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7話

「せ、生存者だ!!」


「そ、そんな……」


優は、暗がりの中に走る光を見つけた。

あれは――助けを呼ぶサインだ。


「助けなきゃ!!」


……そう、私は知っている。

優くんの性格なら、放っておけるわけがない。

たとえ、相手が誰であっても――犯罪者以外なら。


__________________


「お兄ちゃぁぁぁん!!」


「……妹!?」


まさかの声に、優の顔色が変わる。


え? ま、マジで? よりによって……妹ちゃん!?


「良かった、本当に……ほんっとうに良かったよ!!」


「うん……俺も。ずっと心配してた。生きてて……本当に……」


(……優くんは、この数日、春を守ることに必死で、妹のことはあえて思い出さないようにしてた。それが今、全部崩れ落ちたように――優しい顔で、泣いている。)


「その……妹ちゃん、なんだよね。……可愛いね」


春が笑顔で言った、その瞬間――


「がるぅッ!!!!!」


「……えっ?」


優が慌てて止めに入る。


「ご、ごめん春。妹は……俺の近くにいる女の子に、ちょっと……威嚇癖があるんだよね……。俺のことが大好きすぎて……」


(あっ、察した)


(これは、アレだ。ブラコン)


(いや、優くんが兄なら、そりゃそうなるかもしれないけど……)


春は、静かに問いかけた。


「……ま、まさか……血は繋がってない……とか?」


優は照れたように笑った。


「そうだよ!よくわかったね!」


その瞬間――春の世界に、ヒビが入る音がした。


(そんな……)


(じゃあ、何の障害もないじゃない……!)


__________________


妹が、満面の笑みで優に抱きつく。


「お兄ちゃん、こんな世界で……もう二度と会えないと思ってた。だから……お兄ちゃんだけ居れば、もうそれだけでいいの」


「この世界は、私にとって――天国だよ」


春は、笑顔を崩さない。


けれど、心の奥に沈んだ想いがひとつ、確信へと変わった。


(私以外にも……この感情を持っている女の子がいたなんて)


(でも……それが、よりによって……義妹なんて――)


――これは、運命の戦争だ。

命を懸けた「好き」の戦いが、今、始まる。



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