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第6話、『少女視点(1)』

〜『通気口で』〜


逃げた!逃げ切った!


後ろにいる人の機転のおかげで 何とか暗いトンネルに逃げられた。


ありがとう と伝えたいけど 言葉が通じない。


でも分からない。今まで出会ってきた人とは普通に会話できたのに、この人だけは違う。


どうしてだろう?



バタンっ──ハァハァハァ、



ん?え!?どうしたのこの人!?


まだちょっとしか進んでないのに なんで倒れて息も荒いの!?


どうしよう……そうだ!


ちょっと失礼しますよ〜〜と、


私は倒れた身体の脇に手を入れて、引きずりながら狭い通路を進んだ。


ここまで来たら一蓮托生。

ここを出るまでは助けて上げたいと思った。





〜『外に到着』〜


休んでもらおうと気遣って、身体を持ち上げてあげた。


でも何かが気に食わなかったみたいで、抵抗したり、顔を背けたりする。


あれか。

誰の力も頼りたくない系な人か。


でも この人は自分よりも体力がなく そして弱い雰囲気がプンプンする。


だから安全な場所まで助けようと思った。


そしてドォン、と扉を蹴って ようやく外に到着。


さあて、これで一件落着。


これで さよなら……んん?


どうして落ち込んでいるの?


ようやく外の世界に出られたんだよ?


暗かった場所で 怪物にたくさん追いかけられて そんな場所から外に出られたのに、


どうしてそんな絶望した顔をしてるの?


……手を振っている?


……なんで背を見せるの?


……どうして悲しそうに歩いていくの?


…………。


その雰囲気はなんだ!気になるじゃん!そしてスッキリしないじゃん!


それに分からないことがある!


どうしてあの場所にいたの?

どうしてあの丸い物から出てきたの?


そしてこれが一番分からない。


その顔と身体だ。

そんなゴツゴツしていて、顔の作りも私達と全く違う。

まるで別種だ。


でも言葉以外の意思疎通はできる。だから同族には間違いない。


気になる!うん気になる!

だからついて行ってみよう!

どうせ暇だったし!やることもないし!


だから暇つぶしに付き合ってあげる!





〜『靴屋』〜


靴を探してるの?

でも、どうして遺跡から?


だって服とか靴って 勝手に治るじゃん。

ボロボロになっても 時間が経てば元どおり。


なのにどうして……そういえば 最初っから履いてなかった……まさか裸足が素なの!?


うわぁ〜初めて見たかも。


かかとが高かったり、変な音が鳴る靴を履いた同族は見たことあったけど 裸足は……痛そうだね。可哀想に…


じゃあ探さなくちゃね!じゃないと痛いだろうし!


でもほとんど布屑しかない。


んん?なんでまた落ち込んで──と!!


危ないな〜!私が支えなかったら倒れていたよ!


何か悪いものでも見たのかな?


……古代文字?そんなものを見て どうして落ち込んでいるの?


……まさか 読んだから とかじゃないよね?


なわけないか!誰も読めないんだから!


うん?奥に行くの?そして掘るの?


おお!見つけたね!この中の靴だったら、まだ履けそうじゃん!


よし決まったね!じょあこれからどうするの?


え?あの建物に行きたいの?

じゃあ任せない!

私が君を抱えて走った方が早く着くよ!


レッツゴー!!





〜『高いビル』〜


おお〜考えたね!


絵文字だったら分かるよ!


なるほど なるほど!


つまり!


『僕を屋上まで連れてって!方法は任せる!』


そうだよね!きっとそうだよね!


じゃあ連れていってあげよう!


君の身体はゴツゴツしてるけど、すごく弱いからね!

強い私が君の為に飛んであげよう!


大声出して 身体をワイワイするなんて そんなに嬉しいのかな?


よっし!じゃあいっちょ全力で走ってあげますか!


私の加速に驚いてね!


とぉおりゃあああ!!





〜『屋上』〜


ありゃ?また落ち込んでるよ。


本当に不思議だな。

この光景のどこに落ち込むの?


聞きたいけど聞けないし、

言葉が通じないと不便だな……


…………古代文字……古代語……


そういえば、古代語を記憶保存インストールできる場所が……どこだっけ?


確か……う〜ん……思い出せ〜……


…………出てこない。


だって誰も使ってないわけだし、


そもそも自分の少ない容量に 無駄な機能を入れるのもおかしいし、


うん!思い出したら考えよう!


それよりも、次は何をするんだろう?

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