第8話〜まさかの再会〜
今回も真面目すぎたかなぁ…
それではどうぞ!
「あの〜、もしもーし?」
「え?ああ、はい。すみませんちょっとびっくりして…」
「あの時の人だから?」
優しくそう聞かれて、俺は静かに頷く。だってあの時の人が俺の推しで、話を聞いてくれて俺を助けてくれるなんて…そんなの流石に想像できなかった。
「どう?VTuber、楽しい?」
「ええ。…とても」
そう答えるので精一杯だ。
「VTuber、凄い頑張ってるもんね。」
「…ボタンさん、説明するべきことは大体終わったのであとはよろしくお願いします。」
「わかった。ありがとう、島海さん。」
そう言って島海さんが退出し、部屋で2人きりになった。
「ボタンさん、ありがとうございました。…あなたのおかげで楽しく日々を過ごせてます。」
「それは良かったけど…あれからなにか辛いことはない?」
そう言われると弱い。学校はともかく家の状況が改善された訳じゃないからな。けど、流石にもう心配をかける訳には行かない。
「いえ、大丈夫ですが…」
「あの時と同じ目をされて言われても、心配になるだけだよ?」
「これ以上心配をかける訳にも行かないですし、家のことはもうどうにもならないですから。」
少なくとも家を出て暮らせるようになるまでは無理だ。そして俺にそんな財力は無い。
「そっか…流石に家を出て私と暮らすのはウルフ君がしたくないだろうし…」
「いやいやいや、ボタンさんの身が危ないでしょそれ。」
「?君がそういうことをするような子じゃないのはわかるし。…まあ、もし気が変わったら言って?何時でも受け入れるからね」
気が変わる事、あるんだろうか…でも正直、家を追い出されても少しだけなら匿ってもらえそうだというだけでも心強い。
「さて、じゃあ話すこと話しちゃおうか。と言っても説明は聞いたんだよね?私から話すことなんて全然ないんだけど…」
そう言って、VTuber視点からみた事を色々教えてくれた。俺はまだ活動始めたてだったのであんまりよく知らなかったんだけど1人だと不便なところも助けて貰えるみたいだ。
あとはお金だが、3割事務所に入るらしい。けどこれは俺も思ったがかなり少ない方だ。
ほかの所は4割5割持っていかれるとこ普通にあるらしい。優良だ。
「…って訳なんだけど、どうかな?」
どうかな、とは事務所に入ってもらえる?と言うことだろう。…正直なところ入りたい気持ちが大きいが、迷惑をかけそうな部分が怖い。けどそのへんも大丈夫だと言ってくれてるからなぁ。
よし、試しに入ってみよう。本当に駄目だと思ったらその時はその時で辞めれば良いんだ。
「分かりました。…入ってみようと思います。」
「やったぁ!そう言ってくれると思ってた!!……じゃあ、これから一緒の事務所でやってくんだからLINA交換しよ!」
そう言って差し出してくるので交換する。…あれ?俺もしかして推しのLINA手に入れてる?てか、もしかしてこれ
「プライベートのだから教えないでね?あ、それから外で居る時は海莉って呼んで。鳴谷海莉。」
「私も優成って呼んでください。佐久間優成です。」
「んじゃあ無事に事務所所属も決まったし!ご飯でも食べに行かない?」
すごい伸びててびっくりしております!めっちゃ嬉しいですが感想とか頂けると励みになるんで良ければ…!!
それではまた次のお話であいましょう