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第19話 神はしっかりと欠点をアヤツにも与えていたということだ

「まずは帝国の誇るマナ喰らい金食い虫である、

本土艦隊について解説しようか?」

「ハム公が辛口ですぅ……」

「それで苦労しているからな、まずは艦隊の根幹たるこの艦からだ」

「先生」

「「「「「「「「「んっ」」」」」」」」」


20km以下級星間航行戦列戦艦199(人員2388)

全長19999m総質量4gt

ジェネレーター出力640EW

マナ転化フィールド最大出力640EJ

スラスター総入力5PW出力5G

マナクリスタルチャンバー数3200=3.2EWh

通称「先生」

直径1500m全長15km4門の艦首砲を束ね、

後ろに全長4kmの推進部4基

横断面中央隙間に対消滅ジェネレーター群と艦制御中枢を配し、

横断面外周隙間に事象マナ転化フィールドジェネレーターを4群配し、

その上にそれぞれ3連装旋回砲塔型戦艦主砲8基計32基、

艦首砲外周部には高機動目標対処用の

連装旋回砲塔駆逐艦主砲24基が4群、

さらに戦列艦級極小ゲート生成式測位アンテナが4基といった、

左右上下対称な造形の帝国主力火力艦。

徹底的な減量化低コスト化が図られており、

体積当たり重量は他艦の1/5まで下がっている、

それでもマナトリガー型空間跳躍式転移システム起動時に、

534億マナを最低限消費する事態となっており、

これを軽減するため希薄マナの存在寿命を必要分延長するために、

直径4kmの巨大な希薄マナ混合術式リングを艦後方に搭載している。

これにより必要出力99%を

対消滅ジェネレーター群由来の希薄マナに置き換え、

根源マナ消費を1/100に抑えている。

これは直径4.5km以上の艦船には必ず搭載されている。

耐機動性は非常に乏しい5G。

人員は基本の6名2班の12名


「全てにおいて艦首砲が先にある艦だ」

「でっか」

「これが…そっくりさん浮き砲台の元ネタ」

「これが200隻ですか……」

「意外に艦首砲以外は控えめ?に見えますね」

「どんな強力な防壁があろうと、

15光秒先から1撃でぶち抜く艦首砲が全てだからな。

それ以外の砲は必要最低限に抑えられている」

「……この規模だからこそ?」

「そうか量産のために」

「徹底してコストダウン」

「艦首砲をずらっと並べて問答無用に薙ぎ払うのが役割だからな」

「それで200隻」

「それで戦列艦」


「そしてこの艦をベースにした艦隊旗艦がこの艦だ」

「親分」

「「「「「「「「「んっ」」」」」」」」」


20km以下級星間航行艦隊旗艦1(人員200)

全長19999m総質量4gt

ジェネレーター出力320EW

マナ転化フィールド最大出力3200EJ

スラスター総入力5PW出力5G

マナクリスタルチャンバー数3200=3.2EWh

通称「親分」

艦型は戦列戦艦より艦首砲を廃し埋めただけのもの、

艦首砲の搭載無し代替として事象マナ転化フィールドジェネレーター増設し、

司令部要員を必要十分に増やしただけのシンプルな旗艦仕様。


「これはまた極端な」

「防御全振り」

「そうだ、全長20kmに全長60kmの卵に近しい数の

事象マナ転化フィールドジェネレーターを詰め込んだ。

艦首砲用の対消滅ジェネレーターまで降ろしている」

「なるほど巨艦だからこそ共有化まで図って」

「徹底したコストダウン」


「そういうことだ、艦隊直掩が任務のこの艦もそうだ」

「親鳥」

「「「「「「「「「んっ」」」」」」」」」


20km以下級星間航行憑依式無人艦載機母艦80(人員231360)

全長19999m総質量4gt

ジェネレーター出力320EW

マナ転化フィールド最大出力960EJ

スラスター総入力5PW出力5G

マナクリスタルチャンバー数3200=3.2EWh

通称「親鳥」

憑依式無人艦載機240機と

憑依式無人作業船10機を搭載運用する艦載機母艦。

戦列戦艦をベースにした設計で、

艦体最前部に巨大な憑依制御システム中枢が鎮座し、

艦体前部中央に広大な格納スペース、

艦体前部外周に全長5kmの重力式汎用カタパルトを8基、

その隙間に事象マナ転化フィールドジェネレーター8群、

その上に高機動目標対処用連装旋回砲塔駆逐艦主砲4基計32基、

艦体中央外周に8基の格納ハッチ、

艦体後部中央に対消滅ジェネレーター群と艦制御中枢を配し、

艦体後部外周に全長4kmの推進部が4基、

その上に直径5m全長50m砲身高機動目標対処用連装砲塔1基計4基、

高機動目標対処用連装旋回砲塔駆逐艦主砲2基計8基、

といった艦載機運用と重防御と高機動目標対処に重きをおいた艦、

耐機動性は5Gである。

最大の特色である憑依制御システム中枢は、

憑依術式を増幅し星系規模での

艦載機マナ遠隔操作を強引に実現している。

その為マナ消費量に製造コストとそのサイズが非常に大きく、

本土艦隊艦載機母艦と植民星系艦隊母艦にのみ搭載されている。

人員は基本の6名2班の12名。

艦載機要員として6名2班の12名が240群の計2892名。

艦載機要員は新人が中心であり、

帝国宇宙軍軍人の経歴スタートは概ねここからである。

作業船の操作は艦載機要員の持ち回りとなっている。


「無人機?」

「憑依式?」

「そうだ、本土艦隊がマナ喰らい金食い虫と言われる最大の理由だ、

2種の艦載機を運用している」

「内職労務」

「「「「「「「「「んっ」」」」」」」」」


50m以下級亜光速憑依式無人作業船800

全長49m総質量310t

ジェネレーター出力10TW

マナ転化フィールド最大出力10TJ

スラスター総入力40GW出力50G

マナクリスタルチャンバー数2=200TWh

通称「内職労務」

基幹部位以外を共通モジュール化して、

任務ごとにモジュール構成を変更し対応する非武装小型汎用作業船。

資源採掘採集現地精錬にマナ生態系育成などの各種天体地表降下作業と

船外修理や船外造船など多岐にわたる任務を遂行可能な憑依式無人作業船。


「これとコイツだ」

「手動ファンネル」

「「「「「「「「「んっ」」」」」」」」」


50m以下級亜光速憑依式無人艦載機19200

全長49m総質量310t

ジェネレーター出力20TW

マナ転化フィールド最大出力10TJ

スラスター総入力40GW出力50G

マナクリスタルチャンバー数4=400TWh

通称「手動ファンネル」

本土艦隊編成から駆逐艦を駆逐した、

50m以下級亜光速航行超高機動砲艦の憑依式無人機版

活動可能圏は星系規模だが憑依術式が母艦内でしか行えないため。

搭乗員の連続戦闘可能時間圏内でしか活動できない。

根源接続も母艦内でのみ可能。

極小ゲート生成式測位アンテナも使えないため、

母艦経由で他艦から諸元データを得る必要がある。

ただし不要になった有人用設備群は、

急速マナ充填機構に変更されており、

マナクリスタルチャンバーは2個仕様から4個仕様に拡充されている。

主砲への反物質充填連続可能回数は72射ほどである。


「とまぁこういうことだ」

「なるほど新人育成艦と」

「相手の40Gミサイルに対応できる

超高機動砲艦の損耗率がおそらく高いから?」

「そうだ、帝国国民籍軍人に無闇に死なれたら

諸君らとは違い帝国の社会コストが跳ね上がるからな?

バカ高い建造コストに大量根源マナ消費、制約の多い運用方式、

それらを受け入れてでも抑えたい部分だった」

「はぇ~そういう理由でか~」


「逆に諸君らの防人艦隊には問題が多すぎてな?

艦内容積を大きく圧迫して拠点艦としての汎用性を損なう、

制約の多い運用方式から

絶望的に開拓系諸任務と哨戒系任務に向かない。

と、試製拠点艦試験運用中の贖罪兵たちから、

猛烈に拒否された結果、防人艦隊拠点艦には載せてない」

「ふむ、実際に乗ってる先輩たちがそうするほどに向いてないと」

「うむ、実際に倉庫区画が大きい拠点艦に、

仮設置して試験してみた結果、

3日で突き返された」

「そこまで!?」


「以上の3艦種2艦載機が新たに本土艦隊編成に組み込まれた結果、

1個艦隊の編成内容も見直された」

「というと?」

「ぶっちゃけこの3艦種だけで戦列陣の維持と防衛はできる。

かわりに絶望的にいろんな意味で小回りが利かない」

「あ~たしかに~」

「でそこを埋めるのが既存艦なわけだ?」

「兄貴」

「「「「「「「「「んっ」」」」」」」」」


1000m以下級星間航行高機動戦艦200(人員2400)

全長999m総質量2500kt

ジェネレーター出力200PW

マナ転化フィールド最大出力200PJ

スラスター総入力50TW出力20G

マナクリスタルチャンバー数200=200PWh

通称「兄貴」

直径15m全長150m砲身低仰角連装砲塔を

上下頂部に1基ずつ計2基、

張り出した側面頂部に高機動目標対処用の

連装旋回砲塔駆逐艦主砲5基計10基、

さらに艦首に戦艦級極小ゲート生成式測位アンテナが1基、

豊富な艦内容積を活用した多数の高機動スラスターと、

耐機動性20Gに事象マナ転化フィールドジェネレーター、

といったシンプルな高機動戦闘用戦艦。

高機動戦隊の戦隊旗艦と火力担当。

1個戦隊は兄貴10隻エリート60隻である。

人員は基本の6名2班の12名


「エリートは以前に出したな?

500m以下級星間航行高機動巡洋艦1200(人員14400)

とはその艦のことだ」

「なる~駆逐艦で補うのではなく巡洋艦そのものを増やしたと」

「そうだ、理由は駆逐艦の損耗率だな、

超高機動砲艦並みとは言わないがやはり高い。

あらゆる箇所で中途半端な艦になりつつあった」

「……それだけ撃たれ弱い」

「そして、この70隻20個戦隊が艦隊の便利屋となる。

戦列戦時は迂回攻撃とその迎撃だな。

古代中世の騎兵の役回りだ」

「なるほど~」

「んで自活できる防人艦隊とは違い兵站が必要なので、

それを担うのがこの艦だな」

「スーパーどんがら」

「「「「「「「「「んっ」」」」」」」」」


1000m以下級星間航行汎用戦場作業艦200(人員2400)

全長999m総質量1000~2500kt

ジェネレーター出力100PW

マナ転化フィールド最大出力40PJ

スラスター総入力50TW出力20G

マナクリスタルチャンバー数100=100PWh

通称「スーパーどんがら」

基幹部位以外を共通モジュール化して、

任務ごとにモジュール構成を変更し対応する汎用作業艦。

輸送から採掘採集精錬はては機動降下母艦まで、

広範な任務を担うが「艦」である「船」ではない。

直径5m全長50m砲身低仰角連装砲塔を左右頂部に1基ずつ計2基、

上下頂部に高機動目標対処用連装旋回砲塔駆逐艦主砲3基計6基、

耐機動性も20Gであり、

その他も高機動巡洋艦と同等の水準をもっている。

立派な戦闘艦である。

人員は基本の6名2班の12名


「まっいろいろと出来はするが、基本は輸送か倉庫代わりだ、

侵攻時は機動降下母艦をすることもあるが、

そっちは地上軍籍のコイツが担うのが基本だ」

「地上軍でも持っているのですね」

「訓練で使ったり、地上軍拠点設営に使ったりと大人気なのでな?

もう持たせた方がはやかろうということでな」

「なるほどです!!」


「それに防人艦隊でも使っているエース艦、

500m以下級星間航行戦略偵察巡洋艦120(人員1440)

で本土艦隊の編成は全部だ。

総勢2000隻人員総数は254,588名だ」

「脳筋を近づけるな、光よりも早く狙い撃て、

艦内に入れるな、2度と艦内白兵戦はしない、それが帝国艦隊になったわけですね」


「うむ、そのとおりだ、そしてこの編成内容が纏まったことで、

拠点艦の要求仕様と設計仕様も一本化できた」

「というと?」

「戦列戦艦単艦運用に必要なものを全て放り込んだのが、

今ある拠点艦の原型だ」

「なるほど~」

「で、自活までは求めない植民星系艦隊だとこうなる」

「植民星系艦隊」

「「「「「「「「「んっ」」」」」」」」」


1個「植民星系艦隊」編成71隻(人員10000)


40km以下級星間航行艦隊母艦1(人員9759)

全長39999m総質量134~192gt

ジェネレーター出力3720EW

マナ転化フィールド最大出力1400EJ

スラスター総入力240PW出力5G

マナクリスタルチャンバー数18600=18.6EWh

通称「本国卵」

優秀なコストパフォーマンスを示した拠点艦艦隊を

植民星系に適合して再構築した結果うまれた艦種。

卵から星系政府が代替できる部分を排していった結果である。

武装は卵に人員構成もほぼ同じである。

芯部は艦首砲15kmに円筒コロニー

(最大収容人数は20万のまま)は全長5kmに短縮。

追加された憑依制御システム中枢と艦制御中枢は、

10kmに推進部は5kmの全長35kmとなり、

外殻部の非戦闘区画で残されたのは、

港湾造船設備と精錬施設に倉庫群。

空いた容積に芯部からはみ出た分の

各種ジェネレーター群と推進部を詰め込んでも、

なお余裕があったため上下の厚みを12kmまで薄くし、

外殻分割構造を上下2分割とし、

港湾設備も多層構造化を進めてさらなる小型化に成功。

戦闘形態時全長40km全幅20km全高12kmの艦形に辿り着いた。

耐機動性は5Gである。


500m以下級亜光速航行戦列砲艦10(人員60)

防人艦隊と同様である

500m以下級星間航行戦略偵察巡洋艦4(人員24)

防人艦隊と同様である

200m以下級亜光速航行高機動巡洋艦20(人員120)

防人艦隊と同様である

100m以下級亜光速航行高機動駆逐艦20(人員120)

防人艦隊と同様である

500m以下級星間航行標準汎用作業船16(人員96)

防人艦隊と同様であるがその主な任務は輸送である


艦載機級


50m以下級亜光速憑依式無人艦載機160

本土艦隊と同様である

50m以下級亜光速憑依式無人作業船80

本土艦隊と同様である


「……本国卵」

「うむ、こちらは艦隊数が植民星系数と同義のなのでな?

本国軍人の新兵教育と半予備役扱いの老齢軍人で運用されている。

任務も星系哨戒防衛と資源採集に治安維持くらいなので、

憑依制御システム中枢を載せている」

「治安維持……」

「そこらへんでそれなりに出番があるからな、

それもあって憑依式だな」


「なぁずっと気になってはいたんだが、

通称は誰が名付けたんだ?」

「神はしっかりと欠点をアヤツにも与えていたということだ。

命名者は編成改定と宇宙軍贖罪兵制度を纏めていた、

検証公だ」

「あ~プリプリ帝爆誕計画書は素だったんだ……」

「「「「「「「「あぁそういう……」」」」」」」」

「ちなみに殆ど使われることはない、公式非公式問わずにな」

「「「「「「「「なぜ……」」」」」」」」」

「後代にアヤツにも欠点があると知らしめるためだ」

「「「「「「「「……」」」」」」」」」

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