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ガタガタとした揺れで目を覚ます。
「、、んっ、、、?」
「─、──?」
目の前には、気を失う前に見た騎士風の人達の中の1人がいた。
ポニーテールのキリッとした美人ながらも、こちらを見つめる目は優しそうな紫髪の女性。私を気遣うように何か問いかけてくるけど、相変わらず言葉は分からない。
でも、そうだ私、何か変な薬を嗅がされて、、
とたんに警戒心が蘇る。
向かいの席に座る彼女を観察しながら辺りを見ると、ここは馬車の中の様だった。
馬車なんて乗ったこともないし、この乗り物は現在進行形で動いているから想像でしかないけれど、傍から聞こえる馬の蹄の音や、窓を流れる景色の速さ的にも合っていそうだった。
窓の外は田舎道と言った感じで、緑の牧草が茂る中、ヤギや羊がいるのが見えた。
その世話をしている住民らしき姿もちらほら見えた。
どこへ向かっているんだろう。
とりあえず分かったことは、
ここは天国じゃなさそうだってこと。
後は、、外国??
でも彼らが話している言葉も全く知らないし、いくら外国といえど、現代に馬で移動して帯剣している色とりどりの目や髪をした騎士がいる国なんて知らない。
となると私は、おとぎ話のように崖から落ちて別の世界に来てしまったのだろうか。
─自分で考えて馬鹿らしくなる。
まだ死後の世界だと言った方が信憑性がある。
ただ、先程男に腕を掴まれた時の嫌悪感や拒絶反応はひどく現実味があった。
ふと自分の体を見ると汚れたセーラー服に汚れた靴下のままだった。
全力疾走していた時ほどの全身の痛みはないが、
頬に手を伸ばして触れてみると、
「っう、、」
痛い。
鏡はないから顔は見れないけど、間違いない。
この体は昨日の夜、父から逃げた時のままで、全身の疲れは多少取れているものの、受けた傷はそのままだ。
─これ現実なんだ。
だって死後の世界なら痛みとかないはずでしょ。
死んでも痛いとか不親切すぎるから。
納得して、そしたら尚更自分の置かれている状況が気になって、ちらりと前の人物を見た。
紫の彼女は一見優しそうに見えるが、自分を何の目的で、どこへ連れていくのだろう?
言葉も通じない私は尋ねることが出来ず、ただ不安な気持ちで外を眺めていた。
ヒーローまだです、、(>_<)




