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市街地を抜けると、そこには闇と鬱蒼と繁る木々が広がっている。

肌寒さを感じ、暖房のスイッチに手を伸ばそうとするとそこには白い手が。


「…寒い」


「佑太」


助手席に座っている白い手の持主は私と同じ作りのコートを口元まで引っ張りあげて着ている。


「莉香は寒くないの?」


「肌寒いけどそんなには…」


祐太の震えながら吐く息が白い。

気付けば窓にはうっすらと結露がついていた。

悪い視界、暗闇、覆い茂る木々、そこを通り抜ける風の音。

不気味な雰囲気に体が強張る。今なら木の葉一枚視界を掠めただけで驚きそうだ。


「そういえばさ、さっき車に乗る前に俺、調べに行ったんだよね」


「何を?」


「旧青森、秋田、岩手県の土着風習」


これね、と祐太が見せる資料の束を横目で確認するとおどろおどろしいイラストが見えた。


「あんた良くこの状態でそれ出せるね…」


「そろそろそこら辺に着くでしょ?じゃあ確認しなきゃ」


「今回の目的は、この前起こった変死事件の調査及び村人の戸籍登録確認だったはずだけど」


最近、旧東北地方で変死事件が多発している。

法務省の地方部では人員が足りない為に対処しきれず、今回本部の私達が新たに調査に加わることになった。


「いいからいいから、読むよ。

まずは、少し遠い霊山だね。ここは昔イタコと呼ばれる女性達が口寄せを行っていたけど、現在は怪しい宗教施設が牛耳ってる。

イタコがいた時代からのものは残ってるらしいけどね。


後…この辺りだと、一本足の妖怪が伝わってるね。

女性と子供に影響があるとか」


「…資料、必要になったら読むね。ありがと」


子供という年ではないが女性に影響があるという辺りあまり気分のいいものではない。


.


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