カイヤが魔王を倒す理由
神は三人の勇者を産み出した。
一人はのどかな村に生まれ
一人は神のもと教会に生まれ
一人は魔王に荒らされた土地に生まれ
今回はその中の『黒の勇者』の物語。
「やはりこんなの酷すぎます!!」
魔王に荒らされた土地に生まれた一人の勇者は人が居ない中、泣いていた。
一人の神と天使はその様子を鏡から見ていた。
「ならお前が育てるか」
「えっ…。お願いします。あの子の所に行かせてください」
「よいだろう。天使クルムよ。一流の勇者として赤子を育てよ!」
「承知しました」
荒らされた街に送られた天使クルム。そこは人など居なく、焦げた臭いが立ちこめていた。辺りを見回すと、赤子の泣き声が聞こえた。
「もう大丈夫だよ」
赤子を拾い上げ、抱き寄せる。
「そうだね…キミの名はカイヤだ。よろしくね」
十六年後、カイヤは成人を迎えた。
「オレ、旅に出るよ」
「…そう。疲れたら帰って来てね。カイヤは強いから心配無いと思うけど…」
「心配しすぎだ。まったく…。行ってくる」
「うん。頑張ってね」
「ああ」
あれから数ヶ月。
オレは『赤の勇者』に出会い、夜に魔王となった奴を討つことが日課になっている。
オレはオレが生まれた街で魔王ステラによって消えた命のため、クルムの期待に添えるため、旅を続け、魔王を倒す。
これが、オレが魔王を倒す理由。
今回はカイヤのお話でした。次回もお楽しみ。