第167話 そうみ~んな言うけど!!それじゃ何も!!何も!!わかりません!!
『今回で襲撃20回目だー』
『…初回以外は…次元潜航回避』
『そして今回も含め20回とも全艦同時射撃だ』
『特に問題もなくここまできた、きてしまった』
「順調みたいですね」
「だが何かオカシイ空気だな…」
『各所から!!そろそろだと!!言われて続けて20回!!』
『早いところでは7回あたりから言われていました』
『…強襲独行艦速報も…拠点艦通信も…検証公一点読み賭博も』
『必ずや仕掛けてくる!!何かを!!何かわからんが!!
そうみ~んな言うけど!!それじゃ何も!!何も!!わかりません!!』
「あっ…うん…」
「そうだね…それじゃわからないね…」
「なんですか…一点読み賭博って…」
『何もかもが同じ展開で20回だ…』
『…変わったことと言えば…第8哨戒艦2番艦くらい』
『そうだなタマキ…あの学者先生達…ここ2回くらいは最後方だな…』
『極端から極端ってところがまたらしいよな…』
「あっ…目的を達したんですね…」
「そして大人しく引っ込むんだ…」
『んん?20回?初陣から20回目の戦闘になるのか?』
『そうです!!今回で元砲台組は前線お勤め20回達成です!!』
『だからか…2番艦勢がかなり引き気味展開なのは…』
『1番艦勢が半径12.5光秒圏に対し殆どが半径15~17光秒圏です…』
『こりゃ元砲台組の転属ブームきそうだなー』
「あと必要なのは実績だけなわけか」
「安全策を取るのは当然ですわね」
『そういやタマキ?検証公一点読み賭博の内容はどんなだ?』
『…影踏みサバイバル開演…気を付けろ狙われるは哨戒艦』
『気を付けろと言われてもな…どう気を付けろと…』
『影踏み…わかるんですよ!!それは!!それしかないですもん!!』
『じゃぁどうやって俺たちは影踏まれるんだ?っことよ!!』
「見えないけど確実にいる…」
「そんな相手の影をどうやって掴むんだ?って問いだからな…」
『この流れはストレスたまるなー』
『1艦も失わずに4日で9万隻以上を沈めてるんですけどね』
「順調そのものなのに…」
「その心は荒れ荒れですぅ」
『そんなこんなで襲撃10秒前だぞ』
『さて、今回はどうかなー』
「それでもその時はやってくる…」
「はたして今回はどうなのでしょう…」
『…5…4…3…2…1…0』
『…戦列砲艦全艦が…えっなにこれ…全艦が同じ向きを!?』
「さっそく」「射撃された瞬間動く」
『水鏡より警報!!アンテナ展開100万だとっ!?』
「えっ?」「大仕掛け…」
『戦列砲艦だけじゃない!?偵察艦も大量に動いてる!?』
「何を?」「そこも?」
『なんだ…何が起きてる!?』
『だめ!!班長!!思考加速を!!』
『モモちゃん!?思考加速10倍!!』
「あっ危ない…思考加速入れ忘れ…」「呆気にとられすぎると危ないんだな…」
『水鏡より緊急警報!!アンテナ展開まで30秒無い!!』
『30秒!?なんで!?300秒じゃないの!?』
「短縮できるの隠匿されてた…」「これはヒドイ…」
『戦列砲艦の向きは北天だ!!』
『それで何を!!』
「そう何を狙って?」「何を撃つんだ?」「何も見えてない筈なのに」
『アンテナ展開位置でた!?なんだよこれ!!』
『…私も分析に!!…あぁっうそ!?こんなこと!?』
『タマキ!?なんだこれは!?』
『…アンテナ100万を特定領域に球面密集展開して!!力づくで影を!!』
「強引すぎるでしょう…」「合成電波望遠鏡を光学でやる気だと…」
『だが!?これだけでは!!影を炙り出す明かりは!!』
「そうだ…向こう側に明かりがないと…」「影は映らない…」
『戦列砲艦一部が射撃開始!?』
『…あっ…射線を…うそ…なんで弾速0.25光秒…』
「半速」「…遅い」
『くそ!!わからん!!なんで一斉じゃねぇんだ!!』
「流れるように…」「連続射撃…一斉じゃない理由は…?」
『くっ…ユウヤ射線の方向は!?』
『北天のどのフネにも!!直撃どころか至近にすらなるような射線じゃねー!!』
『…どの射線も同一じゃない…けど…あれ…もしかして走査状に…なってる…』
『はっ!!そういうこと!!班長!!すぐに逃げるんです!!
全力で!!太陽炉から!!距離を取るんです!!急いで!!』
「わかったのか?」「そこまでいう…」「相当に危険な状態なのか?」
『モモちゃん!?なんで!?』
『答えはすぐに出ます!!いいから早く逃げるんです!!』
『了解!!艦全力反転!!』
『戦列砲艦一部の射撃が弾速0.5光秒に戻ったぞ!?』
『あっ!?班長!!僚艦にEMP警報を!!あとアンテナ!!』
「あっウルフの時の!?」「あのとんでも出力の!?」
『くっそマジか!!マイ!!タマキ!!ユウヤ!!』
『…そういうこと!!10光秒アンテナ閉じます!!』
『くそっ!!6光秒アンテナはギリギリまで出す!!』
『2番艦には通達できました…戦隊司令部は混乱してるようです…』
「司令部までパニックに…」「なんてこと…」
『…あぁぁ…0.01秒間隔…半径15光秒球面上を…走査する気です…閃光EMP弾で…』
「だから1斉射じゃなかった…」「流れるように一面で…」「0.25光秒の弾に…」
「0.01秒間隔で…」「0.5光秒の弾をぶつける気…」
『5光年アンテナは…半径10光秒球面上に並べる気だ…影を拾う気だ…』
「あらゆる角度から…」「あらゆる角度で…」
『あぁ…その開度は15度の円錐状だ…範囲内にいるのは4隻だ…』
「見えていなかった筈なのに…」「4隻もその網に捕まっている…」
『俺達が60度以上でその距離に布陣していると…判断してたのか…』
『アンテナが展開されるまであと5秒です…』
『…敵弾…どれも分裂しません…』
『弾速差衝突閃光EMP弾だろうが…初弾衝突起爆まで5秒だ』
『その差0.2秒差だ…もう確定だ…』
「状況がもうソレを正解だと…」「そう示しているのですね…」
『あー気づいてアンテナ閉じてるのはどれくらいだ?』
『…4割』
『そーかー退避行動中なのはー?』
『1割だな』
「ハードル高すぎる…」「展開が怒涛すぎるだろ…」
『影踏みサバイバル開演したなーモモちゃんありがとー助かったよ』
『いえ…きっと私達1割組の南天だけでも助かる筈です…』
「そこまで悲観的な…」「そんな状況だと…」
『EMP起爆始まった』
『文殊上の北天側測敵情報が加速度的に減少中です』
『それでハム公に強化してもらったEMP耐性を確認してくれるか?』
『…了解』
『ソレ次第では出してやらんとなー』
『自動修復機能も付けてくれたとはいえ…300秒はかかるしな…』
『北天の連中は近すぎて耐性抜かれるだろうからな…』
「完全耐性は無理だったんだ…」「だから…自動修復…」
『その間盲目なんです…狙われても…自分たちではわからないんです…』
『肝心の場所が爆心地付近の為に…アクティブですら何も見えない状況です』
『完敗だなー南天からアンテナ出してやっても…見えないかー』
「アンテナがやられると…盲目…」
「電磁波吸収使用中は本体からは何も見えない…」
『…12光秒離れた10光秒アンテナの無事を確認』
『安全マージン2光秒取った上で北天支援に最適な位置に出してやってくれ』
『…了解…6光秒アンテナも現位置なら大丈夫です』
『……参ったな…EMPが連続で起爆してることしかわからない…』
「やはり見えないんですね…」
「出してはみたものの…か」
『強襲独行艦司令部から通達きてましたね…あぁ…』
『マイ?どうしたー?』
『水鏡の緊急警報直後にEMP弾警告と全力退避推奨の通達が…』
『通達きてたのかー』
『…ほんとですね…作戦艦全乗員に向けて…』
『全くきづけなかったぞ…』
『俺もモモちゃんに言われるまで思考加速も思いつかなかったなぁ…』
『俺も相手の狙いがわからなくて右往左往するばかりだった』
「各自反省すること多し」「ある意味コレが洗礼なのかもな…」
『第7戦隊哨戒艦1番艦…文殊通信途絶えました…』
『ウチんとこからか…クサマ班だな…ミーに言うのつれー』
「ついに犠牲者が…」「これ別府で初戦死者なのかもな…」
『光学照準公算射撃でもう当ててきたのか…』
『…たぶん速度差衝突融合弾の…弾幕…』
『それ…マナ転化無しだと無理です…』
「200個大艦隊ですものね…」
「検証公が操る50G機動のデコイでさえも抜けなかった弾幕…」
「それに衝突起爆融合弾まで加わるとなると…」
『まじか…半径15光秒以上離れるのに30分だぞ…』
『ほぼ全艦が相対速度差0だったからなー』
『くっ…北天組の1番艦勢は…絶望的としか…』
『俺達が生きてるのは第一に南天だから…だな』
「30分…」「遠すぎる…」
『ブルサ第5戦隊哨戒艦1番艦…文殊通信途絶えました…』
『あっ…まごまごしている2番艦勢が…アンテナ出し始めました』
『気持ちはわかるが…意味はないな…』
『あっ北天組の1番艦勢に怒られてます…はやく帰れと…』
『あぁ言われてんな…お前らの戦場はココか?だとさ…』
『新型超兵器期待してるぜって言われてんな…ざまぁ…』
『モントリオール第9戦隊哨戒艦1番艦…文殊通信途絶えました…』
「「「「「「「「「………」」」」」」」」




