第180話 もう地上兵の出番はないですね…私の白兵戦デビューも…もう終わりと
『この機体を超えたら!!』
『そうだシャーサ!!その機体を超えたら!!』
『ミニ突安全圏です!!』
『まぁ一応はその隣の隣くらいにしとけ!』
「隣だと最前線になるものな…」「6脚との白兵戦もあるわけですし…」
『そうですね!あっども~』
『ちょうど中隊脱出のタイミングと被ったな』
「上の機体からバラバラと…」「この機体も諦めたんだな…」
『周囲の皆さんは隣にお邪魔するそうですよ』
『そういえばシャーサ?地上兵さんとどうやって通信を?』
『え?思考入力メッセですよ?』
『あっそれでか!』
「あっそれで音声には出ていなかったんですね」
「メッセージ形式なら時短になるか」
『思考加速中はこっちの方が負荷低いですから』
『音声だと思考時間に合わせる処理がいるからなぁ』
「そういう理由も…」「なるほどなぁ」
『副砲班とも基本はそうですよ?』
『なに?そうだったのか?』
『ちょこちょこ周辺情報を入れてくれてますよ?』
『どうりで、シャーサに似合わぬ冴えを見せると思っとったが』
『ふふふ~そういう事だったのです~』
「無言の副砲班は実は無言ではなかったんだな」
「常時13人がモニタリングしてる状態ですものね」
『よし!その機体だ!!』
『第1機動兵器兵団第3タンク戦隊10番機さんです!!お邪魔します!!』
『ふぅ、なんとか高機動タックラーが突入してくる前に載れたな』
「間に合った…」「間に合わなかったら…」「ひき殺されるんですよね…」
『同乗の中隊の皆さんは第01070805師団だそうですよ!!』
『聞いたことないな!!一般師団の皆さんか!?』
『なんでも赤いキツネ師団に!!よく強制指導を受けているそうです!!』
『んん?強制指導??それ懲罰じゃ…』
「どっかで…」「聞いた気がする…」「そんな師団…」
『あっタックラーが!!6脚と合わせてきますよ~!!』
(むにょにょにょにょにょん)
『我が槍をくらえぇぇぇ!!とぉぉぉりゃぁぁぁぁ!!』
『避けられてる!!避けられてるぞシャーサ!!』
「すごい!!華麗に避けられた!!」「見事なほどに!!避けられてますぅ!!」
『くぬぅぅおぉぉぉ!!足の止まったタックラーなぞぉぉぉぉ!!』
「届かない!!絶妙に届かない!!」
『逃げられた!!もう逃げられたぞシャーサ!!』
『次はおまえだぁぁぁぁあぁぁぁ!!』
「めげない!!一切めげずに!!」「次に行きました!!」
『いいぞシャーサ!!地上兵と決闘中の6脚を背中から突くんだ!!』
『とおぅぅぅりゃぁぁぁぁ!!』
(がぃん)
『あっ!?盾にいなされた!!いなされたぞシャーサ!!』
『ならば!!必殺スキル!!100連突きです!!』
「なんてメンタル!!」「打たれ強すぎます!!」
『使うのか!?』
『その盾ごと!!貫いてやるぅ!!ここだぁぁぁ!!』
『こっちずっと見てないがココなのかぁぁ?』
「当然の疑問」「…全く相手に…されていない」
『でぇぇぇやぁぁぁぁぁぁぁ…あ”あ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”』
「すごい!!凄い突きだけど…苦悶の声が…」
『シャーサ!!スキル中止だ!!キャンセルするんだ!!』
「やはり苦悶の声なんだ…」
『ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”』
「どんどん突きの速度が遅くなっていく…」「相手はもう動いてないのに…」
『もう6脚は貫いた!!もういいんだシャーサ!!』
「やっと止まった…」「スキル再現システム…オート攻撃なんだな…」
『ぐふぅぅぅぅ、こんなキッツイなんて知りませんよ!!』
「そして…肉体が付いていけないと自傷ダメージあるんですね…」
『シャーサ!!左だ!?なんだと!!』
「見もせず避けた!!」「華麗に回避しました!!」「別人みたいですぅ」
『ふふふ~私には副砲班24eyesという固有スキルがあるのです!!』
「スキルではなく編成の筈…」「まぁ結果は同じだがな…」
『ドヤってる場合か!!反撃しろ!!』
『ココです!!丸盾ガード!!』
(がこぉぉぉぉん)
『ぬぅおぉぉぅぅわぁぁぁ!!』
『シャーサ!!無様に吹き飛ばされ過ぎだ!!』
「あれ?とっつきランスに跳ね飛ばされた!?」
『なぜだぁぁぁ!!えっ?コツがいる?教えてください!!』
『シャーサ!!思考入力が声に出てるぞ!!』
『ナナメ!!ナナメですね!!いくぞ!!でやぁぁぁぁ!!』
(がっこぉぉぉぉん)
『ぐっほぉぉぉぉぉぉ!!』
『シャーサ!!その斜めは明らかに違うぞ!!盾だけ斜めにしてもな!!』
「あっこれ白兵訓練してないんじゃ?」「明らかに知識が足りてない…」
『ぐぅぅぅぅ、盾の縁が脇に直撃ですよぉぉぉ、えっ体もナナメに?』
『むしろ何故そうしなかった!!』
『わかりました!!つまり盾で避けるんですね!!とおぅぅぅりゃぁぁぁぁ!!』
(かこぉぉぉぉん)
『ぶるぅぅあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』
『あぁっ!!シャーサがコマの様に高速回転しながら吹き飛ばされた!!』
「大惨事だ」「…これ以上ないほどの…大惨事」
「盾使いが踏ん張らなければ…そりゃそうなる…」
『はっ!!ヤバい!!ココ外です!!マナ転化の外です!!』
『戻れ!!戻るんだシャーサ!!』
『ちょ!?中隊の皆さん!!なんで笑顔敬礼を!!えっ!?タックラ祭り?』
「諦められた…」「救えないと思われた…」「さよならの挨拶ですぅ」
『きた!!きたぞ!!』
『うひぃぃぃぃぃ!!死んでたまるかぁぁぁぁぁ!!』
(がががががぃぃぃぃぃん)
『へっぶうぅぅぅぅぅぅぅ!!』
「壮絶な玉突き事故だ…」「あれはイヤだ…」「ああはなりたくないです…」
(むにょにょにょにょにょん)
『生きてる!!生きてるぞシャーサ!!』
『ぐぼぁ”ぁ”、な”ん”で”わ”た”し”?』
『中隊の皆さんが言うに…無様に背中見せて逃げたから生還…だそうだ』
「確かに…」「立ち止まったり…」「立ち向かったりしてれば…」「ミンチ…」
『ひ”と”ま”す”ス”ミ”に”』
「あっ投げられた…」「ほいっと投げられた…」「それもリレー方式で…」
『バイタルオレンジだからな!!中隊の皆さんが運んでくれたぞ』
『い”や”な”け”ら”れ”た”』
『気のせいだ!!さぁ回復魔法に集中するんだ!!』
「ダントさん…それは流石に…」「本人、意識はしっかりしてるからな…」
『バイタルグリーンだ!!』
『復活です!!戦況は!!なるほど!!いまはこちらの追撃ですね!!』
『そうだ!!つまりは!!』
『もう地上兵の出番はないですね…私の白兵戦デビューも…もう終わりと』
『なんで残念そうなんだよ…白兵訓練なんてしてないんだぞ?俺達は』
「あからさまに残念そうにしてる…」「確かに中身はさておき積極的でしたね…」
『なんかこう馴染んだんですよ!楽しかったです!!』
『そうか中隊の皆さんもガッツだけは褒めてたぞ…』
『ちょ!?ガッツだけ!?どういうことです!!皆さん!!』
『白兵の才能は絶無…笑いの才能はプリプリ級…言われてんぞ…』
「否定できない…」「まさにその通りだった」
『いやいやいやいや!!無訓練白兵初陣で!!6脚1機倒したんですよ!!』
『苦悶の百連突きはサイコーの芸と言われてんぞ…あんな遅いの始めて見たと…』
「あの姿は衝撃だった…」「最後の方はプルプルしながら突いてました…」
『ぐむむむ、こちとらタックラ祭り生還者なんですよ!!』
『タックラに後ろから小突かれながら突入してくる英雄(笑)だそうだ…』
「確かに小突かれてました…」「玉突きより表現が適当だな…」
『ぐぎぎぎぎぎ、この屈辱!!必ずや晴らしてくれん!!』




