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男嫌いな私と人嫌いなあなた  作者: 記録係B


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2

──ガシャーン!!!


「お前!!ふざけんなよ!!!」


今日も些細なことで激昂した父に腕を掴まれる。


「、、、っ!、、」

─ジュウッ。腕にタバコを押し付けられる。

熱い、痛い、痛い、、


所謂根性焼きは私の体の至る所にあった。

腕、足、背中、お腹。


もう何年も繰り返されてきた行為だが、それでも腕は熱と痛みを主張してくる。


「は、ぁ、、、、」


ジクジクと腕が痛む。

声を押し殺すことにはもう慣れた。私が痛みに悶える表情を見て、この男は満足するのだ。





いつもだったらここで終わるはずだった。





でも、今日は違った。



「お前、今日で18だろ」



ふいに、父が話しかけてきた。


3月9日。

私の誕生日をこの男がまだ覚えていたことに驚いたが、それ以上に気味の悪さを感じた。


こいつは私の誕生日を祝うような人間では決してない。



頭の中で警鐘がなる。

この先を聞きたくない。



「これでやっと法的にも大人ってわけだ。

あ〜〜、長かった。

ガキのお守りも今日で終わりだ。

お前には明日から風俗で働いてもらうから。もう業者とも話がついてんだ。」



ヒュッと喉がなり目の前が暗くなる。


今、なんて言った?

風俗??、私、売られるの?



「何のためにここまで育てたと思ってる?

貧相な体はともかく、顔は悪くねぇんだ。

お前はこれから体を売って、俺の為に金を稼いで来い。そのための道具だよ。」



愕然と目を見開く私を見て、男はせせら笑うように言った。



「ただ、、、」


─ガシッ

いきなり腕を掴まれる。


「どのみち客を取る前に、初物は店の男に食われちまうんだ、先にどんな具合か確かめておかねぇとな」



ニタニタしながら男が迫ってくる。



売られる、??

でもその前にこの男に汚される、、?


混乱する頭で理解が追いつかない中、これだけは確かに思った。



─無理。この男になんて絶対に嫌!



手を振りほどこうと必死に抵抗をする。

全身で暴れ、その勢いのまま思いっきり脛を蹴りあげる。




初めてと言ってもいいほどの反撃だった。



「ってぇ!!、あ"??、

お前ふざけんな、よっ!!!」



──ガンッ


拳で頬を殴られる。

頭がグワンとして視界が歪む。


目の前がチカチカして、立っていられず床に崩れ落ちる。



「道具が抵抗してんじゃねえよ!!」



──ガンッ!ガンッ!


「、、っう!、う、、」


頭に血が登った男は馬乗りになって何度も私を殴打した。

声にならない呻き声が漏れる。



「やっと大人しくなったか」


力の抜けた私を見て、男は荒い息をしながら言う。



「また暴れたら分かってんだろうな」



そう言いながら、男は私の体をまさぐり始めた。

制服の上から胸を揉み、尻や太ももを撫でられる。


全身を這っていく手の感触が気持ち悪い。




次第にエスカレートしていって、制服の裾やスカートの裾から手を入れて大胆に触り始めた。



「ガリガリすぎて色気もクソもねぇな」


男が鼻で笑う。

だが興奮しているのか、目が欲にまみれてギラギラ光り息も荒い。



ああ、私はここで汚されてしまうのか。


こんな奴に。最低な男に。

嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ。




絶望した視界の端に、ローテーブルが見えた。

その上にはガラスの灰皿。

手を伸ばせば届きそうな距離。



霞む視界で男に気付かれないよう、ゆっくりと手をのばす。


指先が灰皿に触れた。

微かな力でもしっかりと灰皿の端を握る。



やるしかない。

もうこのチャンスを逃したら、私は一生このままこいつの言いなりだ。



心臓がバクバクと音を立てる。


男は私の太ももに顔を寄せている。

気付かれていない。




今だ!!!


大きく振りかぶり、渾身の力で男の後頭部目掛けて灰皿を叩きつけた。




──ガッッッ!!


「っっっが!ぁっ!!、、、」


男が怯み、拘束が緩む。


すぐに男の体の下から這い出て、玄関目掛けて一目散に走る。



「おいっ!!、待て!テメェッ!!!」


背後から、これまで聞いたことがないほどの男の怒声が聞こえた。



捕まったら今度はもう殺されるかもしれない。


そう感じて、靴も履かずに玄関を飛び出してがむしゃらに走る。





どうしようどうしよう。

やってしまった。


でももう後戻りはできない。




逃げなくちゃ。逃げ切らなくちゃ。





でも

どこへ?


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