第155話 だから誰でもいい…
『さぁシャーサ!!今日は最前線で攻勢支援だ!!』
『行きますよ軍曹!!MタンクS微速前進!!』
『新兵達は槍を放ちながら警戒だ!!融合弾持ちを見逃すな!!』
『『『『はいっ!!』』』』
「整備兵コンビがえらい安定感だしてんな…」
「初陣から2週間ですよね?」
『軍曹!!新兵たち!!そろそろ空戦空域の真ん中ですよ!!』
『攻撃に夢中になって警戒を疎かにすんなよ!!』
『『『『はいっ!!』』』』
『各副砲それぞれに3人もいるんだ!!
班長と副班長はちゃんと班員に仕事を割り振れよ!!』
『『『『はいっ!!』』』』
「VR方式だからな?索敵、砲手、可動ブームの3役だ」
「班の班長組と副班長組で2班4組のメンバーですか…」
「本気で実戦でブートキャンプするのか…」
『軍集団司令部へ!!MタンクS1番機!!持ち場に到着!!』
”確認した、その辺で周遊しながら直下支援を頼む”
『了解!!軍曹!!しばらくフラフラしますよっ!!』
『各副砲!!友軍の支援だ!!やってみろ!!』
『『『『はいっ!!』』』』
「ついに激戦地へ…」
「来ちゃいましたね…」
『軍曹…この改修正解でしたね』
『あぁ、明らかに支援火力が段違いだ』
『まず主砲の制圧力が違いますよね!!』
『以前は秒間4突きが限界だったのに秒間300突きだからなぁ』
「整備兵コンビには大好評なようですね」
「そらこんだけ差があればなぁ」
「実際に主砲で蹂躙してますわね」
「光の槍をすごい勢いでバラまいてっからなぁ」
『あと意外に副砲が活躍してます!!』
『1基あたり秒間50突きできるからなぁ』
『新兵たちもそれぞれ、やいのやいの言いながら頑張ってます!!』
『副砲にもそれなりの制圧力があるんだ、
つまり結果を左右できてしまうんだ、そら頑張るさ』
「1戦どころか序盤?でもうある程度使えてるのか…」
「ふむ、やはりやることがシンプルだからか」
「こっちもこっちで光の槍バラまいてるんだよなぁ」
「4方に火力振り撒いてるから目立ってますね」
『軍曹も頑張らないと!!』
『いや充分にがんばってるだろ…この撃破数に自身でもビックリだわ』
「まとめて20~30機を一瞬で破壊してますからね…」
「撃破数はすごいことになりそうです…」
「さて、新兵たちだが、所属元の教練実習機を使ってる」
「実機があるわけじゃないものな」
「当然、使えるものを使うか」
「各砲塔の報告は班長もしくは副班長からさせる」
「なんでそんなことを?」
「まぁ見ればわかる、A砲塔の状態だ」
『班長!!』
『くそ!!間に合わなかった!!次だ!!』
『いやぁぁぁぁ!!また1人!!うぅ今度こそ!!』
『コイツを!!』
『あたれぇぇぇぇぇ!!』
『墜ちてよぉぉぉぉ!!』
『墜ちた!?墜ちた!!』
『救えた!?救えたの!?』
『まだだ!!右に!!くぉぉあたれぇぇぇぇぇ!!』
『あっ!?ダメ!!左からも!!』
『あっ…ふぐぅぅぅぅ!!』
『ちきしょう!!敵は待ってくれない!!』
『ぐぅぅぅ!!次はコイツ!!』
『ブームを!!ブームを動かしてくれぇぇぇ』
『はぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!!』
「初陣パニック」
「阿鼻叫喚じゃないですか…」
「こっちはB砲塔だ」
『なぁ班長…これ現実か?』
『残念ながら現実だ』
『教練実習機のデータじゃないの?ほんとに?』
『噓偽りなく現実だ』
『今…俺が撃ち漏らした敵が墜とした友軍兵士は…』
『現実に戦死されている』
『今、私がもう救えないと見捨てた友軍兵士は…』
『今、現実に戦死された』
『侵攻方面軍司令部は正気なのか?』
『私たち宇宙軍本土艦隊所属の新兵なんですよ…』
『そんな俺らがなぜ地上軍の試作決戦兵器で初陣させられるんだよ…』
『簡単だ、誰でもいいからだ』
『『誰でもいい…』』
『この敵の密度だ、この激戦だ、そしてこの距離だ、簡単だ』
『『だから誰でもいい…』』
『そしてこの機体の副砲手席は絶対に戦死しない』
『…だってその場にいないもの…』
『…戦死しようがない…』
『主砲塔のダント軍曹は3か月前まで地上軍整備科の整備兵だ』
『『整備兵…』』
『1人機体に乗っているシャーサ2等兵は同じく整備科の配属3か月新兵だ』
『『整備科の配属3か月新兵…』』
『本機の前身Mタンクの完成は3週前だ』
『『え゛っ!?』』
『お二人とも初陣は2週間前で既に今日が10戦目になる』
『『はぁっ!?』』
『この任務に志願してあたられているお二人が言うんだ』
『『誰でもいい…』』
『なので憑依式新兵、拠点艦新兵、ドワーフ新兵が担うと上が決めた』
『友軍の戦死に慣れろってこと…』
『それでもなお、敵を討てと…』
『実際に二人はできてるじゃないか、話してはいても、
その目は常に討つべき敵に向けている』
『『……』』
「タフメンタルっぽい班員二人が事実を前に…」
「なにも言えなくなってるじゃないですか…」




