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第104話 まことにもって素晴らしい事であるな

『師団全員、配置につきましたよぅ』

『胸壁で待機していた師団はもう始めているか』

「ほんとだ…」

「えらい数の青い輝線が…」

「曲線を描いてますぅ」

激戦中の4368ブロックへの支援射撃か…


『光水の分隊儀式魔法、極光ですね』

『マナ効率1辺倒のやつですぅ』

『曲射も可能で事象も瞬間凍結』

「というわけだ」

「なるほど」

「そういう運用もあるのか」


『状況にマッチしてますから』

『我らも自マナ回復量ペースで倣うとしよう』

『2種はどうします?』

『歪曲砲装備で配置、待機だな』

『投射砲は持たせないんですかぁ?』

「そうだ、あるにはあるんろうに?」

「あえて使わない?」


『わかって言ってるな?光球が邪魔になるだろ?』

『ですよねぇ』

「あぁ見えなくなるのか…」

「それは確かに邪魔ですね」


『では、始めさせます、4368で良いですよね?』

『あぁ、それで頼む、

…2種に歪曲砲以上の貫通特化兵装が欲しいな』

『投射砲は威力は申し分ないんですがねぇ』

『些か派手に過ぎる』

『歪曲中和術式は?どうなんです?』

『距離の累乗で効率が悪化だ』

『あー、そう言ってましたねぇ、ソレで砲弾になったとぉ』

『う~ん、実体弾装備は厳しいですねぇ』

『我らが今から出迎えるような状況においてはなおのことな』

(きゅぅぅぅぅぅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅん)

分隊儀式魔法、極光の発射音か…確かに寒々しい青の光線だな…

『歪曲砲と投射砲がむしろ異常ではあるともいえますから』

『同サイズなら歪曲中和術式も有って無きが如しだからな、我らの歪曲砲は』

『機械神もどきも慌てたことでしょうねぇ』

『対策はあったのに意味がなかったのだからな』

(きゅぅぅぅぅぅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅん)

『当面は歪曲砲頼みでしょう』

『自マナの貯蔵も目途たっていませんしねぇ』

『そうだな、それこそどうにもならないとまで言われてるからな』

『貯蔵すると変質して自マナ扱いにならない…でしたか』

(きゅぅぅぅぅぅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅん)

『そう当人の固有情報は保持したままでだ』

『それはもう痕跡なのだ、生きてはいない…でしたねぇ』

『なかなか哲学的な話よな?さて…そろそろか』

「なるほどなぁ」

「地上軍視点だとこういう認識なのですのね」


(きゅぅぅぅぅぅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅん)

『組体操、どう当てます?』

『1中隊、2中隊、1大隊、2大隊でいく、2中隊だろうがな』

『初手4368で確認ですねぇ』

『第5の戦偵巡より通達、あと300秒』

(きゅぅぅぅぅぅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅん)

『水鏡より通達きましたぁ、初手はおそらく全て4368とのことぉ』

『支援射撃は継続だ、そのまま歪曲と雷線での迎撃射撃に移行するぞ』

『師団全員に通達しました』

(きゅぅぅぅぅぅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅん)

『さて、我らの積み上げし研鑽、どこまでいけるかな?』

「どこまでも…」

「動じませんねぇ…」



『あと10秒ですねぇ』

『なかなか壮大だな』

『100万ですから』

「えっこれが?」「目に見える遠景が全てモヤっているのが?」

「これが全て前兆現象なのですか…」

「宇宙空間では目立たないからな」


『ふむ、もう充分だろう、迎撃射撃準備に移らせろ』

『はっ』

『ふん、まるで蜃気楼だ』

『それも半径140kmで180度全天ですからねぇ』

『展開と同時に微小歪曲面と放電が生じます』

『宇宙軍では迎撃効率5%まで低下』

『ですがソレは球面内外射撃での数値ですねぇ』

『内面内であれば、50%程度でした』

『ふん、距離を詰める為とはいえ』

『我らの前を盛大に横切ろうというのですぅ』

『失礼のないように出迎えねばな』

『あと3秒です』

『放電が始まりましたねぇ』

『くくく、良い舞台だな』

『あぁ、あれがゲートですかぁ』

『目視距離でこれほどの数を見れる経験はそうないぞ?』

『遠からず見飽きるんじゃないですか?』

『道理だ、これがこれからの日常なのだからな』

『時間です』

(ぎぎぎぎぎぎぎきぃぃぃぃぃん)

これ?ゲートが開いた音か!?

『師団迎撃射撃開始しろ』

(ばっががっがががっががががっががっががががっががががっがん)

『1中隊じゃ抜けませんねぇ』

『思ったより外れてます』

『うむ、2中隊だ』

(ばっががっがががっががががっががっががががっががががっがん)

『ありゃ、抜けないですぅ』

『迎撃効率低下が効いてます』

『仕方あるまい、1大隊だ』

(ばっががっがががっががががっががっががががっががががっがん)

『抜けましたけどもねぇ』

『そうなりますかぁ』

歪曲を抜かれたら組体操バラして散開するのか…

『各大隊、散開した敵を撃ち落せ』

(ばっががっがががっががががっががっががががっががががっがん)

『これはまた…面倒ですねぇ』

『ここでも迎撃率低下が効いてます』

『我らがあくまでも地上兵器であることを突いてくるか』

「そりゃそうか」「艦船のような処理能力は望めないもんな」


(ばっががっがががっががががっががっががががっががががっがん)

『まだ残りますかぁ』

『この数の統制射撃は我らには不可能ですから』

『約秒速3500mか』

(ばっががっがががっががががっががっががががっががががっがん)

『4射でやっとですねぇ』

『1大隊40秒で組体操10組がやっとですか』

『全軍集団での最良条件、それでも120万組がやっとだな』

(ばっががっがががっががががっががっががががっががががっがん)

『後半は素通しに近いですねぇ』

『建造速度とコスト低減のためブロック自体には武装ないですから』

「そうなのか?」

「ブロックに武装をつけるなら拠点艦を増やした方が良いからな」

「なるほど」


『とはいえだ、この状況は戦略的には好ましくはある』

(ばっががっがががっががががっががっががががっががががっがん)

『おかげで40億も引っ張り出せましたねぇ』

『あとは我らが勇戦奮闘するだけ』

『まことにもって素晴らしい事であるな』

「ほんとに動じないな…」

「かなり危機的な状況だと思うのですが…」

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