第85話〜映画館〜
それではどうぞ
「ほんとにいいの?」
「いいんだよこれで。なんだかんだ楽しみだから」
映画館で映画を見るのはいいんだけど、その内容が恋愛系だったために何回も聞かれた。ほんとにいいの?って。
良くなきゃ言わないから安心して欲しいんだけどな。楽しみなのは本音だ。
「チケット買ったし、後は…」
「ポップコーンだね!」
映画館に来て、映画を見るんだ。ポップコーンは定番だよね。
まぁ来たことないから初めてだけど。何味にしようかな…
「私はキャラメルにしようかな」
「じゃあ俺は塩にしようかな。」
キャラメルに飽きたら俺のを食べれば味変にもなるだろう。正直な所フリじゃがとかチキンとかも気にはなるけど…まそれはまた別の機会にしよう。
そうしてポップコーンとドリンク(2人ともコーラにした)を購入し、席に座る。始まるのが楽しみだな…
「楽しみだね、優成くん」
「そうだな、海莉」
楽しみなのは俺もそうなんだけどさ海莉さん。…何故に手を絡めてくるんですかね。
ん?何か?みたいな顔で微笑んできてるけど誤魔化せませんよ…?
「まあまあいいじゃん、周りみんな同じことしてるし…」
「そういう問題かな……まあいいか。」
ちょっと寂しそうな感じがしたので特に追及しない事にした。確かに周りは皆カップルだしな…。
「あ、始まったね」
「そうだな。……海莉、腕…」
「ほら、集中しないと勿体ないよ?」
手を絡めることに関しては別にいいやって言ったけど…!腕はちょっと…流石に意識せざるを得ないんですけど
そうは言っても、映画見ないと勿体ないし…はあ。我慢するかぁ……。
「楽しかったね!!」
「まさか最後ちゃんと結ばれるとは…途中までシリアス要素多すぎて結ばれないと思った」
「わかる!実らないままなのかな〜って私もちょっと思ってた…」
映画は凄く楽しかった。始まる前こそちょっとドキドキしてたが開始10分もすれば映画を見るのに夢中になっていた。
…まぁ、終わって少しすればまた意識し始めるんだけどね?海莉さん。というか何気にずっとこのままだったのかな。
「……だめなの?」
私とはしたくないの…?と言う悲しみを帯びた目線でこちらを見ないで欲しい。誰もしたくないなんて言ってないから。
大体、毎回それで俺が頷くとでも思っているのだろうか?……頷くに決まってるよね。だめじゃないですと言うに決まってるよね。くそう。
「優成くんならそう言ってくれると思ってた!……せっかくだから何かグッズ買っていかない?」
「なんか癪だなぁ、それ……まあいいか。そうだね、せっかくだから買ってこうか。」
こうして2人で仲良くグッズを買うことになり、すぐ近くに置いてあるグッズコーナーに移動する。
……ん?今視線を感じたような……
「優成くん?どうかした?」
「いや、なんでもない。何かいいのあった?」
「んーとね、これとか……」
すぐに見られている感覚が消えたので気のせいだったのだろう。気を取り直して、海莉と一緒に買うものを選びはじめた。
それではまた次のお話であいましょう〜




