任務艦群艦隊司令部だ。
んで連中への餌が独行艦の運用システムだ、
連中、狂喜して食いついた」
「……超辛口」
「嫌悪を隠しもしてないぞ?」
「そんで連中が他に迷惑をかけないように
職場も大量確保しといた、それが帝国の耳目計画だ」
「辛辣計画」
「全部スルーされる我らがコメント……彼らは一体何をしたんだ……」
「そして帝国門1基分のリソースが空いた、西暦5601年」
「「「「「「「「「んっ」」」」」」」」」
魔導銀河帝国歴351年
サウス・0オクロックゲート星系(1427年G5V)
「南天0時帝国門要塞」完成
「防人屯田兵」計画進捗50%
「帝国艦隊統合再整備計画」
各ゲート10個本土艦隊配備計画進捗60%
帝都60個本土艦隊配備計画進捗100%
各植民星系艦隊配備計画進捗50%
「帝国の耳目」計画進捗50%
対ホプル制圧作戦「森林開拓」進捗
殲滅星系1361(繁種源星系11)
戦場星系60
戦力展開確認済残存星系625(繁種源星系0)
展開通常兵力定員数1億4000万
累計戦死者2073万
展開贖罪兵力定員数4000万
累計戦死者700万
「女帝の盾」進捗(進捗30%)
ホプル繁種船撃墜数271545
エルフ総人口2800億
獣人総人口2000億
ドワーフ総人口3000億
ハイヒューマン総人口5500万人
地球型環境植民惑星690
フォーミング中惑星0
マナ産出内部海天体数5987
植民星系1094
人類圏重要非植民星系1014
到達星系12023
マナ日産量8兆6274億
「建艦速度を増し、さらに空いたリソースで西暦5651年」
「「「「「「「「「んっ」」」」」」」」」
魔導銀河帝国歴401年
第二次エルフ人工増進政策始動
「防人屯田兵」計画進捗75%
「帝国艦隊統合再整備計画」
各ゲート10個本土艦隊配備計画進捗100%
帝都60個本土艦隊配備計画進捗100%
各植民星系艦隊配備計画進捗75%
「帝国の耳目」計画進捗100%
対ホプル制圧作戦「森林開拓」進捗
殲滅星系1661(繁種源星系11)
戦場星系60
戦力展開確認済残存星系325(繁種源星系0)
展開通常兵力定員数1億4000万
累計戦死者2083万
展開贖罪兵力定員数4000万
累計戦死者710万
「女帝の盾」進捗(進捗40%)
ホプル繁種船撃墜数361557
エルフ総人口2800億
獣人総人口2000億
ドワーフ総人口3000億
ハイヒューマン総人口5500万人
地球型環境植民惑星690
フォーミング中惑星0
マナ産出内部海天体数5987
植民星系1094
人類圏重要非植民星系1014
到達星系12023
マナ日産量8兆6274億
「全力で富国に振った、建艦も民間船に全振りに、
ひとまず本土領域内の目ぼしい惑星690が、
だいぶ前からフォーミング済だしな、
マナより人口を優先し始めた」
「なるほど~」
「そして西暦5701年」
「「「「「「「「「んっ」」」」」」」」」
魔導銀河帝国歴451年
北天4時6時8時方向人類圏外ホプル制圧作戦
「実戦演習」始動
展開戦力定数
本土艦隊9個
防人拠点艦50隻
植民星系艦隊母艦50隻
通常地上軍1000万
贖罪地上軍1000万
「防人屯田兵」計画進捗100%
「帝国艦隊統合再整備計画」
各ゲート10個本土艦隊配備計画進捗100%
帝都60個本土艦隊配備計画進捗100%
各植民星系艦隊配備計画進捗100%
「帝国の耳目」計画進捗100%
対ホプル制圧作戦「森林開拓」完遂
殲滅星系1986(繁種源星系11)
戦場星系0
戦力展開確認済残存星系0(繁種源星系0)
展開通常兵力定員数0
累計戦死者2093万
展開贖罪兵力定員数0万
累計戦死者720万
「女帝の盾」進捗(進捗70%)
ホプル繁種船撃墜数632134
エルフ総人口3600億
獣人総人口2100億
ドワーフ総人口3100億
ハイヒューマン総人口5500万人
地球型環境植民惑星690
フォーミング中惑星0
マナ産出内部海天体数5987
植民星系1094
人類圏重要非植民星系1014
到達星系12023
マナ日産量8兆7174億
「ついに人類圏つまりは、
タウ星起点~1000光年星系帝国開拓領域までの
全領域の安全を確保した、まぁ多少の繁種船は残しているが、
さしたる問題ではない」
「作戦開始から450年かぁ~」
「だいぶ時間をかけたんですね」
「うむ、これは社会に継続的な戦死者に慣れてもらう。
この狙いの為に作戦進捗をかなり制御したからだ」
「ふむぅ、戦時体制への漸進的な移行の為と」
「そうだ、遺族への補償手当支援策なども概ね纏まった、
年間20億の戦死者に耐えられるように社会体制は移行できた」
「また……すごい数字ですね」
「銀河の半分を領土とすることを目標としたのだ、これくらいはな?」
「そして全軍拡計画の完遂と」
「うむ、帝国の防衛体制はここに整った
そして実戦演習作戦始動を前にしてティネムは決断した」
「んん?なにを一体?」
「確かに唐突な気が」
「では映像を見てもらおう」
『帝国国民諸兄よ、
第四代女帝ティネム・スフームとしてここに宣言する、
我が帝国の防衛体制は人類圏のホプルの討滅をもって完成した。
これは戦いの終わりであると思う諸兄も多いだろう』
「一般国民視点だと……」
「そうなるのか……」
『だが不思議に思っていた諸兄も多いのではないか?
ホプル相手に帝国門計21基はあまりに過剰ではないか?
同じく270個本土艦隊はあまりに過剰ではないか?
同じく1094個植民星系艦隊はあまりに過剰ではないか?
同じく1014個防人艦隊はあまりに過剰ではないか?
同じくこれらを支える国力増強はあまりに過剰ではないか?』
「さすがにそれは結構な割合でいそうですね」
「うん、隠しようがないほどに過剰だもんな」
『そうだ!!圧倒的に過剰だ!!
1/10どころか1/100でも問題はなかった筈だ!!
今ここに!!このティネム・スフームが!!その事実を認めよう!!』
「えっ!?認めるの!?」
「宣言しちゃったですぅ……」
『では何故だっ!!何故にその暴挙を我らが成したのか!!
今ここに帝国機密指定レベルZの四つの記録と!!
敵対的純科学自己学習型AI文明のホプルレコード情報開示で!!
その答えを示そうではないか!!』
「えっここでそれを公開しちゃうの!?」
「上位存在案件を!?」
『我々は!!人類種存続のために!!
次の敵を討滅し!!その向こうの敵をも討滅し!!
銀河の半数を征さねばならない!!
我々!!帝国の!!真の戦争は未だ始まってさえいない!!』
「うわぁ全部ぶっちゃけた……」
「国民全部に覚悟を求めんのかよっ!?」
『今から50年後!!我らは踏み出す!!その強いられし覇道に!!
国民諸兄よ!!これから50年が!!人類種最後の平和と心得よ!!
その先に!!我ら人類種に平和は許されていない!!』
「うわぁ……うそぅ……」
「そこまでするんですのぅぅぅ」
『平和を享受する最後の人類種として!!
その幸運を大いに噛みしめ!!思う存分に享受したまえ!!』
「えぇぇぇ……あの映像を見た後に?」
「それを?できるとでも?こわいわぁ」
『そして!!国民諸兄らに先立ち!!
初の人類圏外遠征を担う!!
北天4時6時8時方向人類圏外ホプル制圧作戦参加艦隊に!!
いまここに!!このティネム・スフームが!!作戦開始を宣言する
我らが帝国の先鋒に栄光あれ!!』
「とまぁそんなわけでココから10年ほど帝国は大混乱した」
「「「「「「「「「………」」」」」」」」」




