第12話 まっ良くも悪くもこれが帝国であり皇族であり女帝だ
「とまぁそんなわけで、最高潮に達した民意に乗っかり
殲滅作業を開始したわけだ?」
「「「「「「「作業……」」」」」」」
「まぁ相手はもう国家の態をなしてなかったからな
作業にもなるさ」
「……プリプリはその流れで女帝に?」
「そう思うよな?第10分隊長?帝国国民もそう思ってたんだ」
「……違うの?」
「うむ、事態は突然急変する
本当の意味での人類の危機はココから認知されたんだ」
えっココから?
「エメスルや他の皇族にオレらはプリプリのことを
己が目的のために罰ゲームを甘受する根性ある奴、
そう捉えていたんだ」
「……違ったの?」
えっ違うの?
「あれは殲滅作業が半ばを迎えた頃だったな、
もう頃合いだろうと次代女帝に内定したことを伝えることになってな?
オレがその役目を担ったんだ、その時の映像だ。
『次代女帝はお前で決まりだ、よく頑張った』
『はぁ?ハム公なにを言っている?
言ってよい冗談と言ってはいけない冗談の境目消失したのか』
『はぁ?流石にその返答はないだろう?
こっちは珍しくも素直に労ってやったのに!!』
『何を言ってる!!万年平均点の私が!!
帝位継承順位ランキング1位なんてあるわけないだろっ!!』
『はぁ?はぁぁぁあ!?おんまえぇぇぇマァジィかぁぁぁあ!?
おっ!!まっ!!えっ!!が知る自分の最後の順位言ってみろぉぉぉ!!』
『うるっさいなぁぁ!!14000人中の7000ちょうどだ!!
文句あるかぁぁぁぁあ!!』
『文句しかねぇぇぇぇぇよぉぉぉお!!
魔導帝国歴788年の順位じゃねぇぇかぁあ!!
今は何年だぁぁぁぁあ!?いってみろぉぉぉぉおお!?』
『えっ!?魔導帝国歴850年?です?』
『い!ま!す!ぐ!自分のランキング順位を見ぃぃろぉぉぉお!!』
『イエス!!マム!!……………マム!!ランキングおかしいです!!
2位に10倍差つけた1位の名が私であります!!
ありえません!!』
『おおぅぅもう……時系列で見てみろ?788年まで遡ってみろ?』
『えっこれ私!?私なんですか!?ハム公!!』
『次代皇帝内定告知でオレはいまココにいるぞ……?』
『はっ!?えっ!?はっ!?ハム公たすけてくださいぃぃぃ!!』
『助けてほしいのはこっちだぁぁぁぁ!!』
『あたっ!!あたたたた!!ハム公!!そのカワイイお手々で!!
な!!んで!!アイアンクロウできるんですかぁぁぁ!!』
『だまれぇぇぇぃ!!離れろっ!!離れんかぁぁあ!!鬱陶しいっ!!』
3000年を超える記憶の中でも有数の衝撃だった……」
「「「「「「「「「………」」」」」」」」」
プリプリぇ……
「暫く錯乱哀願するプリプリをやっと宥めて、
その間に気づいて解消したかった疑問を聞いてみたんだ?」
『62年間もランキングを見てなかった皇族というのも前代未聞だが、
お前個人については……お前だからと納得しよう。
幼年期からその特質はもっていたからな?』
『ううぅぅ、ハム公が鬼教官ハム公に戻ってるぅぅぅぅ』
『だがおかしくないか?お前もそれなりに他の皇族と
関わり合いはもっていたろう?例えば同志とか?
話題になることなかったのか?62年間もだぞ?』
『はっ!!そう言われれば確かに!!確かに全く記憶にないです!!』
『うむむ、もう面倒だから本人に聞いてみようではないか?』
『そうですね!同志リーダーにまずは聞いてみましょう!!』
『同志リーダー!お久しぶりです!!
ちょっとお聞きしたいことがあるのです!!
今!お時間ありますか!?』
『あ~私もいる、私も聞きたくてな?』
『あらあらまぁ、ハム公もご一緒に?えぇいいですよ?』
『同志リーダー!!私が帝位継承順位ランキング1位って話題!!
私としたことありましたかね?私は記憶にないと思っているのですが!!』
『あらあらまぁまぁ、ハム公と一緒にいて、この質問ですか?
ふふふふふっ、そうですか、ついにですか、ついにこの時がきてしまったのですか』
『えっ!?同志リーダー?なっなにを?』
『まずはおめでとうございます、次代女帝プリプリ帝陛下?
内定告知のお勤めご苦労様ですハム公?』
『なっ!!プリプリ!?』『ほぅぅぅなるほど』
『流石はハム公、アレだけで察して頂けましたか?』
『1人か?』『えっ?ハム公どういうこと!?』
『いえいえ、私たち全員の5人ですわ』『同志リーダー!?なんの話を!!』
『ふむ、後で招喚するが構わんな?』『まって!私ついていけてないっ!?』
『えぇ全員この時を待っていましたから』『私!!置いてかれてるっ!!』
『そうか……ではコイツの対処に移るか?』『コイツって私なの!?』
『そうですね、割とうるさいですし』『扱い!!私の扱い!!私ほんとに次代なのっ!?』
『ではプリプリ帝陛下?ご説明差し上げますわ』
『なんでプリプリ帝……同志リーダーわかりませんっ!!』
『それはね?あなたがプリプリすると世界が動くからよ?』
『ふぁっ!?意味が解りません!!』
『ふふっ、今はそれでいいわ
それは置いておいて、あなた共和国国民にずっとプリプリしてたでしょ?』
『ふぇっ?えぇ?そう?です?ね?』
『そしてプリプリすると貴方は
その事柄に対してだけはとても有能になるかわりに
それ以外の事が全く見えなくなる、知っているわよね?』
『はい……ハム公にもよく怒られました……』
『たしかによく怒ったな?いっこうに改善せんから諦めたが?』
『そんな貴方から帝位継承順位ランキングの話題を封鎖したうえで
貴方がプリプリするような長期的難題を与えると……
どうなるのかしら?』
『!?同志リーダー……うそ?ですよね?』
『知ってたかしら?私達全員昨年で100歳超えたの』
『!?継承資格喪失!!』
『あと全員民間有力者の家に迎えられることも決まってるわ』
『!?民間!?』
『貴方のおかげで平穏な生活を送れそうだわ?』
『!?平穏!?』
『だって貴方以外が対処すると帝国は大混乱したでしょうから……』
『ふぐぐぐぅぅぅ、じゃぁ最初から?最初からなんですかぁぁぁぁあ!?』
『そう最初から、貴方がいけないんですのよ?
プリプリするから女帝になるんですのよ?』
『最初から謀ってたんですかぁぁぁぁぁ!!同志リーダーぁぁぁああ!!』
『えぇそうよ?プリプリ帝陛下?』
『ふっぐぅぅぅぅぅぅぅううううう』
『ふむ、実に見事だな、プリプリは一回寝ろ、その間にいろいろする』
『ハム公までプリプリいうぅぅぅ』
『当たり前だ、こんだけ見事にやられたら言われて当然だ覚悟しておけ?』
『ふっぐぅぅぅぅぅぅぅうううううわかりましたぁぁぁ寝ますぅぅぅぅ』
「つまりだ、プリプリもまた踊らされていたんだ」
「……プリプリ帝爆誕秘話」
「……人類史上、もっとも成功した虐殺者の異名がプリプリ帝」
「……新兵のような言動の次代女帝」
「……魂の咆哮を挙げながら号泣する最も民主制に理解ある元総督」
「……素直にふて寝する3STEPで60億の不穏分子を抹殺した鬼畜内務官」
「「「「「「「……どう受け止めれば?」」」」」」」
「実際、プリプリしてないときのプリプリはこんなもんだ
この時にオレもそういやそうだったなコイツ……と思い出した」
「「「「「「「……極端」」」」」」」
「とはいえ功績自体はプリプリのものだし?
既に内定もでてるし?こらどうしたもんかな?
と一瞬考えて面倒だと判断してな?
まっ最初に同志リーダーの話を関係者全員で聞くべきだろと、
まずはその場をセッティングしてみたわけよ?」
「ん……理解」
「ここからも映像で見てもらった方が良いだろうな」
『エメスル陛下とその側近の方々に、
最古参魂魄式AIのお歴々全員に、
今代の側近たるシングルナンバーの方々、
錚々たるメンツですわね?ハム公』
『まぁそれだけの事を成し遂げたわけだからな?
基本的には傍聴者みたいなもんだが悪いな?』
『いえ、むしろ感謝してます』
『そうなのか?』
『えぇかなり手間が省けます』
『さて、プリプリに言ったことが全てではないんだろ?』
『当然ですね、あの程度の動機でするには大事すぎますから』
『では説明してもらおうか?』
『その前に、まずはこちらを』
『ふむ?中身は鍵か?それと紙?手書きの文書か?また古いな?』
『申し訳ありませんが、文書の方をお読み上げください』
『ふむ?かまわんぞ?
プリプリ帝爆誕計画書開封手順
・保管場所は皇族専用施設「完全封印管理保管庫」
・開封履歴を開封前に「紙面上に」記録しておくこと
・開封時は最古参魂魄式AI末端端末3名同時に皇族3名以上の相互監視立ち合いを必須とする
・開封直後に3種の異なる手段で計画書内容のバックアップをとること
・バックアップ中は可能な限りの頻度で3種で差異が生まれていないことを確認すること
・その他、開封後に考えられうるあらゆる捏造の可能性を全て事前に排除しておくこと
・保管ナンバーは同封の鍵を参照、ただし上記すべての準備を終え、
すぐに開封作業に移れる状態になってから参照すること。
参照されると隠蔽術式(発光)が展開されるので、
発光を立ち合い者全員で確認後に術式破壊すること
これは……どういうことだ?』
『この手順に沿って開封することで
私たちが想定する事象の物証が完成します。
実施いただけますか?』
『よかろう、これは相当に厄介な証明問題と思うが?』
『はい、そのとおりです。だからこその開封手順です
万に一つも疑義が存在することは許されません』
『うむ、その点を勘案してだいたい1時間か?
すでに指示と協力要請は出しておいた』
『ありがとうございます、おそらくは先方の妨害はないかと。
先方も望んでおられると考えておりますので』
『そうか、そう想定しているのか……』
『はい、差し迫った人類種存続の危機かと』
『あぁそうなってしまうな……この会議は長そうだエメスル?』
『あぁ、女帝と最古参魂魄式AI全員の承諾により、
本件は機密レベルZ、期間は当座は100年とする。
ただし先方の希望を最優先とする』
『『『『『『『『はっ!!』』』』』』』』
『では、しばし待つか、証明されてから始めよう』
「まぁあとはすんごい長いのでプリプリに説明した際の映像で見てもらおう」
「……違和感がすごい」
「……すんごいシリアス空気なのに」
「……モノがプリプリ帝爆誕計画書」
「いうな……ではプリプリへの説明時の映像だ、
あぁいくらでも突っ込んでよいぞ?
帝国に皇族に対する特別な不敬罪はないからな?
一般国民と同じく常識的礼儀が守られていればなんら問題ないぞ?」
「つまり、突っ込みどころ満載と……」
未だ未発言の第6と第8分隊長にとっては過酷な試練だな…
『あっあの?なんでこの配置なんですか?
右にエメスル陛下とその側近の方々に、
左に最古参魂魄式AIのお歴々全員に、
背後に今代の側近たるシングルナンバーの方々、
そして正面に同志諸君……。
えっ私は被告なんですか?』
「かっ囲まれているっ……」
「そう思うのも無理はない……」
『では始めるか?』
『えっ?ハム公!?何がはじまるんですかっ!?』
「華麗にスルーされてる……」
「すんごい勢いで人物像が塗り替えられていくな…」
『そうだな、役者は揃ったことだし……
二代目女帝エメスル・スフームが宣言する!!
これより!!上位存在寵愛甘受者への寵愛宣告を行う!!
なお今代女帝と最古参魂魄式AI全員の承諾により、
本件は機密レベルZ、期間は当座は100年とする。
ただし上位存在の希望がそれを優越することに留意すること』
『ふぁっ?陛下っ!?上位存在っ!?』
「ふぁっ?こっちもふぁっ?だよっ!!」
「えぇぇそういうことなのぅぅぅ」
「は?はっ?意味が解らんのだが?」
「たぶん全部説明されるぞこれ」
『最古参魂魄式AI全員のデータベースに
今のご発言が記録されたことをここに報告します』
『ハム公!?そんな言動できるんですかっ!?』
「そこに食いつくんかプリプリよ?」
「わりと余裕あるな?」
『では上位存在検証委員会、委員長、進行を頼む』
『えっ!?陛下!?なんですかその委員会!?聞いたことないです!!』
「いやなんかもう脊髄で反応してないかコレ?」
「……プリプリの素?」
「そうかもな?」
『はっ!!では始めさせていただきます』
『えっ!!同志リーダーが!?ここで返事するんですかっ!?』
「……委員会も爆誕?」
「餅は餅屋に任せるスタイル?」
赤毛エルフの同志リーダー…キャラ濃いなぁ…
『ではプリプリ帝陛下?始めますよ?』
『同志リーダー!?その呼称はイヤですっ!!』
「プリプリ素直だな」
「愛されキャラ臭すら漂ってますわ」
「おかしい虐殺者な筈なのに」
『私の事は今後は委員長とお呼びください
また現時点でこの場にいる人類で
プリプリ帝陛下の事を他の呼称で呼べる蛮勇持ちはおりません
ご心痛お察ししますが、どうかご甘受ください』
『ふぁ!?蛮勇っ!?プリプリ呼びしないと蛮勇っ!?』
「徹底して本名呼ばれない……」
「女帝名の前の名がある筈なのに……」
『プリプリ帝陛下?それは無理もないのです
何故ならばプリプリ帝陛下はご寵愛を頂いているからです』
『!?誰のっ!?』
『とある上位存在です』
『上位存在って誰ですかっ!?」
『神に等しいモノ、もしくは神そのもの、といったところです』
『ふぁっ!?正気ですかっ!!同志リーダー!!』
「物証の存在を知らなければ……」
「そう思って当然だな……」
「どゆこと?」
『委員長です、そしてまことに残念ながら……正気なのです』
『何処がっ!?』
『そんな貴方の為に用意しました物証です、どうぞこちらを』
『これは?』
『まずは表題をどうか読み上げてくださいませ』
「来たな」
「来たね」
『んん?いいですけど?
プリプリ帝爆誕計画書?
著 魔導帝国歴784年?
著者 同志全員の名!?血判まで!!
これは!!どういうことです!!』
「そっからかぁ」
「……プリプリ可哀そう」
「その時点から……ですの?」
「んん?」
「ふむぅ?」
「あぁぁそういうことかよぉぉ」
『私たちが上位存在に提案した貴方の華麗なる人生の台本です』
『台本っ!?』
「おおう、そういうことか…」
「これはっ辛いねっ」
「グスッ」
おっついに第6分隊長に動きが、
映画に感情移入して泣いちゃうタイプか、
容姿はあっけらかんゴーイングマイウェイな快活少女なのに。
『これを貴方が幼少教育を終える1年前に、
私たちが記し、誰にも伝えず完全封印管理保管庫に封印し、
昨日、封印を解くまでの66年間、私たちは一切他言していないこと。
その事実をハム公達と陛下達に確認いただきました』
『えっ?そんなことできるんですかっ!?』
「ほんとだよ!!なんでできるんだ!!」
「……これは不穏」
『できるんだよ、110才までの皇族ならな?』
『ハム公?』
『次代確定なお前たちならもう明かしても構わんしな?
110才までの皇族には常にオレ等の使い魔が貼り付いとる』
『ふぁっ!?』
『その行動言動は後から参照できるように全て記録されとる』
『ふぁぁぁぁぁあああ!?』
「これっ俺達もかっ?」
「私たちもっ!?」
「ふっ、どうだろうなぁ?」
『私たちも……いろいろ思うところはありますが……
おかげさまで事実を客観的に確認いただけました』
『1600年も無戦でいたのは伊達ではないのだよ?
そして、その記録を誰も昨日まで参照してないことも事実だ』
『えっ?ということはつまりは?』
『それの存在と内容を知る人類は昨日までは
委員長含む委員会メンバー5人だけだ』
『そして私を含む委員会メンバーが貴方に対して
貴方が求めるモノにしか答えていないという事実も?』
『確認できてしまった』
『つまりはそうなんですね?』
『そうだソレは昨日まで、人類社会に一片の欠片も関与していない』
『……見るのが怖いです……ハム公……』
『いうなれば神遺物だからな?面倒だからさっさか見ろ』
『うぅぅぅ、ちょくちょく鬼教官にもどるぅぅぅわかりましたぁぁぁ』
「……ついにプリプリが知る時が」
「うぅぅ……グスッ」
「……この後を見るの辛いな」
『…………どれもこれも思い当たることばっかりなんですが?これ私の日記ですか?
そんな心胆寒からしめる事実よりも気になることがあるのですが?
なんかこう……書き方がおかしくないですか?台本として?同志リーダー?』
「んん?」
「あれっ?」
「グ……ス?」
『プリプリ帝陛下、それは相手に対する認識不足からくる違和感です。
プレゼンする際は相手の趣向を知っておらねばなりませんよね?』
『確かに!!それはそうですね!!』
「……割と打たれ強い?」
「悲の字が遠ざかっていく気配が…」
第8分隊長!!ここで!?
『足らない情報はコレですよ?
あなたを寵愛する上位存在の趣向はリアクション芸です』
『!?!?!?!?』
「「「「「「「「!?!?!?!?」」」」」」」」
「そして華麗に笑の字降臨」
はっ?えっ?第8分隊長!?
『この台本はお笑いの台本です、コメディです、ギャグです』
『あぁぁぁ確かに!!言われてみれば確かに!!』
「悲の字ご臨終」
「「「「「「「「!?!?!?!?」」」」」」」」
第8分隊長の切れ味がっ!!
『私達委員会は、大長編たる本作の前に数十本の短編台本を
上位存在に、ご提案し、いくらかご採用いただきました』
『ふぁぁぁああ!?知らぬ間にプロデュースされてる!!人生そのものを!!』
『その記録もあった、確かに事実だった』
『これも証明されてるっ!!』
「処女作ではなく集大成」
「「「「「「「「!?!?!?!?」」」」」」」」
第8分隊長の切れ味が鋭すぎるっ!!
『そもそもの始まりは775年ごろに
貴方と同期の皇族たちから相談を受けたことが
始まりだったのですよ?』
『ふぁっ!?』
『貴方の周囲にいるとギャグ時空に生きているかのような目に遭うと……
どうしたらいいんですか?助けてください……と』
『その記録もあった、確かに事実だった』
『ふぇっ!?』
「そして発端も悪意からではなくと」
「「「「「「「「!?!?!?!?」」」」」」」」
第8分隊長!!なぜそんな視点で!?
『私たちが身をもって盾になると同時に、
検証、試行錯誤し、上位存在を確信し、
台本をご採用頂けるまでに、その趣向について理解を深めました。
そして……結論を得たのです』
「ふっ、だから心配しなくてよいぞ?第6分隊長?」
「!!…ハイっ!」
第8分隊長かっけぇぇぇぇ
容姿は闇系悪女なんにかっけぇぇぇですわ
『けっ結論です?か?』
『『『『『『『プリプリがプリプリ!!』』』』』』』
『ふぁっ!?ハム公達!?』
『『『『『『『神は!!』』』』』』』
『ふぅぇ!?陛下方!?』
『『『『『『『ソレを!!』』』』』』』
『ひぃぃ!?シングルナンバー方!?』
『『『『『絶対に拾う!!』』』』』
『っぇぇえ!?同志たちぃぃ!?』
「これ演技指導、同志リーダーだろ」
「そうだね、常に徹底してるね」
「上位存在のリーダーの評価くそ高いんだろな」
『ふふふっ、あなたがプリプリすると世界が動く
今度はご理解いただけたかしら?プリプリ帝陛下?』
『理解したくないですぅぅぅぅうう!!そんな現実はいやぁぁああ!!』
『ふふっ逃げることは不可能でしてよ?』
『あぁぁぁそんなぁぁぁぁ』
「こうやって自然にプリプリのリアクション芸を取りに行くと」
「同志リーダー有能すぎませんこと?」
『それに私たち委員会の台本が採用されるのも
本作が最後ですもの、もう直接は貴方のお力になることはできないわ』
『!?そんな!!それはどうしてですか!!』
『ここまでネタバラシししたのよ?二番煎じは採用されないわ、きっと』
『あぁぁぁぁぁそんなぁぁぁぁ』
「ここで自立を促しつつ保身も完成」
「……計画書封印時点でココまで折り込み済?」
『けど、その甲斐あって裏目的も確認できたわ』
『ふぇ?それは?なんです?』
『ふふっ、相手は笑いの為だけに
不穏分子60億を処せる感覚の持ち主ということよ?』
『!?』
「はっそうか!?そうなるのかっ!!」
「えっ?これヤバない?」
「つまり同志5人は75年間、孤立無援のまま」
『今、人類種は存亡の危機の只中にいるのよ?』
『えっ?はぁ!?いや?そうなる……んですか?……ですね?』
『そうよ?人類の存亡を賭けて日々
相手の笑いを勝ち取り続けねばならないわ
相手が貴方に満足するか飽きるまで』
『ふぁぁぁぁああぁぁぁぁ?うそぉぉぉぉおおぉぉぉ?』
「つまり、自分たちは勝ち取り続けてきたと」
「おぉぉぅ」
『私たち委員会のこれまでの研鑽から予測すると……
きっと今後は直接的なネタ振りをしてくるわ
それを貴方とシングルナンバーの方々は
アドリブで乗り越えながら笑いを取り続けねばならない
背後の方々の悲壮と覚悟に彩られたお顔はそういうことよ?』
『あぁぁぁそういう………』
「端的かつ効果的な助言に」
「うはぁぁぁ」
『けど悪い事ばかりでもないわ
相手が満足を覚えたら福音を与えてくれることも
確認できたのだから』
『ふぇ?それはどういう?』
「そして…希望をも」
「すごいな…」
『ふふっ、帝国の約束された混乱期を問答無用でぶっ飛ばしたわ。
不穏分子60億、人類総人口の8.5%も隠しもせず抹殺してる最中なのに?
なんら国情に乱れがないのよ?ありえないでしょ?』
『たっ確かに!!そんなことありえないですっ!!』
『おそらく笑い的に不興を買えば逆の事が起こるのでしょうけど、
少なくとも無報酬ではないことだけは確認できたわ』
『なっなるほどっ!!』
『概ねご理解いただけたようね?』
『ハイ!!理解したでありますっ!!』
『では、エメスル陛下、委員会からの
上位存在寵愛甘受者への寵愛宣告
これを終えましたことをここに報告します』
『うむ、大儀であった、さてプリプリ始め次代の諸君』
『『『『『『『はっ!!』』』』』』』
『私はこれを人類飛躍の機会と捉える!!
その為に、諸君らの尊厳と人生を上位存在に売り渡すとしてもだ!!
これは大きなチャンスである!!
今代女帝エメスルの名と責任において今、売り渡すと宣言する!!
諸君らも盛大に高値で吹っ掛けてやるがよい!!
我ら霊長類の長が当代もタダでは転ばぬこと見せつけてやれ!!』
『はっ!!やってやります!!』
『あとプリプリにはちゃんとした女帝名つけてやるからな?
流石にそこはチャンとしとかないと、
逆に不興を買うだろうと合意を得てるからな?
其処は安心しろ?』
『はっ身に余る光栄であります!!』
「まっ良くも悪くもこれが帝国であり皇族であり女帝だ、よくわかったろ?」
「「「「「「「「「なるほど」」」」」」」」」
「ふむ、ほどよい時間だな、今日はここまでとしよう、
ここに至るまでのプリプリ劇場の閲覧を許可しておく。
帝国の誇る大人気コンテンツだ、期待するといい」
「えっ!?機密レベルZはっ!?」
「察しろ」




