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区切りの関係で短めになっています。
ふと、目が覚めると外には夕焼けが広がっていた。 ミレティアは急にのどの渇きを感じ、横に置いてあった水を飲もうと起き上がると、額からタオルが落ちる。
恐らくマリアンナがやってくれたものだろう、そう思うとミレティアは母に答えてもらえなかった寂しさを少し忘れることができた。
ミレティアの熱は数日続いた。疲労が原因ということもあり、とにかくミレティアは休んだ。
運ばれてくる食事も消化がいいものが多く、料理人の気遣いが感じられた。久しぶりに熱が出て寂しいのか、ミレティアは寝ている間に何度も母との思い出を夢に見た。
「熱を出したと聞いたが、大丈夫かい?」
そう言ってソラトレンは何度か、新鮮なフルーツをもってお見舞いにきてくれた。そのたびにミレティアはおもてなしもできずに申し訳ない気持ちになるのだが、同じ家にすんでいるのだから、これくらい気にしないでと、ソラトレンは言った。
そして、直接ではないが、お見舞いの品などがいくらか送られてきた。どうして、熱を出したくらいでこんなに騒がれなくてはいけないのだ、とミレティアはあらためてサンタリア家当主というものが面倒に感じる。
だが、そのなかで唯一、国王陛下から送られてきたものは素直に嬉しかった。代理の者が持ってきてくれたのは、フルーツゼリーのセットと一通の手紙だった。
厳重に閉じられたそれを、ミレティアはそろそろと開ける。
そこには父として娘を心配する言葉や、行けなくてすまないというような謝罪の言葉がかかれていた。
最後には
『国王としてはだめかもしれないが、あえて書いておく。
役目のことなんていいから、今はゆっくり休みなさい。
また、元気な姿でお会いできるのを楽しみにしているよ』
と書かれていた。
これは確かに他の人には見せられないと思いながら、ミレティアは手紙の置き場所に困ることとなった。
そんな風に基本的には静かに、たまに騒がしく数日を過ごすとようやく熱が下がった。
もう熱は出したくないと、ミレティアは思った。夢でフランシアに会ってはより、母と記憶の中ではなく現実で会いたくなるし、送られてきた見舞い品のお礼を書かなくてはいけないしで、何かと精神的に消耗してしまったのだ。
今回の件でミレティアは健康には気を付けようと決意を新たにした。




