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第115話 この先に多くの部下と戦友を救える道があるのだと…

”『むっ?そうか昼行燈、見ていたのか』”

「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」

『えっ??何でわかるのぅ!?』

『いやいやいや!視聴元は認識も表示もされとらん筈やで!!』

『そんな細かい機能!!載せてませんぜ!!』

『わかるのは見られている事だけの筈…』

「そりゃ…」「驚きますよね…」「解らない筈なら…」「なおさらに…」


”『ふん、そう慌てるな、推察というやつだ』”

『まってぇ!!なんで会話が成立してるのぅぅぅ!!』

『通信つながっとらんで…』

『確かに繋がってないでやす…それは確かでやす…』

「読み…」「それに対する確信…」「揺るぎない…」


”『そうかそうか、見ていたか、白兵戦闘その初回から見ておく…か』”

『ヤバいぃぃ!!なんなのこの威圧感!!』

『地表…地表にいる筈なんだ…』

『ほんとに…同じ人類なんか…』

『ウチにいるときと…存在感がまるで違う…』

「そうか、戦闘中の姿を…」

「初めて見たという事ですか…」


”『良い心がけだ、それでこそ戦友足り得る』”

『そんな…あの赤くてちんまい狐っ娘が…こんな…』

『まさか…ここまで…』

『これは…まるで…歴史有数の覇者…』

『もう…そうとしか言えんやないか…』

「確かに…」

「古代や中世の英雄を…」

「彷彿とさせる…」

「歴史の教科書4ページ…」

「それくらいはありそうですわね…」


”『言ったな?昼行燈?』”

『ひぃぃぃぃ、なんでぇぇぇぇぇわかるのぅぅぅぅ』

『司令…』

『そら…』

『悲鳴を…』

『上げて…』

『当然よねぇ…』

「完全に…」

「見透かされている…」


”『ふむ、その観戦料、赤いきつね10杯としよう』”

『えぇえぇ、そらもう何杯でも用意しますとも!!』

『司令…』

『良かったですね…』

『その程度で済んで…』

「転がされてるけども…」

「その転がし方…」


”『さて我らは休息に入る、戦闘実況は自動で切れる。

それに優秀な諸君らの事だ、見るのは一度で充分だろう。

我らは暫くは殲滅に明け暮れる日々だ、

戦間期にまたまみえるとしよう、でわな』”

(ふぉん)

『実況、切れたで…』

「「「「「「「「「……」」」」」」」」」


『ねぇ、ウチの師団ヤバすぎない?』

『精鋭…切り札…と』

『言われているのは知っていましたが…』

『どう考えても過小評価や…』

『精査した資料でもここまではと…わからんでやした』

『これが門番長殿で在らせられます』

『『『『『!?』』』』』

「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」


『ケント…知っていたのか…』

『はい…アレはウタの辻斬り運用開始直後の事でした』

『籠城戦後期になるなぁ、その頃からか』

『かのローン大佐からウタに個人的に打診してくれないかと

頼まれまして…ウタ用憑依式盾ナグール、その実動データ取りです』

『んん?なぜそんなことを?』

『ウタに辻斬りではなく、同条件の盾ナグールでもって、

その高みを地上軍に示してほしい…とのことでした』

『つまりは教練実習機用のデータ取りやな?』

『そうだ、数度、帰還の合間に習熟と操作データ取りをしてあげたそうだ』

『憑依式ということは中に人は?』

『あぁ、入っていないそうだ、

中には駆動系操縦系を辻斬りと同等にしたミニチュア辻斬りが入っている、

保持マナ量はウタのマナ量に合わせてあった、

その部分に関しては恐ろしく高コストであったが、

盾ナグール自体は通常のモノと全くの同等だ』

『そして、教練実習機に登録されたのでやすね?』

『登録名は”ウタin盾ナグール”だ』

『まさか…それを選択すると…』

『ウタに通知が届き、ウタに時間があり気乗りすれば、

ローン大佐が渡した専用小型実習機で相手をする』

『それ…全員は相手できないでしょぅ?』

『ゆえに門番制度…というわけです』

『あの狂信性…そういうことやったんか…』

『そうだ、門番長殿を始めとする席次持ちの方は…』

『魅せられたのでやすね?』

『そうだ、辻斬りではなく同じ盾ナグール…それで魅せつけられたのだ』

『それがウタ教信者の始まりやったんか…』

「それが始まりだったのか…」


『門番長殿は籠城戦時…拠点艦ツーソンにおられました』

『信者として古参も古参ということですかぁ』

『ウタと10合交えられるもの、それが門番長の必要要件です』

『アレができる人で10合なんか…』

『当初は誰も2合交えられなかったそうです』

『まじかぁまじかぁ』

『そのあまりの差に崩れ落ちるものの中で最初に立ち上がったのが…』

『プリサイス・レッドフォックスウォリアートライブ大隊長やな?』

『そうです、当時大隊長であった門番長は、まずは模倣から始めたそうです、

ウタは特に教えてるつもりはないので』

『え”っ?そうなの?』

『そうです、ウタにとっては気晴らしにすぎません』

『そしてなんとか3合交えられるようになったとき…

その武は驚異的な高みに到達していたのです』

『どの程度なんでやす?それは?』

『今の赤いきつね小隊長クラスは凌駕する程度、

中隊長と同等程度、大隊長に及ばぬ程度、

プラウドリー3席に到底届かぬ程度、

しかしそれは劇的な効果をもたらしました』

『それはいったいなんなんや?』

『6脚以下の出来の地上兵器相手にどう囲まれようが倒れる事がないのです、

そして6脚に対してもそうだったのです、自マナが尽きぬ限り』

『そういえばグレイシャー准将も…』

『つまり単機駆けが可能になったのです…そして気づいたそうです』

『何にだね…』

『この先に多くの部下と戦友を救える道があるのだと…』

「「「「「「「「「……」」」」」」」」」


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