第154話 墜ちたら英雄に先立たれて遺されるのは俺とお前らだ!!覚悟は良いな!!
『1543番小型強襲艦です!!帰ってきました!!』
ぽつんと待機してるんだな…強襲艦って。
『艦長、無事に帰らせてもらったよ』
『よく帰ってきたなダント!シャーサ!!』
『回収おねがしま~す!もうクタクタで~す』
『そりゃそうだ!あんな戦闘だったしな!!今開ける!!』
「ひとまずは強襲艦に帰投か」
「初陣後の初帰投だもんな」
「ほんとうに…あんな戦闘でしたしね」
『どこもあんな感じだったのか?』
『似たようなもんだなぁ』
どこもあんな初陣を経験したと…
『そいつはまたヘビーな話だ…何機だ?』
『70機中6機が融合弾で喰われた』
「あの奇襲…同時に各所で実行したのか…」
「高機動タックラー相手に無力感を味わってる時に…」
「しれっと仕込まれていたんですぅ」
『私たちもあの人がいなければ…』
『あぁ7機になってたな…』
「初陣から…その背中を見せられたんだなぁ…」
「守るべき相手に守られて…ですのよねぇ…」
『まぁとりあえず入れ、まずはそれからだ』
『了解であります!!艦長!!』
「ぬるぬる入っていくけど…ミチミチだな…」
「これは本格的な整備厳しそう…」
小型強襲艦自体も問題が多そうだな…
『艦長!!ハッチ閉鎖完了であります!!』
制帽緑髪少年?ハーフリング?グラスランナー?ホビット?
『う~し副長、整備と破城要塞までの帰投頼むわ、ちと労ってくる』
制帽赤髪少年が艦長か…これドワーフか?
『はっ了解です!!』
制帽緑髪少年?が副長と…宇宙人類時代にドワーフ感が変化してたのか?
『モニタしてたネス2等兵も一緒にこい』
黄髪少年が新兵さんか…艦長たちと同年齢に見えるんだが…
『はっ!!ご一緒します!!』
『うぃ~すダントにシャーサ、酒もってきたぞ』
『あり~す艦長!!飲まなやってられんでした~』
橙髪少女がシャーサ2等兵で、
『すまんな艦長、ワシも同じくだ』
茶髪少年がダント軍曹だったな。
『いやいや当然ですよ、ささ、二人ともどうぞ』
「まてまてまて…見た目小学生高学年が飲み会はじめたぞ…」
「ふむ、これはなかなか衝撃的な絵面になるな」
「いいんですか…これ」
「問題ない…任務時には酒気抜き魔法使うからな…」
『やはり問題は手数か?ダント』
『だな、主砲もそうだが、副兵装もいるな』
『あとも~う1人ほし~い』
『副兵装次第じゃもっといるな』
「確かに…索敵、警戒、迎撃すべてで足りない感が…」
「なんでこんなに足りなく感じるんだろな?」
「辻斬りだとそんなことなかったですわよね?」
『おいおい、そう簡単に乗員は増やせんぞ』
艦長の言うとおり、乗員編成かなり無理してるもんなぁ
『だが低機動力をカバーするには必要だぞ?』
「あぁ、加速機動性が低いからですか…」
「図体もそれなりにデカいしな…」
「それですぐ四方を囲まれるから足りなく感じると…」
『自動攻撃システム頼りじゃダメか…』
『他の惑星ならともかく第5だぞ…』
『すぐにアルゴリズム解析されちゃいますね~』
「あ~そっか~ココ本体予備惑星だった~」
「演算装置の塊でもある惑星なんだよな…」
「自動化すると当たらなくなるんですね…」
『モニタしてた自分とかが副砲手できればいいんですけどねぇ』
ネス2等兵ぐびぐび呑むなぁ
『ん、それやろうと思えばできません?』
シャーサ2等兵はのんべぇ
『教練実習機と原理は同じだからできるよな?』
ダント軍曹はちびちび派なんだ…
『有人機だから文殊を使ってるしな?』
艦長はぐい飲み派と…
『というか砲手もそれでよくないですか?』
『操縦手だけ実際に乗っておく感じでいけますね?』
『主砲と副砲を動かす人員自体は前線でなくても構わんな…』
「飲み会で浮遊戦車改修案が絞られていくな…」
「見た目は小学生高学年…飲みながら仕事する…」
「遺伝子はどうみても小人系なのに…中身がドワーフ…」
『それこそ本土で練兵中の新兵でもよいわけだ…』
『さすがにソレは辛いから主砲手だけは自前でよくないですか~?』
『それこそ、この船からでも操作すればよいな』
「新兵ブートキャンプ場にしようとしている…」
「当人たちが経験者ですわね…」
「戦闘訓練すらろくにせずに初陣したからな…」
「仲間を増やす気か…」
『操縦席周りをさらに小型化できるなら慣性制御も?』
『そうだな、いま盾に当たらずに柱やらに事故ると重傷負いかねんからな』
「そんな欠陥あったんですか…」
「あんなに柱やらにぶつかってたのに…」
『ふむ、浮遊戦車開発計画班に今の話を俺から投げておこう』
『頼むぞ、艦長』
『まかせろ』
「そして2週間で軌道艦隊浮遊戦車開発計画班が出した答えがコレだ」
”MタンクS”
26m以下級白兵仕様浮遊戦車
直径26m
全高20m
総質量610t
ジェネレーター出力60TW
マナ転化フィールド最大出力500TJ
スラスター総入力990MW出力6G
耐50G機動車体
マナクリスタルチャンバー数16=1600TWh
浮遊用小型重力スラスタ
4腕形態
原子結合破砕振動盾4枚
超高機動旋回砲塔式12連装回転中型瞬時伸縮光熱槍1基
可動ブーム式連装マウント中型瞬時伸縮光熱槍4基
マナインパクトシステム2基
搭乗員部保護50G慣性制御装置
基本搭乗人員1名
基本外部遠隔操作要員5名
「2週間で改修したんですか…」
「Mタンクも含め日々が激戦だからな」
「搭乗員部保護50G慣性制御装置は当然」
「以前から開発はしててな、1人用は完成してたんだ」
「2人用は頓挫してたんだな…」
「うむ占有容積との苦闘を強いられていた」
「基本搭乗人員1名はわかる」
「うむ、ただ1人機体に乗る操縦手だな」
「基本外部遠隔操作要員5名…ブートキャンプ採用したんですか?」
「うむ、様々な方面で好影響が期待できそうだったからな」
「超高機動旋回砲塔式12連装回転…回転するんですか?」
「うむ!!回転する!!ガトリングガン式掃射槍だ!!」
「槍…それ槍なんだ…」
「そして槍を1m口径から30cm口径にして伸縮距離1500mは変えない」
「威力を大きく落として手数を稼いだんだな」
「元々かなり威力過大だったからな」
「可動ブーム式連装マウント中型瞬時伸縮光熱槍4基…これは…新兵用?」
「そうだ!!盾と盾の間からひょっこと顔を出せる!!
可動ブーム式小型連装マウントの槍だ!!回転式と同じ槍だ!!」
「前後左右の盾と盾の間…つまり4か所で4名…」
「うむ、そうなるな」
「さて?他に質問はないか?」
((((((((((こくこく)))))))))
「こんな感じで2週間で完成したMタンクS試作1号機は、
主砲操作部を追加された1543番小型強襲艦と共に即実戦に投入された。
連装槍4基の砲手は憑依式新兵、拠点艦新兵、ドワーフ新兵が担う。」
『軍曹!!この機体ならいけますよ!!』
『だがシャーサ…よいのか?操縦手で?』
『英雄志望なんです!!譲りませんよ!!』
『はぁ~仕方ない…憑依式新兵2班12名!!初陣だ!!』
『『『『はい!!』』』』
『落ち着かんでも当たる!!パニックでも当たる!!』
『『『『はい!!』』』』
『自損事故防止は完璧!!友軍誤射防止も完璧!!』
『『『『はい!!』』』』
『外れて抜けてきても墜ちん!!全部外れても墜ちん!!』
『『『『はい!!』』』』
『墜ちるのは融合弾直撃だけ!!コレだけは意地でも墜とせ!!』
『『『『はいっ!!!』』』』
『墜ちたら英雄に先立たれて遺されるのは俺とお前らだ!!覚悟は良いな!!』
『『『『はいっっ!!!!』』』』
『第1軍集団MタンクS1番機シャーサ!!発進!!』
「なんてシンプルなブートキャンプなんだ…」
「これから目にする次々墜ちていく地上兵は現実の戦死者…そんな激戦の地」
「そして背負うのは自身の命ではなく最前線にいる先輩の命…」




