第125話 そうだろうそうだろう、やり遂げたのだ、だからこそ今がある
”『こちらウルフ1!!ウルフ99準備はいいか!!』”
”『こちらウルフ99!!いつでもいいぞ!!』”
”『こちらシーカー1!!タイムスケジュールを送った!!』”
”『いいぞ!!』”
”『こちらシーカー1!!マナ転化停止開始!!』
”『球陣ウルフはシーカー1に近づけさせるな!!』”
”『ウルフ99!!マナドライブテイクオフ!!』”
『ここが最も各艦が脆弱になる時間ですね』
『0.1光秒圏内に敵の大多数がいるうえで…さらには敵中ですからね…』
「周囲には6万隻の突撃艦がいる中でか…」
「さきほどの指向性爆発も考えると…」
「そしてこんな中を跳ぶのか…」
”『タッチダウンシーケンス開始!!』”
”『マナ転化停止!!電磁波吸収展開開始!!』”
”『こちらウルフ1!球陣ウルフ!!ウルフ99のタッチダウン位置周辺を掃除だ!!』”
”『ウルフ96だ!!待機領域に向け!!マナドライブテイクオフ!!』”
『シーカー1は無事に隠れられそうですね』
『そして…次はウルフ99が闘技場へ…』
「交代するのか?」
「4号はどうするんだ?」
「2隻いると使えないのでは?」
”『電磁波吸収展開完了!!さぁぁぁあまがれぇぇえ!!』”
”『こちらウルフ98!!いつでもよいぞ!!』”
”『こちらウルフ99!!タイムスケジュールだ!!』”
”『受け取った!!2秒間隔か!!』”
”『あぁそうせんと無理だ!!』”
『コマイン困惑してますね』
『やはり以前の闘技場の情報は得られていないようですね』
「そうだよな…ここでそんなことするの自殺行為の筈だもんな」
「あぁそうだ、絨毯自爆で吹き飛ばせることは既に知っている」
「だが…困惑しつつもしようとはしているな…」
”『こちらシーカー1!!潜航する!!40分後にな!!生き残れよ!!』”
”『シーカー1!!文殊通信途絶えた!!』”
”『連中ウルフ99のタッチダウン位置に気付いたぞ!!』”
”『墜とせ墜とせ!!ウルフ99に近づけるな!!』”
『これでシーカー1は一時退場ですね』
『無事に…球形陣位置に向けて次元境界面に潜ってくれました…』
「もしかして…次元境界面なら?」
「そうだ、4号の影響も相手の攻撃も受けない、まぁ通信もできないが」
「けど…位置は見えてるな…」
「加速してるからな…光る航跡が残るのは仕様だ…」
「なるほど…1隻では自殺行為な訳だ…」
”『こちらウルフ99!!4号起動!!さぁしこたまくらいやがれ』”
”『撃て撃て!!ウルフ99に近づけるな!!』”
”『出てない!!通信はできていない!!間に合ってるぞ!!』”
『歪曲中和弾、今回もしっかりと抜けますかね』
『5Mtとはいえ、抜けるなら数さえあれば充分に撃破可能です』
「えっ?すんごい近いよ?」
「0.01光秒圏内だ…要するに3000kmだ…」
「まじかぁ…そんな距離に跳んだのかぁ…」
「0.001光秒の速度制限付き砲弾だからな…」
「だから…こんな至近距離…なわけか…」
”『どうだ!!5Mtの砲弾が直撃する気分は!!最高だろ!!』”
”『ウルフ99!!調子に乗るな!!殺到してるぞ!!』”
”『あぁ!!アホみたいに寄ってきてるな!!次の目標に向かう!!支援頼む!!』”
”『あぁ!!我らでも!!その巨体!!破壊できると再度教えてやれ!!』”
『戦列砲艦、まずは1隻と』
『1000発ほど放っていますね…命中直撃は200程
…あとは誘爆もしくは至近弾となりました』
『確実かつ短時間撃破優先で過剰投射というわけです』
「数でゴリ押しか…」「そんなに撃ちこむのか…」
「当然だ、こんな巨艦だぞ?」
「くそでかい…」「普通にもう固定軌道施設じゃん」
「だよな…まるで一風変わったコロニーにしか見えん」
「これは?」
「観測情報を元にした再現モデルだ、
コマインを相手に鹵獲とか不可能だからな…」
「…あのでっかい輪は?」
「歪曲面生成装置兼ゲート生成装置と判断されている」
「…じゃぁ後部は?」
「3000組のリコイルスラスター兼推進用のスラスター群とパワープラント群だ」
「…中心のアレが?」
「そうだ、電磁コイル兼カウンターウエイトとそれを囲み巻き付いてる、
パワープラント群と蓄電設備群だドッキングポートでもある」
「…つまりはアレが」
「そうだ、砲身だ」
「よくよく見ると…本当に無茶苦茶な艦だな…」
「そうだな、艦隊戦列戦に対応する、もうそれだけしか考えてない艦だ」
「近接防御兵装すら省いているんだよなぁ」
「これが100隻…ですよね?」
「そうだ小艦隊相手だからな」
「大艦隊はコレが2万隻…なんだよな?」
「そうだな、1個大艦隊にはそれだけいるな」
「667番星系にはコレが200万隻…になりますわね?」
「そうだな、100個大艦隊が其処にはいたからな」
「水鏡範囲内造船力…年産20個大艦隊…つまりはコレが年間40万隻…と?」
「そうだな、電撃戦まではそうだったぞ?」
「電撃戦の戦果…105個大艦隊…つまりコレを…210万隻沈めたと?」
「そうだな総数で言えばそうだったな」
「すごいな…想像以上の戦果だってことが今理解できた」
「とてつもなく大きな戦果ですわね」
「あぁなるほど、これは放置できない」
「全てを掛けて打って出るしかない」
「手段を選ばないのも当然だ」
「放置すれば詰む…当然の判断だ…」
「アングリス総司令の功績…あまりに偉大過ぎるだろう」
「そうだろうそうだろう、やり遂げたのだ、だからこそ今がある」




