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第131話 そのコストは高機動戦艦5隻分である

『そういえば龍虎同眠の諸元はどうなの?』

『演習ブリーフィング開始時間に閲覧許可でたで?これや』


強襲独行艦「龍虎同眠」


全長499m(+0m)

総質量693kt(+337kt)

ジェネレーター出力43PW(+33PW)

マナ転化フィールド最大出力33PJ(+13PJ)

100G耐機動性艦殻(+70G)

スラスター総入力369TW出力100G(+353TW+70G)

マナクリスタルチャンバー数43=43PWh(+29PWh)

戦列戦艦級極小ゲート生成式測位アンテナ1基(+1基)

巡洋艦級極小ゲート生成式測位アンテナ2基(+1基)

試製マナ再現式100TW出力スラスタ術式ユニット2基(+2基)

試製マナ再現式2次元駆動型30TW出力スラスタ術式ユニット2基(+2基)

試製直径30m連装砲マナ再現専用球形術式ユニット1基2門(+1基)

巡洋艦級艦首砲4門(+4門)

試製直径2m単装砲マナ再現専用球形術式ユニット16基(+16基)

次元境界面潜航システム

電磁波吸収フィールドジェネレーター6基(+5基)

観測システム群

簡易長期任務用居住設備(+50%)

小型倉庫(+50%)

人員は1班6名


『ほぅ思ったより…』

『明らかに小さいでやすね』

『そして試製の字の多さやねぇ』

『総評も公開されてるんよ』

「風林火山に較べて明らかに小さいなぁ」

「試製?術式ユニット?」

「マナ再現式は聞いた事あった気が…」


ハム公が100G体現者の為に

費用対効果を必死に追求した半量産艦

100Gに耐える為に小型化を追求し

どうせならと拠点艦に格納できるサイズを

費用対効果と苦闘しながら追求している

旋回砲塔と砲身は耐Gの観点から断念し

帝国門主砲の形式であるマナ再現式を採用

コストは5倍に増えるが

最もコストが高い耐100G艦殻の大きな減量で

総合的には大きくコスト減になることが判明

砲だけでなくスラスタもマナ再現式にすることで

大幅にコスト低減でき小型化にも成功した


『あぁ帝国門主砲の方式を砲とスラスタで…』

『使えるようにしたってわけねぇ』

『100Gに耐える旋回砲塔と砲身は…さすがにキツイか…』

『スラスタも100Gともなると嵩張るやろしなぁ』

「だから非実体にしたのかぁ」

「コストは5倍…けど耐100G艦殻増加よりはマシと…」

「結果として小型化につながったと」


艦様も独特であり

巡洋艦級艦首砲4門で構成される艦首部側面に

2次元駆動する艦首スラスタで上下起動とロール性能を

劇的に向上させており、マナ式未起動時用として

従来型の固定サイドスラスタも搭載している


『だいぶ縦長配置でやすね』

『そうやな上下にマナ転化やら積んでそうやな』

『しかし非実体スラスタだからって動かすとわねぇ』

「上下方向に回転するのか…」

「回避性能にガン振りかぁ」

「相当なGがかかりそうですわね…」


艦首砲の上下と後ろからは艦内設備群が詰め込まれており

艦首スラスタに干渉しないよう上下に大きく膨らんでいる

そのまま直径30m球形術式ユニット左右露出状態で

上下で艦殻で囲い固定している


『抱え込んだ玉っころが異様…やね』

『今までの帝国艦とはだいぶ…』

『幅40に縦が80くらいか…』

『ギリギリ拠点艦格納サイズね…』

「ハム公…この設計…」

「あぁだいぶ苦労した…」


直径30m球形術式ユニットの後ろからは

169TWの大出力の従来スラスタとサイドスラスタ

これだけでも60Gを発揮できるが

上下にマナ再現式100TW出力スラスタ術式ユニットで

100Gを発揮できるようになっている


『実体部分だけでも…』

『60G艦として動けるわけですねぇ…』

『手堅い設計ですねぇ…』

「そう簡単には実現できないからですか…」

「そうだ、そも実体で100Gは無理があったからな」

「コスト以前に実現できなかったと?」

「そういうことだ」


直径2m球形術式ユニットは艦首側と

30m球形術式ユニット固定部の側面に

2基ずつ計16基を搭載している


『1mではなく2mやなぁ』

『単装だからということですかな?』

『副砲としてはかなりの火力だな』

「副砲のマナ再現を担う部分か」

「副砲として16基で火力は1m32門以上ですわね」

「戦術上これくらいは必要でな」


球形術式ユニットは球の直径と同じサイズの

歪曲式反物質投射砲と歪曲砲を再現可能となっており

射界も再現砲を曲げる事で全周に対応可能となっている

つまり常に口径30m砲2門と口径2m副砲16門を

同一目標に放つことが可能となっている


『射界も帝国門主砲と同じくですかぁ』

『タケル達も主砲は艦を回した方が…』

『早いって言ってましたねぇ』

「はぇー何処にでも撃てるってかー」

「球の直径が最大サイズなんだな」

「制式採用されてないのは?」

「60G以下だと割高でな?不採用となってる」

「通常の旋回砲塔の5倍でしたわね」


マナ再現式を各所に導入したことにより

小型化に成功した分、必要ジェネレーター出力は増加し

そのしわ寄せは居住区と倉庫と弾薬庫にでている

結果として融合弾同時着弾射撃は不可能となっている

とはいえ5割増しの居住区と汎用倉庫で

必要充分の居住性改善は行われている


『艦首砲はあれども置くスペースがないか』

『同時着弾は相応に弾薬を使うでやすからねぇ』

『切るとしたら弾薬庫と居住区に倉庫か』

「それでも標準よりは…」

「ある程度拡張されているようですね」

「それらの配分は各班の要望に沿っているぞ」

「さすがにそうか」


電磁波吸収使用時はマナ再現式は使用できず

60G機動となるが大きな問題ではないと判断されている

耐61~100G艦殻のコスト問題で

61G以上の機動性を求める場合は

この設計をベースにすることを求められる


『併用できないんやな』

『だから60Gで動けるというわけですかぁ』

『相当に無理のある設計でやすかぁ』

「60Gを超えるとそんなに厳しいのか」

「そうだ自由度は殆どない」

「これでなければ実現できなかったと」

「うむ、どこかしら機動中に分解する」

「だから実体部分はガチガチなんだな」


その設計思想は

大型目標に対し10~15光秒で口径30m主砲2門で相対し

近寄る小型目標を副砲16門で打ち払いつつ

その100G高機動で回避し続ける

シンプルに特化した設計思想である

そのコストは高機動戦艦5隻分である


『あぁーだから口径30m主砲なんか』

『なるほどですねぇだいたい4射で』

『戦列砲艦を墜とせるでやす』

「小艦隊と正面から…」

「そうだ、設計目的は其処だ」

「なるほど、4号を使わずに撃ち合う設計…」


『班員の情報は?』

『どうも其処は非公開のままらしいで』

「そうなのか?」

「アヤツとは違い副業は不要だからな」

「帝国全土に売り出されるのは…」

「流石に…」

「だろう?」


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