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持病持ちだって働く権利はある!

勉強会と名のついた接待を熱心に受けている薮の体型は当然悪い。何年も前に脳梗塞で倒れたこともある。左半身への麻痺がかなり残ったが、リハビリは奥さんが熱心にリハビリ指導していた頃は症状がかなり良くなっていた。

ところが、数ヶ月後に奥さんが疲労で倒れて指導をする余裕がなくなってしまったのだ。あとは自分でメニューをこなすだけという状態で薮が努力するはずもなく、指導されていた頃より状態は悪くなっていった。

結局、話す言葉はきちんと伝わるものの左手はほとんど動かない状態である。


さて読者の皆さんに質問だが、半身が満足に動かない医者に注射をしてもらいたいだろうか?私は嫌だ。

それなのに薮自身は自分の技術力に自信があるらしく良く看護師に注射の指導をしている。正直に言って彼女の方がはるかに注射は上手い。彼女が病院に行くために遅れてくる日に薮に注射された不運な患者さんも言っていたことだ。


そもそも、前日に足に水がたまり薬品棚にあったフロセミドを飲んでオシッコで出したのが脳梗塞の原因である。翌日手がしびれたと言い始め、事務の人や看護師さんが心配して


「病院へ行ったほうがいいんじゃないですか?」


と言っても


「大丈夫、大丈夫」


と言っている間に舌が痺れ始め、事務の人が自分の判断で救急車を呼んだのである。

自分の脳梗塞の症状さえ見抜けない医者。それが薮なのである。


その後は薬物治療としてαβ遮断薬とワルファリンを使っているのだが、毎月の血液検査の結果が酷い。

INRという血がどれくらい固まりやすいかを検査する項目があるのだが、ある月は5.04、その翌月は1.61という風にちっとも安定しないのである(ちなみに正常値は 0.90〜1.26)。ワルファリンを飲んでる人は大体2.0〜3.0を目標にするということだから、いかにコントロールができていないかがわかるだろう。

飲みすぎて血が固まらない状態に焦った翌月は血液が固まりやすい状態である。自分のコントロールすら満足にできないあたり薮の腕は末期だと思う。


そもそも、食事会に行くと体重が大きいときは2キロ以上増えているのだから投薬コントロールも安定しないのは当然なのかもしれない(一時期病院で体重チェックをしていたので把握が可能だった。今はサボっているので不明)。本人も体重変化は気にしているのか、朝食と勉強会行かない日の夕食をざる蕎麦で過ごすという無茶苦茶な食生活を送っている。とはいえ、院長室でサボっている間に大量のおかきを食べているので何がしたいのかは本当に意味不明だ(そのまま診察するので診察室がおかき臭いこともしばしばである)。


患者さんには


「そんな食事をするから酷いんだよ」

「腰が痛いのは体重のせいだね。痩せないと」


などと言っているが説得力のなさはハンパない。本人も良く壁に手をついて腰を叩いているのだから。

それなのに激太りの後少し痩せ、患者さん


「先生、少し痩せた?」


と聞かれると、


「体重には気を使ってるからね。ざる蕎麦がいいらしいよ」


と答えてるのである。トータルでは激太り前より増えてるからと言いたいのを我慢。

いくらざる蕎麦が良いと言ってもこんな無茶苦茶な食べ方がいいわけないので良い子のみんなは真似しないようにしましょう。


一番大事であろう自分の身体の為でさえ満足な管理行えないのだから、患者さんの健康管理が行えているはずもない。薮のような医者の大丈夫は信用しないほうが良いのである。医者を見る目は必要だ。


しかし、一番問題なのは技術も知識も十分でない医者をチェックする体制が存在していないことだと思う。薮は前期高齢者に既になっている。勤務医の場合は定年になって終わりだから良いとしても、薮のような個人病院の医者は本人にやる気がある限り続けられる。何故なら医師免許には更新制度がないからいつまでも有効だからだ。

今までに何度か更新制にしようという話はあったのだが、医師側の猛反対にあい実現していない。ボケ老人を病院に連れていくのが大変なように薮のような医者が素直に他の医者の診断を受けることはないので、判断能力や身体能力のチェックすら行えないのが現状である。これから薮はどんどん認知機能が落ちてくるということに恐怖を覚える毎日である。

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