表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/148

第14話 燦然と輝く未保持の字

「では、期待にお応えして、西暦4560年」

「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」


魔導帝国歴960年


「トレンチランパート」第二期拡張部完成

鬼軍恒星間移動能力の未保持確定

マナトリガー型空間跳躍式転移実証実験成功

50光年級転移技術成立

5000光年/年達成


「燦然と輝く未保持の字」

「あんまりだよぉぉぉ」

「上位存在恐ろしすぎる」


「プリプリ劇場開演」


『はぁ?はぁぁぁあああ!?未保持!!未保持って!!』

『あんな荘厳なゲートから湧いて出てくるくせに未保持!!』

『星系内を縦横無尽に身一つで我ら以上に飛び回るくせに未保持!!』

『ゲートから1光年も離れるとマナ収支悪化で生存不能!!』

『想定できるか!!あんちきしょうめぇぇぇ!!』

『星系離脱を懸念して!!反攻戦力よりも!!

哨戒戦力優先したのに!?未保持!?』

『あんなに艦内白兵戦したのに!!未保持!?』

『ひぃひぃ言いながらも!!必死にやりくりして!!

第二期工事終わらせたのに!!未保持!?』

『未だ赤字のマナ収支を改善すべく!!

日々奔走してきたのに!!未保持!?』

『『『『『あんちきしょうめぇぇぇぇ!!』』』』』

「「「「「「「「「おぉぉぅ」」」」」」」」」


「とまぁ、上位存在にはご満足いただけたようで

ご褒美シーズンの到来だ」

「それが……50光年級転移技術成立ですか?」

「うむ、間違ったことがブレイクスルーに繋がった」

「なるほど、ご褒美……」

「消費は1/10に距離は100倍に、

つまり距離当たりのマナ消費量は1/1000に

移動速度は100倍だ」

「劇的だな、どっかの誰かさんは大喜びしたんじゃないか?」

「うむ、その映像だ」


『プリプリ時空神よ!!私は許します!!

今後もプリプリを程よく弄るとよいでしょう!!』

『なっ!!根源管理庁官!!私をうらぎるのかっ!!』

『私も許すっ!!これがご褒美ならいくらでもだ!!』

『なぁっ!?星間物流管理庁官まで!!何故だ!!』

『『人類の為だ!!』』

『だとしてもっ!!』

『『そして!!プリプリするのが悪い!!』』

『ふぐぐぐぐぅぅぅぅぅ!!』


「鉄と血の結束すぐ揺らぐ」

「これがプリプリ劇場の神髄」

「鉄血女帝の由来はソコか!?」


「そして、西暦4570年」

「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」


魔導帝国歴970年


「トレンチランパート」第三期拡張部完成

反抗作戦「鬼退治」始動


「ついに反攻か」

「うむ、戦訓を反映した艦が揃ってきたのでな」

「確かに色々と開発されていたっぽいけど」

「うむ、帝国の威光計画と併せて、

現在に至る帝国艦船の原型はこの時に成立したんだ」

「ほう?そうなのか?」

「ふむついでだ、そろそろ解説しておくか、エリート」

「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」


500m以下級星間航行高機動巡洋艦

全長499m総質量312.5kt

ジェネレーター出力12PW

マナ転化フィールド最大出力12PJ

スラスター総入力10TW出力25G

マナクリスタルチャンバー数12=12PWh

通称「エリート」

直径5m全長50m砲身低仰角連装砲塔を上下頂部に2基ずつ計4基、

張り出した側面頂部に高機動目標対処用連装旋回砲塔駆逐艦主砲3基計6基、

さらに艦首に巡洋艦級極小ゲート生成式測位アンテナが1基、

豊富な艦内容積を活用した多数の高機動スラスターと

耐機動性25Gに事象マナ転化フィールドジェネレーター、、

といったシンプルな高機動戦闘用巡洋艦。

高機動戦隊の戦隊主力、

人員は基本の6名2班の12名


「この艦が、ほぼ当時の宇宙戦艦のままでな?

まぁ今は巡洋艦扱いになっているんだが、要目の解説をしよう」

「確かにそろそろ専門用語が多くなってきたしな」

「うん助かるわ」


「まずは主砲だな、これはプリプリ劇場にでてきた極大魔法を兵装化したものだ」

「なるほど効果的だったもんな」

「うむ 空間歪曲砲」

「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」


マナトリガー仕様

バレル内に構築した空間歪曲次元境界面を

射撃時に目標位置にまで「引き伸ばし」て、

空間歪曲次元境界面の通常空間復元圧力で、

標的を破壊する火砲である。

砲身自体に1度以内の射角調整機能がある。

「引き伸ばし」と「収縮」「崩壊」は瞬間的なため、

ほぼ弾着所要時間が皆無である。

威力は収縮後の空間歪曲次元境界面球表面積=直径^2に依存し、

射距離は「引き延ばし」圧力に依存するため、

直径を下げることで圧力を高め射距離を一時的に延ばす事が可能

仕様口径での射距離は艦砲サイズによって規定されている

射距離一例

戦列戦艦艦首砲口径1500m砲身長15000m

 最大出力900PJ:15光秒(450万km)

戦艦旋回砲塔主砲口径15m砲身長150m

 最大出力90TJ:10光秒(300万km)

巡洋艦旋回砲塔主砲口径5m砲身長50m

 最大出力10TJ:8光秒(240万km)

駆逐艦旋回砲塔主砲口径1m砲身長10m

 最大出力400GJ:6光秒(180万km)

「崩壊」後に通常空間復元圧力残滓で放電するため、

アーク放電光線痕が短時間残る。

真横からみると放電線に見え、

直近からみると前後とも遠ざかる放電塊に見える、

なお、そのバレルと一部仕様を流用して、

実体弾加速砲、粒子加速砲、汎用カタパルトとしても、

バレル内口径が許す限りは「そのまま」使用することが可能である。

魔導銀河帝国歴551年(西暦5801年)まで帝国主力艦載砲であった。


「ほえ~これでも現在は旧式砲なんだ?」

「うむ、そちらはまた今度な、ただそちらでもこの砲として使える。

わりとこちらの砲として使うことも艦によっては多いかもしれん」

「弾着所要時間が皆無なんですね?」

「この砲の最大の利点はソレだな」

「いろいろ撃ちだせるんですね?」

「うむ、この砲で内部海天体の表面に穴を開け、

この砲で高濃度マナ生態系の種や卵に繁殖材などを打ち込む。

または大きすぎる小惑星の破砕とか

そういった作業にも使われている」

「はぇ~なるほど~」


「そしてこの砲とセットで使うものがコレだな」

「極小ゲート生成式測位アンテナ」

「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」


マナ接続仕様

標的近傍とアンテナ内に必要十分な短時間分だけ双方向ゲートを開き。

標的測位を諸々装備するパッシブアクティブ観測手段で行い。

標的距離によるタイムラグを大幅に減じる。

当然ながら標的近傍ゲート側に攻撃が直撃すると

アンテナ側ゲートから出てきてしまう為、

可能な限りゲートサイズは小さく、

アンテナ自体も艦中心部から遠ざける取り付けが行われる。

ゲート間最大距離にサイズが左右されるため、

搭載最大射程火砲想定交戦距離にあわせたサイズが搭載される。


「ほ~そういうこと~」

「うむ、そういうことだ」

「どうゆうこと?」

「10秒前の敵を見て10秒後に届くレーザーで、

動く的当てするより?とっても当てやすい?」

「ふむぅ、なるほどな」

「ははぁ帝国艦は狙撃に特化しているってわけか」

「そういうことだ、

少なくとも同程度の遠距離射撃能力がなければ、

帝国艦とは互角には戦えんだろう」

「ということは近づかれると?」

「そうだ、その差はかなり縮まってくるな」

「マナトリガー仕様とかマナ接続仕様とか最初にあるのは?」


「これは兵装の仕様の分類でな?マナトリガー仕様」

「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」


運転に人類は不要だが、

起動には人類が不可欠。

起動プロセスにマナ術式が含まれるため、

魂魄意思を伝達できる人類が必要。

憑依式マナ遠隔伝達でならば代替が可能。


「マナ接続仕様」

「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」


接続に常時人類が必要、

接続座標基準が魂魄意思発現座標となるため。

憑依式マナ遠隔伝達も代替不可能。


「純科学仕様」

「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」


運転、起動ともに人類が不要である。


「といった仕様分類を表すんだ」

「ふぁ~なるほど~当然機械生命体であるコマインは?」

「うむ、マナ仕様のものは模倣できない」

「結構、大事な点なんですね」

「うむ、そしてプリプリ劇場にも出てきたコイツ」

「事象マナ転化フィールドジェネレーター」


マナトリガー仕様

防御兵装として現実事象を全てマナに転化するフィールド発生器。

運動エネルギー(停止)、化学エネルギー(消滅)、

反応エネルギー(消滅)、光学エネルギー(消滅)等々、

ありとあらゆる事象エネルギーをマナに転化する。

転化したマナは用意されたバッファーに転送する。

バッファーをオーバーフローした場合はマナとして緊急放出するが、

放出経路にも術式が必要とされる。

その仕様上、転化出力か転送速度を上回る負荷を受けた場合、

超過エネルギー分は素通しとなる。

また転化したマナはほぼ全て冷却に用いられるが、

冷却効率の関係上1時間は残熱が残る為、

1時間のあいだの累積転化エネルギーの0.1%分転化出力最大値が減少する。

転化出力10TJであれば累積5000TJで転化出力5TJに、

累積9990TJで5GJに落ち込む。


「そういうことですのね?」

「うむ、鬼は特性と知性が付与されたマナであったためな、

簡易的な術式でも単純マナに分解して吸収できた」

「では試製とは違い制式版であるこちらは汎用性を獲得したと?

そういうことですの?」

「吸収再利用を殆ど諦めたら割と簡単にな?

というかそれをする必要がなくなった」


「……それはどういうことですの?」

「自前ですればよいじゃんって発想でな、コイツが生まれた」

「対消滅ジェネレーター」

「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」


マナトリガー仕様

H2Oをマナ術式で反物質励起しマナ転化フィールド内で、

対消滅反応を行いマナとして出力をおこない、

電力その他にマナ術式で再変換する。

入出力関係は以下である

H2O反物質励起入力=-1→対消滅出力=10000

対消滅マナ転化入力=-100→マナ出力=9900

→電力転化入力=‐100→電力出力=9800

なお本方式で得られたマナは崩壊性が非常に強く、

マナクリスタルへの定着も「根源」への送出も不可能である。

魂魄意思が非常に希薄なマナ「希薄マナ」なためである。

そのため純科学エネルギーへと変換出力することが一般的である。


「なるほど、物理事象からマナを得られてさらに変換も可能になったと」

「割と制約もあるもんでな、後にこんなものも開発された」

「希薄マナ混合術式リング」

「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」


マナトリガー仕様

帝国主力火力艦である戦列戦艦は、

徹底的な減量化低コスト化が図られており、

体積当たり重量は他艦の1/5まで下がっている。

それでもマナトリガー型空間跳躍式転移システム起動時に、

534億マナを最低限消費する事態となっており、

これを軽減するため希薄マナの存在寿命を必要分延長するために、

直径4kmの巨大な希薄マナ混合術式リングを艦後方に搭載している。

これにより必要出力99%を対消滅ジェネレーター群由来の希薄マナに置き換え

根源マナ消費を1/100に抑えている。

これは直径4.5km以上の艦船には必ず搭載されている。

なおこれ以上の低サイズ化は絶望的である。

民間基幹輸送船でも必須装備とされ、

帝国門通過可能サイズで最大の拠点艦と、

同規模の民間船がこれを搭載して多数往来している。


「帝国も苦労してんだな」

「割と頻繁にマナ収支は問題になるんだよ

これのおかげで帝国艦は巨艦か1000m以下と2極化したんだ」

「どうりで、だから拠点艦と防人艦隊艦のサイズ差が許されるのか」

「まぁ500m以下縛りもあるからな」

「それもあるんか」


「あとはそうだな現段階であればコレか」

「マナクリスタル」

「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」


マナを定着貯蔵可能な物質である。

生成方法自体がマナを圧縮することでできる固形物であるため、

マナそのものとも言ってよい。

圧縮したマナ量の100倍のマナ量を充填できる。

形状は無色透明の正12面体であり、

マナ充填率に応じてスペクトル的内部発光する。

現行帝国艦船規格は1マナクリスタル充填量は100万マナとされている。

コアボートもしくは100m以下級艦船用では10万マナである。

1マナは過去にエルフ1人当たり日毎マナ生成量の平均値とされた値であり、

1マナ=エルフ1人=獣人ドワーフハイヒューマン2人

=宇宙人類100人=地球人類10万人=1GWhとされている。

この規格品であればサイズは30cmほどであり、

充填されるマナ量を電力換算すると100万マナ=1PWhであり、

1PWなら3600秒、3600PWなら1秒の出力が可能である。

マナトリガー型空間跳躍式転移システムと

マナドライブフィールドジェネレーターの

起動に必要な瞬間最大マナ出力を得るために基本的には使われている。

対消滅ジェネレーターで得ようとすると

艦船内容積全てが対消滅ジェネレーターでも

出力不足となるためである。


「マナクリスタルチャンバー」

「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」


マナトリガー仕様

マナを定着貯蔵可能なマナクリスタルと

マナ入出力術式が刻まれた、

その格納容器のこと。

いわゆるマナタンク。

これを用いることで個人ではなしえない、

100万人級1億人級の大規模事象変更マナ術式を

使用可能にしている。


「バッテリー?コンデンサー?むしろブースター?」

「うむ、そうだ、運用的には一時的なブースター扱いだな」

「思ってたよりも小さいうえに高出力だな」

「だからこそ使われ続けているわけだ

対消滅反応でも未だ完全代替できていないからな」

「なるほど」


「概ねこのあたりぐらいの要目がこの時期に固まったわけだ」

「なるほど、基本設計思想の選択はこのあたりに終えていると」

「うむ、脳筋を近づけるな、光よりも早く狙い撃て、

艦内に入れるな、2度と艦内白兵戦はしない、それが帝国艦だ」

「「「「「「「「「あぁぁぁ~そういう………」」」」」」」」」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ