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「──!、───!!」
周囲がうるさい。
眠いのに。
久しぶりに何も気にせずゆっくり眠れたのに。
若干不機嫌になりつつ身を起こすと、
私は人に囲まれていた。
そこで寝ぼけていた頭は一気に現実に引き戻される。
変わらず周囲は綺麗な森の中だったが、
私を囲む10人ほどの人達は、この場に似合わぬ格好をしていた。
何やら中世ヨーロッパの騎士?のような揃いの制服を着ており、腰には帯剣していた。近くには乗ってきたのであろう馬が、手綱で木にくくられているのが見えた。
なんなんだこの人たち。
ここは天国だと思っていたが、とても天使には見えない。
「─!──?─!?」
目の前にいるお兄さんがなにか私に話しかけているようだが分からない。
「──??─?──!」
私を囲む騎士のような人達は、男女共に皆背が高く、髪や目の色も赤、青、緑、茶や紫と正に十人十色だった。
外国の人?でも聞いた事のない言語だ。
顔立ちも彫りが深くヨーロッパ風だが、王道と言ってもいい金髪が居ないのは不思議に思った。
「─!──!?」
また何か話しかけられたが分からない。
寝起きでぼけーっと意味も分からない言語を聞いている私は、さぞ間抜けな顔をしているだろう。
痺れを切らしたのか、目の前にいた気の強そうな赤髪の男がグイッと私の腕を掴んで無理矢理立たせようとした。
手に触れられた瞬間、
「いやっ!!!!!」
自分でも驚くほど大きな声が出た。
男がやや動揺を滲ませた声で問う。
「─!!、──???」
気持ち悪い。
力で言うことを聞かせようとする男。
反抗すれば殴られる。蹴られる。
そして体を暴かれるんだ。
嫌だ、嫌だ、、
昨夜の記憶、これまでの記憶がフラッシュバックして体がガタガタと震える。
─ここは安全じゃない。
逃げなくちゃ。
全身を捩って逃げようとした。
でも周りの男たちは自分よりもよっぽど体格が良く、力も強かった。
「──!─?──!!!」
男が仲間へ向かってなにか指示を出す。
そもそも言葉が通じないから、自分がこの人達に捕まるとどうなるのかなんて分からない。
でも私を力で拘束しようとするだけで、私の体は拒絶反応を示していた。
「嫌だ!やだ!!やめて!!!」
震える体で、泣きながら手を振りほどこうと半狂乱になって暴れる。
その時、背後から何か布のようなもので鼻と口を覆われた。
「!!、ンー!?!!!」
ツンとした薬品臭が鼻を突く。
パニックになってくぐもった声で叫ぶ。
─なにこれ!!?やだ!たすけて!!
だんだん体の力が抜けて強烈な眠気が襲ってくる。
私の訴えは誰にも届くことなく、意識は闇に沈んでいった。
3話連続ブラックアウトです、、




