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第10話 ……それでプリプリ

「さて、おはようだ諸君、今日は要望も多かったし質疑応答の時間としようか?」

なるほど、今日はいくらでも聞けと。


「もちろん現時点で答えられる範囲内でしか答えんがな?」

がソコはつれない。


「では質問があるものは挙手するとよい、ふむ第4分隊長?」


「ハムちゃんは当時は何をしていたんですか?」

ちゃんっ!?ちゃん付けなのっ!?第4分隊長!?


「ふむ、当時は割と表立った仕事をしていてな?

文殊と根源の使用権無期限停止を通告宣言した映像資料はみたか?

見た者は挙手してみろ?」

まぁあれは見るよな壮絶な通告だったし。


「ふむ全員か、アレな?オレ」

「ふぁっ!?」「なぁっ!?」「えっ男だったぞっ!?」「うそっ……」

「騙されたっ!?」

気持ちはわかるが第7分隊長?初発言がそれでよいのか?

ハニトラに引っかかった戦隊ヒーローリーダーみたいな顔になってんぞ?

容姿は戦隊ヒーローのリーダー然なのに……そこはかとない残念臭がでてきてんぞ?


「ちょくちょくバレない義体を使って表仕事もこなしてたんだ。

特に生還が危ぶまれる役割を中心にな?中身は元女だぞ?

かようにあまり意味のある事柄ではないがな?」

「ん……ならまぁ」「よかった……」

第4分隊長はわかるが……第7分隊長ぇ。


「んん?はぁ!?ってことは敵地であれほど煽り散らしたんかよっ!!」

そうだな第2分隊長、その気持ちはわかる


「そうだぞ?

思考加速10倍中のエメスルと当時本件担当のイルブレムに、

数人の側近皇族と野次馬AI群に同時並行実況中継していてな?

大喝采を浴びたもんだ、アレは面白かったぞ?」

「えぇぇぇ…」「うそぉぉぉ…」「おおぅ…」「はぁぁぁ?」「なぁぁぁ…」


「特にイルブレムが連中にプリプリしていてな?」

「「「「「プリプリ……」」」」」

「よく言ったハム公!!ハム公万歳っ!!ハム公に永遠の忠誠をっ!!

なんて裏で叫んでたぞ?」

「「「「「次代女帝が忠誠……」」」」」

「まぁ単身敵中煽り屋稼業と一見派手ではあるが

いうてもノーリスクの単なるメッセンジャーだ

然したる仕事ではないな」

「「「「「稼業……」」」」」


「さて、次は誰だ?おっ第10分隊長か」

おっ初発言だな。

「ん……なんでプリプリ?」

寡黙枠か……仕事のできる女性美形生徒会長容姿でソレか。

となると第7分隊長の初発言事故を鑑みての行動かっ!

なるほど……できるっ……


「ふむ、ちょっと混み入った解説になるんだが

そうだな…コレを見てほしい」

おっSF的空中投影再びっ!


西暦4401年時の西暦4200年魔導帝国歴600年以降誕生のエルフ人口23億

西暦2600年エルフ総人口10

西暦2700年エルフ総人口50万 帝国「地球人類殲滅計画」始動

西暦2800年エルフ総人口1000万 地球人類絶滅

西暦3200年エルフ総人口2億(対地球人類戦経験者の子育て期終了)

西暦3631年エルフ総人口30億(第一世代の寿命期始まる)

西暦3801年エルフ総人口45億(対地球人類戦経験者の喪失)

西暦4200年エルフ総人口177億(対地球人類戦経験者の子世代の喪失)


「ん……理解」

「あ~そういうことか~」

「ふむぅ、寿命1000年のエルフにとっても戦争が歴史上のこととなったと」

「教育者も実際には戦争を知らない世代なんだね?」

「1600年もの間、戦争がなかったから…?」

「うはっ!皮肉なことだな!」


「イルブレムが西暦4355年生まれでな?同世代なんだよ。

っと、次を説明する前に諸君らの飼い主である女帝と皇族について

解説しておかんといかんな」

「「「「「飼い主……」」」」」

「いまさら取り繕っても現実は変わらんからな?ではいくぞ?皇族」

「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」


初代女帝フィーレム・スフームにより、

西暦3251年帝国歴501年に規定された、

次代皇帝もしくは為政者として生育される女性エルフ人種である。

帝国エルフ成人登録時に採集保存される遺伝子バンクより、

1年ごとに最良の組み合わせ上位200組み合わせ200人を

生殖機能を封した状態で製造し、

幼少から30歳まで魂魄式AI群が為政者として養育する。

以降は100歳までは個々人が要望する帝国実務を担わせ、

その実績順が皇帝継承順位となる。

100歳以降は皇帝継承順位を失い生殖機能が解放され、

実績順で帝国の実務要職を担っていくが、

その子孫は皇族とはならない。

皇族とは血ではなくその幼少教育に在る。

皇帝とは貧乏クジ。

皇帝につかず如何に高い要職につくか?

それが彼女たちの命題である。

なお女性だけなのは皇族子孫という権威を

粗製乱造されない為である。


「「「「「「貧乏クジ……」」」」」」


「では貧乏クジたる、女帝」

「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」


初代女帝を除き、

退位するまで生殖機能は封されたままである。

貧乏クジと言われる所以である。

継承も血ではなく実績による。

魂魄式AI群が次代を推薦し女帝が承認退位することで、

その継承はなされる。

現女帝が新女帝に女帝名を与え、

新女帝が現女帝の女帝名を召し上げ臣下名を与えることで、

その継承は行われる。


初代女帝

「エルフ始女帝:First Elven Empress・Space Humanity Empire」

=Fielem・Sphuem=フィーレム・スフーム西暦2651年即位


二代目女帝

「生存権拡張女帝:Empress to expand Lebensraum・Space Humanity Empire」

=Emexle・Sphuem=エメスル・スフーム西暦3601年即位


三代目女帝

「鉄血女帝:Iron-Blooded Empress・Space Humanity Empire」

=Irblem・Sphuem=イルブレム・スフーム西暦4450年即位


四代目女帝

「不屈の女帝:The Indomitable Empress・Space Humanity Empire」

=Thinem・Sphuem=ティネム・スフーム西暦5251年即位


五代目女帝「揺るぎない賢女帝:The Unshakable Wise Empress Humanity Empire」

=Thunwiem・Sphuem=トゥンウィエム・スフーム西暦6051年即位


つまりは前代が評価し期待する面が今代の女帝名なのである。

名は体を表すを体現するがのような歴史はこの継承が所以である。


「女帝は即位した時点で既に敗北者というわけだ。

この5名は栄えある罰ゲーム遂行者というわけだ、わかったか?」

「「「「「「罰ゲーム……」」」」」」


「ちなみに帝国の法が区別するのは、

『皇族』と『贖罪兵』に『人類の敵』と『それ以外』だ。

帝国だからといって貴族なんてものはないからな?

勘違いするなよ?」


「えっ?そうなの!?」

「うん、てっきり爵位やらが飛び交い?」

「あぁ、傲慢貴族やらがでてくるのかと?」

「うむぅ、確かにそう捉えていた」

「つまりはよくありそうな悪徳貴族の出番は?」

「……無い」


「というわけだ、

もちろん形を変えた『悪徳』は日々生まれ消えていくぞ?」

「「「「「「消える…」」」」」」


「特に有名な恒例行事は約100年周期で交互に現れる、

『皇族の精神的な圧政から国を開放しよう』集団と

『可哀そうな奴隷身分の皇族を国から解放しよう』集団だな。

まぁ集団勃興期に即座に殲滅というか隔離するんだが、

ほんとに何もないところから毎回よく生えてくるんだ。

なんでだろな?」

「「「「「「ノーコメントで」」」」」」


「まぁ話を戻して西暦4355年生まれのイルブレムなんだが、

当然のことながら幼少教育は魂魄式AI群なわけだ、

どんなやつがいるかというと?」

最古参って連中か?

「最初の10人の一人だったり?」

えっいるの!?文字通り帝国の生き字引じゃん!!

「前線指揮官でエルフのくせに先頭突撃するアホな筈なのに軍神とか?」

そこはかとない理不尽脳筋残念臭が!?

「3重の包囲線を平然と抜けてくるような宇宙艦隊指揮官とか?」

理不尽!!地球人類から見れば!!

「地球人類殲滅計画立案実行者とか?」

うぇ!?いるんだ…

「渋る軍官民をなぎ倒したマナ納税制度創案施行者とか?」

辣腕内政家枠!?

「俺以外の誰が最初にいくんだ?と言って最後に渋々帰還した

第一次太陽系外宇宙探査計画参加者とか?」

冒険家枠!?

「かってに始めてた内部海潜航艇開発を止められて号泣した

高濃度マナ生成生態系構築技術確立者とか?」

狂気の生物学者枠!?

「狂気溢れる多層積層魔法陣を構築した

マナ事象歪曲式転移システム開発者とか?」

えっ表現そんなほどなの!?

「俺は光になるんだ!!といって周囲の制止を振り切り、

誤って成し遂げてしまったマナ式亜光速推進システム開発者とか?」

誤って!?

「目指せアイテムボックスと人生をかけたが2代続けて挫折した

根源と文殊の考案者師弟コンビとか?」

2代続けて挫折!?

「まぁ割と多彩かつ気合の入った連中だな。

魂魄式AIを作っておいて自分はそうならなかった知恵者はいないが、な?」

ほうぅそうなのか…


「さて、そんな連中に振り回された、いやさ教育されたイルブレムからみて、

同世代の連中はどう見えたと思う?

同世代の一般国民は最古参の魂魄式AIとは接触することすら稀だぞ?」

「……それでプリプリ」

あ~そうなって当然か~

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