第163話 女帝ひいては皇族の私兵とは言い得て妙だろ?
「そこは遅滞方面軍第5防人統合艦隊75番艦、
第20005番艦”別府”の芯部コロニー内のとある居酒屋チェーン
”呑み処ぽんこつ”の席だった」
「ちょっとまて!そんなんあるのか!?」
「そこのところ詳しくお願いしたいですわね!?」
「万能調理器と合成食材でお手軽調理、
飲料調合器と合成飲料でお手軽酒造、
配膳下膳各種清掃は使い魔ボットだ、お手軽運営だろ?」
「ん?メニューはどうしてるんだ?」
「うむ、共通標準メニュー以外は客である乗員が再現挑戦して登録する」
「メニュー構築がセルフサービス…ですの…」
「だから拠点艦ごとに特色があるのか…」
「なおオーナーは検証公で命名はプリプリだ」
「いやいやオカシクない?」
「なんでチェーン展開?単なる食堂兼酒場でよくない?」
「そもそも俺らに通貨必要なの?」
「うむ、所属拠点艦の諸リソース使用権限をポイント化した疑似通貨はあるぞ?」
「それじゃ利益でないじゃん」
「拠点艦内でしか使えない疑似通貨なわけですし」
「うむ、登録された再現レシピを別途帝国本土で…な?」
「あーずっこい!!荒稼ぎしてる!!」
「はっ!!まさか!!食事だけではないんじゃ!!」
「そうだ!!拠点艦はたいてい何でも造れる!!」
「誰かが造ろうと思えば造れます!!そして記録に残ります!!」
「つまり衣料や生活雑貨なんかも…」
「これはヒドイ…」
「ふむ、女帝ひいては皇族の私兵とは言い得て妙だろ?」
「ぐむむむ…」
「検証公は…皇族扱いでよいのだろうか…」
「過去の記憶を食い物にされているですぅ…」
「だが…登録しないと食べられない造られない…」
「なんという罠」
「では続きだ」
『みー?じゃぁ別府の戦隊の皆にはしばらく会えないみー?』
「あっ家猫師団のミーリング准将ですぅ」
「畳敷きの座卓…店内内装が和風居酒屋まんまじゃん…」
『そうなんだよミー、うちは戦隊全力出撃になったからなー』
『そのとり天貰うみー、習熟訓練はみー?』
「自由すぎる師団長…」
「とり天…再現されていてかつ准将に好評のようですわね…」
『戦偵巡のデータで教練実習機でな?改編が決まった時点からなー』
『まだ初陣もしてないからみー、それならたいして濃ゆい転換訓練いらないみー』
『言ってくれるなー、まぁミーの言う通りなんだがなー』
『矯正すべき癖や思考すらまだ育ってないみー』
『まだ生後13年だからなー』
「そうか、遅滞方面で戦隊配属だと初陣機会がなかったのか」
「これ話題的に通商破壊戦隊ですかね?」
「…たぶんそう」
『編成はどーなったみー?』
『ある程度志願はできるが基本的には流れがあるなー』
『どんな感じミー?』
『ハイエナ組が潜航砲艦と哨戒艦の1隻だなー』
『ぺちぺち組はみー?』
『掃討艦の2隻だなー』
『残る砲台組は哨戒艦かみー』
「やはり通商破壊戦隊…」
「そしてそうなるケースが多いと」
『そういうこった、その刺身は渡せないなー』
『あーひどいみー』
『帰ってきたらなー』
『みー約束みー』
「「「「「「「「「……」」」」」」」」
『よーし、みんな初陣だぞー』
「別府第6通商破壊戦隊哨戒艦1番艦の班長ショウヤ大尉だ」
ミーリング准将と飲んでた人か。見た目キッチリ中身ラフな感じだったな
『第5の連中から見れば恵まれてるということでしょうか?』
「副班長兼砲手マイ少尉だ」
こっちは見た目キャバ嬢…けど中身はキッチリさん?
『戦隊班の中には一度も宇宙に出ずに…攻城戦で死んだ者も…』
「戦艦級アンテナ担当主観測手のタマキ少尉だ」
見た目元ヤンっぽいのに弱気な感じ…
『それなりにいるって話だったなぁ』
「本体センサと駆逐級アンテナ担当副観測手のユウヤ少尉だ」
逆に見た目は陰キャなのに中身は元ヤンっぽい…
『着ぐるみ戦闘で戦死はしたくないな』
「情報分析担当のトウジ少尉だ」
そして中身はヤレヤレ系なのに見た目はナヨナヨ系…
『そうだよね!!トウジくん!!』
「機関と副情報分析担当のモモ少尉だ」
で、中身あざかわ系なのに見た目は武士系?という組み合わせ
『そうだなトウジ、その意味で言えば俺らはツイてる』
『そうねショウヤさん、初期配属がハイエナとはいえ巡洋艦』
『そうですマイさん…おかげで班長は大尉…私たちは少尉からです』
『だよなぁタマキ、転属組がいなくて駆逐配属から繰り上がっただけだけどなぁ』
『それも運さユウヤ、そのまま初陣も経験せず13年なんだ』
『明らかにツイてるよね!トウジくん!』
『だろ?モモ!!そして駆逐艦に出戻り志願したわけだ』
「トゥーロンみたいな状態だったんだな…」
「その状態で13年初陣機会無し…確かに幸運です」
「駆逐艦なら哨戒艦か」
「そうなるですぅ」
『そうだトウジ、オレ達は選んだ』
『賢明でしたショウヤさん、戦隊旗艦となる潜航砲艦は私たちには…』
『マイさんの言うとおりだ、初陣も経験してない俺らが指揮は無理だ』
『ユウヤくん…そうだよね…私たちも含め5隻の責任なんて負えないよ…』
『タマキさんが言う通りだな、そんな実績はないからな俺達は』
『ここは謙虚でいかないと危ないよね…トウジくん』
『だよなモモ?そして俺たちは選んだ、この哨戒艦を、だよな班長』
「戦隊旗艦班になることを避けたわけか」
「私たちは避けられず分隊長ですけど…」
『そうだトウジ、功績ポイントが欲しい班は掃討艦を選ぶからなー』
『ショウヤさんの言う通りだったわね』
『あぁマイ、功績ポイントが欲しくても潜航砲艦はなー』
『初陣組にはキツイっすわぁ』
「襲撃一回ごとに突撃艦5Pが24隻の功績120Pか」
「なるほど、功績P欲するなら掃討艦か」
「哨戒艦だとたいして功績は稼げなそうですね」
『だろ?ユウヤ、なら最初から志願しておけばー』
『まず間違いなく配属!!ってわけですね班長!』
『そうだモモちゃん、そして俺たちはこの生存性抜群のフネにー』
『無事配属されました…良かったです…班長のおかげです』
「さくせん命を大事にが柱の班なんだな」
「戦偵巡からさらに特化した哨戒艦は理想のフネに見えたんですね」
『タマキちゃんとユウヤには期待してるよー』
『このフネの主力担当だからな』
『プレッシャーかけんなwそういうトウジとモモもだからなw』
『情報分析担当だからね!!ねっトウジ君!!』
『モモは機関もあるから大変だぞ?』
『大丈夫!!そのぶんトウジくんが頑張る!!』
『はぁできるだけ頑張るよ』
『みんな頼むぞー生存性抜群でも任務自体は危険だからなー』
『『『『『了解!!』』』』』
「いい空気感ですね」
「戦偵巡狙いだったところに哨戒艦登場だしな」
「そりゃ浮かれるよなぁ」
『第6戦隊旗艦より連絡きましたよ、シュウヤさん』
『なんてだい?マイ?』
『元通信ハブ星系4343星系での任務になるそうです』
『667番星系ルートと外れルート2本の結節星系かー』
『4342~4301星系が袋小路外れルートです…』
『4264~4300星系も袋小路外れルートだ』
『4212~4263星系が667番星系ルートになるな』
『別府艦隊だけでなく5個通商破壊艦隊投入だそうです』
『100個戦隊!!心強いですねトウジくん!!』
『どうだろうな…目標次第という感じじゃないか?』
『むぅ!!どうなんです?マイさん!』
「初陣で纏まった戦力を投入か…」
「嫌な予感しかしないですぅ」
『4343星近傍に敵が構築中の太陽炉建造妨害ですね』
『あ~ソコ200個大艦隊が駐留してなかったか?』
『あっそうです!!敵本隊のいる場所じゃないですか!!』
『初陣からそこかー』
「ツキの揺り戻しでしょうか…」
「明らかに外れ任務だな」




