魔王がディアに宿る理由
とある道。ディアとリリアは宿屋が見つからなかったため、野宿をすることになった。
ディアはいつものようにリリアが寝静まった頃に抜け出し、魔王ステラの出現を待つ。ただ一つ違うとすれば、リリアが陰でディアを見ていたことだ。
「っく…」
「ディア…?」
「!!」
「体の中に何かいるの?待って、今静めるから」
そう言うとリリアはディアの手を握り、祈り始めた。ディアの中にある魔王の意識か薄れていく。
「…これでしばらくは大人しくしてると思うから」
「どういうこと…?」
「あなたの中にいる人を静めました。教会でもよくやるんですよ。…もしかして、ディアの中にいるのって、魔王ステラ?」
「!どうして…」
「教会にある勇者の伝説についての文献は、みんなが知っている伝説よりもっと詳しいことが書いてあるんです」
魔王ステラは誕生と同時に街を一つ壊し、神を悩ませていた。幼いものの大きな力を持っている魔王に神はかなわず、魔王を倒すための三人の勇者と一時的に魔王を封印する『器』を生み出した。
「そして『器』は純粋な心を持った勇者の一人の中にあると云います」
「……」
「合っていますか?」
「…魔王はもうじきに僕から出られると言っている」
「そうですか…やっぱり、私たちが倒さないといけないんですね」
「甘いことを言っているんじゃないぞ」
振り返るとディアに少し似た青年がいた。
「魔王を倒し、真の勇者になるのはこのオレだ」
今回はぶっつけで書きましたが、どうにかなりました。