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ゾンビ☆ファンタジー ~ゾンビがあふれるポスト・アポカリプス世界なのに僕だけレベルアップするとかジャンル違くない?  作者: 灰灰灰


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第5話 生存者に遭遇したけど嫌な予感しかしない件について



放浪生活一〇日目。


 今日も今日とて現状把握とレベルアップに努めるため、周辺住宅街をフラフラと徘徊する。ゾンビとは新宿の出会い厨ばりに遭遇するが、レベルは順調に上がり、苦戦することも特になかった。   


 まぁ、元々ステータスやら大剣やらの性能が凄すぎてろくに苦戦した記憶もないけど。ていうか、レベルが上がり過ぎて軽く人類を辞めてるまである。この前とか油断してゾンビに噛まれたけど、歯形すらつかなかったもの。マジぱねぇ。


「くんくん、やっぱり仄かに漂うスパイシー……」


 思えばここ数日衣服を洗濯した記憶がない。衣服から迸るフレーバーが漂っていた気もするが、いつの間にか何も感じなくなってしまった。鼻に刺激が無くて一瞬喜んだけど、冷静に考えたら鼻が馬鹿になっているだけだった。


「うへぇ……」


 しばらく当てもなく徘徊を続けていると何やらクソの役にも立たなくなった鼻孔がひくついた。強烈な腐臭だ。僕のホームレスばりに漂うフレグランス(鼻がバカになっているから多分だけど)も何のその。思わず顔をしかめた。


 匂いの震源地に向かうと蟻のように群がるゾンビ達がそこにいた。


「もしかして生存者でもいるのか……?」


 よくよく見るとゾンビたちは一つのビルに群がっている。彼らの生きた人間を襲う習性を考えればそう考えた方が自然だ。


『ルルルルルルルル』


「わ、大剣ちゃん」


 どうするかと腕を組み悩んでいると、僕の意思をガン無視決め込んで勝手に大剣ちゃんが虚空から現れた。世界が変わってからのこの奇妙な相棒である大剣ちゃんは、早くも殺る気マンマン。物騒な事この上ない奴ですこと。


「ま、とりあえず経験値になるし殲滅しますかねっ」


 確かに大剣ちゃんが言う? ように目の前の奴らをどうこうしない限り話しは進まない。


 群がるゾンビ達を見据えてコキコキと首を鳴らす。こういう動作するとなんか歴戦の戦士っぽい気がするよねっ。え、そんな事ない? そんなー。



 ◆



「アぁaアァアアアアア……!!!!!」



 血気盛んにも僕めがけて群がる亡者達。美少女だったらまだしもこんな奴らに群がられたところで一ミリも嬉しくない。


 全くもって嬉しくないのでさっさとご退場願おう。大剣を強く握り、腰を大きく捻らせる。


「秘技ブーメランスネイク!!」


 オタサーの姫に群がるオタクばりの勢いで迫り来るゾンビ群。しかしオタク達の運命と同様に、彼らは指一本ですら僕に触れることは叶わない。


 思いっきり振りかぶり、ぶん投げた大剣がブオンブオンと大気を掻き鳴らす。その勢いたるやヤリチンチャラ男のナンパ速度も真っ青なもので一回転する毎に、十数を越えるゾンビ達の上半身と下半身がおさらばしている。


 大剣は弧を描くように回転していき、遂には建物をグルリと周り僕の元へと。パシッと格好つけて掴み取る。凄い、レベルアップにより向上した僕の身体能力まじハンパない。普通こんな事出来ないはずなんだけどね。


 時間にして数十秒。たったそれだけだ。たったそれだけで、あれだけいたゾンビ達はほぼ全滅してしまった。


「僕、凄くね? これはもうなろう系主人公ですわ。ヒロインいないけど」


 中々にチート能力だと思うんだけど、まさかのヒロインどころか女性にすら会わないんですけど。チートとハーレムはセットなんじゃないんですか。僕も早く美少女達に『あれ? 僕なんかやっちゃいました?』とかドヤ顔でかましたいよぉ。


「アぁaアァ……!」


 そんな事を願ったところで僕に寄ってくるのはゾンビぐらいってか。


 ていうか、数体がまだ生き残っていたか。流石にあの大雑把な攻撃じゃ撃ち漏らしが出るのも仕方ないか。


「普通のキック!」


 ゾンビの数体程度であればわざわざ大剣を使うまでもない。何の変哲もない蹴りで丁寧に沈めていく。うわ、単なる蹴りでゾンビが真っ二つになる。


「さてと、このゾンビの集まり具合だと生存者がいそうだね」


 戦闘は終わった。辺りのゾンビは粗方片付けたし、これでしばらくは安心だろう。


 ゾンビ達は明らかに建物を囲う様に群がっていた。奴らは映画よろしく生きた人間を執拗に襲う。だから、彼らが群れる場所にはほぼ生存者がいるの見て間違いない。


 本音を言えば人見知りの隠キャなので、会いたいと言うわけでもないが状況が状況だ。そろそろネットだけではなく生の人間から情報収集をしたいところが本音だ。知らない人と会話するのは死ぬほど嫌だけど。


「ごめん下さーい」


 ビルの大扉をノックするが反応は無い。何となく人の気配はあるからいないという事はないだろう。ということは、こちらを警戒してどうするべきか悩んでいると言ったとこか。


「一応確認したから中に入りまーす」


 自分で言っていて頭のおかしい理論だとは思うが、埒が明かないし致し方ない。力任せにスライド式ドアをこじ開けた。ベキバキゴキといろんな物が引きちぎられる音が聞こえた気がしなくもないが、無視。


「おう!? なんかすげぇ音したな!?」


「だ。誰か入ってきたぞ……?」


「お、おい、誰か見に行けよ」


「ゾンビじゃないよね……?」


 中に入ると複数人の声が耳に届いた。


 声の数からして四、五人程度の男女グループだろうか。おそらく年代は近く、そして明らかに陽キャグループ。ウェイ特有の声の軽さとチャラさが言葉の端々に感じられる。つまりは僕の敵だ。


「やっぱり生存者じゃね?」


「あれ? 外のゾンビがなんか消えてね?」


「まじで? あーしらついてんじゃん」


 どうしようか悩んで立ち止まっていると奥の方から、やはり男三人女子一人の陽キャグループがゾロゾロと出てきた。どーしよ、もう帰りたくなってきた。陽キャ達って学校とかでも勝手に僕の机使ったりとかしてくるから嫌いなんだよね。


「あれ? もしかして同じクラスの北原じゃね?」


 そのまま背中を向けてBダッシュを決め込もうかと考えていた矢先、衝撃の事実が判明。まさかの(見覚えないけど)顔見知りだったとかマジで勘弁して欲しい。いやほんとマジで。


 神様は僕の事嫌いなのかなと思うレベル。まぁ僕も神さまとか嫌いだけどねバーカ!


 とにかくこの状況、ろくでもない予感しかしない件について。



 ◆



 北原ムンク

 Lv10

 職業:不死殺し


 HP 290

 MP 21

 SP 42


 筋力  23

 耐久 19

 俊敏 22

 魔力 10

 運  14(-999)


 skill –



最後まで読んでいただきありがとうございます!

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