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第133話 事前情報無し一点読みのみの結果だな

『タッチダウンまであと30秒や』

『思考加速を』

『オンにしましたよ』

『アンテナを』

『5秒前に5光秒10光秒15光秒や』


「亜光速移動中でも見える」

「それも15秒先の未来を」

「その差は大きい筈だが…」


『機動砲艦たちは』

『20秒で』

『司令部その他からの通信は?』

『(各艦の奮励努力に期待する)だけでやす』

『ではまちましょうか』


「20秒?」

「8つの射出口で1秒毎に射出できるからな?」

「もう砲艦というより艦載機だなぁ」

「戦術も戦隊戦術ではなく編隊戦術なんだよ?」

「あー基礎が海戦ではなく空戦なのか」

「拠点艦が要塞、戦隊が艦艇、そして航空機…」

「まぁ概念的にはそうなるな」


『15秒前』

『10』

『9』

『8』

『7』

『6』

『5』

『アンテナ展開…相手の砲撃軸線のど真ん中や!』

『第5の司令部より戦列維持各個防戦指示!』


「事前情報無し一点読みのみの結果だな」

「うわぁ」

「えぇぇぇ」


『4』

『敵の布陣!タッチダウン位置から±15度が射界!』

『あードンピシャですかぁ…』


「とはいえ保険は掛けているわけだ?」

「射界30度で…」

「扇状に布陣…」

「そのど真ん中…」


『3』

『かかか!さすがの再現度だの!』

『2』

『第5はこの洗礼を演習で受けて幸運ですねぇ』

『まったくやな』


「ウタがやれるなら指し手もできる」

「そういう星系ですもんね」

「きっついなぁ」


『1』


『当艦タッチダウン!全艦タッチダウン!』

『回頭を』

『始めます!』


「戦列戦の初手はまずはコレだな?」

「メイン火力が艦首固定砲ですものねぇ」

「そして双方巨艦ばかり」

「回頭させるのも一苦労だと」


『機動砲艦を』

『連続全機射出開始!』


「出せるときにサッサっとだす」

「超高機動砲艦は…」

「出してる方が安全と…」

「加速力が全く違うものなぁ」


『マナ転化は』

『異常なしでやす!』


『艦首砲は』

『チャージング中!』


『各旋回砲塔は?』

『即時砲弾迎撃準備完了!』

『では回頭終了を待ちますかぁ』


「まっここらへんは至極当然だな?」

「淡々としてますね」

「本土艦隊と違い地上軍直協の経験か」

「冷静沈着ですね」


『敵艦発砲開始!順次射撃や!』

『狙いはどうです?』

『簡易結果出たで!あー右翼の親鳥狙いやな』

『それはまた』


「雲行きが…」

「本格的に…」

「怪しく…」


『精密結果はーあーマジかー直撃2万発超えとるわー』

『タッチダウン前の見越しでそれわキツイでやすねぇ』


「冷静沈着というより…」

「コレは諦念では…」


『見かねてうっとこ161司令部が遠隔シールド管制するそうや』

『早速リンク申請ですよ?承認しますね』


「これは?」

「どの艦をどの程度防御するかを自動決定する」

「超重要だな…」

「そして第5司令部からは発令されなかったと…」


『砲弾迎撃は第5がするんやって』

『こちらもリンク申請ですよ?承認しますね』


「第5艦隊司令部?かなり慌てている?」

「思い出したように発令されたもんな」


『お願いしますね…そうそう戦隊と砲台出しましょうか』

『!?了解!』


「あーだいぶ動揺してるんだなぁ」

「出すべき命令が…」


『戦隊は上で砲台は下で機動砲艦は上下としましょうか』

『いいんですか?』

『出せば皆、思い出すでしょう』

『了解であります!』


「相手の初手が効いてるなぁ」

「なぜ?そう考え、なぜ?できるんだよという衝撃」


『くくく、早々に呑まれるか』

『2万発…冷静に考えれば迎撃が容易なレベルなんですがねぇ』

『見えやしなかった筈なんでやすがねぇ』

『どうしてできるんでしょうねぇ』


「だができる、ならば指し手にも?」

「できて当然ということかぁ」


『マナシールド展開!各砲塔迎撃開始!』

『当艦回頭終了!目標選定リンク接続!艦首砲射撃開始!』


「そういや正面きった戦列戦は…」

「始めて見ますね」

「3個大艦隊…コマイン戦列砲艦だけでも…」

「6万隻もいるのかぁ」


『!?味方右翼で閃光!!おそらく観測妨害融合弾!!』

『迎撃効率45%に低下でやす…』


「火球で目くらまし…」

「初撃から搦め手…」

「それも効果的な手で…」


『敵弾!分裂直前軌道変更を確認!!妨害弾!!順次炸裂を確認!!』

『迎撃効率10%に低下…とあいなりやした』


「火球のカーテンの中で…」

「軌道変更してから1000個に分裂とか…」

「鬼畜にも程があるな…」


『妨害弾は如何ほどです?』

『1割で順次やな』

『軌道変更は?』

『全弾やな』


「妨害弾も軌道変更弾も存在自体は確認されている」

「つまりはできて当然と…」

「強襲独行艦…あのウルフたちを襲ったEMP弾じゃないですわね…」

「つまりは…まだ使われる前か…」


『…参りましたねぇ』

『機械神擬きもコレ使ってきそうやなぁ』


「分裂前に迎撃しようにも…」

「それ自体はすでに当然しているわけで」

「アンテナで火球カーテンの向こうは…」

「見えていているわけだから…」


『敵味方双方回頭終了でやすね』

『僚艦も戦隊と砲台出し始めとるで』


「不穏なまま…」

「淡々と戦列戦の準備が…」


『現状の遠隔マナシールドの最大過負荷は?』

『第5の親鳥6番艦やな、75%や』

『これはダメそうですね』

『せやな』


「あーどの艦が狙われているのか?」

「それを読み切れていないわけですか」


『どうしましょうかねぇ』

『思ってた以上に…』

『消耗戦になりますわ』 


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